2024年09月03日更新
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(有)丸谷建材 対談取材記事

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情報収集と発想力を駆使して
お客様が喜ぶ商品を開発する

有限会社 丸谷建材

代表取締役 丸谷 昭信

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─略歴

■独創的なアイデアを堅実に磨き上げてこそ生まれる商品

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

丸谷社長はこれまで、ただ勢い任せで走り続けてきたのではない。昼夜を問わず事業に打ち込みながらも、常に体調管理に気を配るその姿勢は、慎重な商品開発にも通じるものがある。

社長の持ち味である個性溢れる着想力。だがそのアイデアが形になる過程にこそ、社長の真の才能が発揮されることに気付く人は少ない。自身で収集した膨大な情報を元に、入念な検証と試行錯誤を重ねてこそ、顧客の心を確実に掴む商品が生まれるのだ。奔放なアイデアを磨き上げる細心さ。それが、社長の最大の強みなのだ。


【足跡】 石川県出身。20歳で埼玉県に移り、様々な業種で経験を積んだ後、コンクリート二次製品の製造に可能性を見出す。2001年には「丸谷建材」を設立し、情報網を駆使しながら日々新たな商品の探索に余念がない。


運送業やコンクリートの二次製品製造と卸業、そして数々のアイデア商品の開発を手掛ける「丸谷建材」。同社の丸谷社長は、巷に埋もれる面白い素材を見つけ出して商品化し、ホームセンターなどに卸している。「お客様に喜ばれる商品をこれからも提案していきたい」と語る社長に、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─対談

穂積 まずは丸谷社長の歩みから。

丸谷 私は石川県で生まれ育ち、20歳の頃に埼玉県へ出てきました。そうして様々な職種を経験したのち、まずは自分でトラックを一台購入して事業を始めたんです。また、時期を同じくして結婚も。トラック一台で稼ぎながら、家と土地を購入したんです。家内には随分苦労をかけましたが、順調に事業を展開できたのも全ては家内の支えあってこそ。感謝してもしきれない思いですよ。

穂積 内助の功があったわけですね。現在は運送業を営んでおられるとか。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
▲コンクリート二次加工品製造工場

丸谷 実はそれとは別に、主軸に据えている業務がありましてね。それは、U字溝やフェンスブロックといったコンクリート二次加工品の製造・販売業なんです。この「丸谷建材」は、その二次加工品をホームセンターなどに卸すことから始まったんですよ。さらに最近では取引先からの提案で、地元である石川県にも二次加工品の製造工場を建てましてね。と言いますのも、関東と違い、石川県にはそうした製造工場がなかったので、関東から製品を空輸する必要がありました。この製造工場を設けたことで、輸送費がカットでき、コストも安く抑えることが可能になったんです。現在はこの工場を息子に委ねていますよ。

穂積 社長の事業展開には力強さを感じます。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
▲「丸谷建材」が製造するコンクリート二次加工品。豊富な種類が取り揃えられている。

丸谷 何にでも挑戦しますが、無謀なことには着手しません。きちんと計画を立てることを何より大切にしています。近年当社で一押しの製品も、しっかり検証を重ねたもの。とても面白いんですよ。

穂積 ほう。詳しくお聞かせ下さい。

丸谷 子どもたちが安全に砂遊びできるようにと開発した「あそび砂」という名の商品です。これには0.3mmの非常に粒子が細かい砂を用いており、水を混ぜるとよく固まり、かつ加工しやすいんです。普通の砂では難しい緻密な砂の城なども、この「あそび砂」であれば簡単に、綺麗に造ることができます。この砂と、優れた抗菌性とともに環境にも十二分に配慮された「ソフトサンド」を使ってイベントなどを行ったところ、とても好評でしてね。当社はこれらをホームセンターなどで販売しているんですよ。

穂積 それは子どもたちが喜びそうだ。

丸谷 砂場用に使用していただけるように保育園や幼稚園にも営業したところ、評判は上々で、すでに富山県にある保育園では「あそび砂」を採用していただけることが決まりました。最近では天候などに左右されない室内用砂場というものもあります。口コミで広がって、この砂を使った砂場が、子どもたちの創造力を養い、また、情操教育にも役立てば嬉しく思います。

穂積 子どもは砂遊びが大好きですし、そこから多くのことを学んでいくものですよね。これら商品の元となる砂はどこかの砂浜のものなのですか。

丸谷 実は砂浜ではなく、石川県の丘から採掘しています。石川県は砂地が多く、畑の土も砂で、この砂で植物を育てるとよく成長するんですよ。この砂を見たとき、幼い頃に遊んだ記憶が蘇り、直感が働いたんです。

穂積 「これはいける」と感じられたと。社長は素晴らしい眼力をお持ちですね。

丸谷 いえいえ、私はお客様が喜ぶ商品の提供を、いつも念頭に置いているだけです。そのためには情報収集が欠かせませんので、様々な場所で人と会って話を聞くようにしているんですよ。そこで面白いと思った物の実用化の可能性を探り、取引先に提案するのが私の仕事。常にアンテナを張り巡らせるのは大変ですが、楽しんでいますね。

穂積 では今後の展望を。

丸谷 会社としては10周年を迎え、事業は順調に進んでいます。これまでは卸業ばかりでしたのでお客様の反応を直接見ることはありませんでした。そこで現在、北陸に所有する土地にアンテナショップをつくりたいと考えているんですよ。こちらはエンドユーザーから新たなニーズをキャッチする有効な手段となるでしょう。また取引先を説得する材料にもなり得ます。もちろんあくまでもメーカーとしての立場を守りながら、取引先とお客様に喜んでもらえるような仕事をしていく所存です。

穂積 陰ながら応援しています。

明日を切り開く経営者たち── その戦略と視点

サンドクラフトには、目を見張る美しさがある。しかし原料となる砂には、無数の雑菌が潜んでいるのだ。

その点、「丸谷建材」いち押しの「ソフトサンド」ならば、雑菌をほとんど寄せ付けることがない。その理由はこの砂に含まれる、防菌・防カビ・防藻剤「MRA500」だ。安全性においても、世界一基準が厳しいと言われるEPA(アメリカ環境保護庁)と、「(財)日本食品分析センター」のお墨付きであるこの製品。環境ホルモンとしてリストアップされた化学物質も一切使用していないため、環境にもとても優しいという、他に類を見ないものなのだ。これが含まれた「ソフトサンド」で、子どものみならず大人も安全・安心に砂の造型に興じる場が増えることを、願って止まない。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「エンドユーザーである皆様が喜び、取引先であるホームセンターが潤う。それが何より嬉しいことですね」(代表取締役 丸谷 昭信)

「奥様やご子息のお力が、丸谷社長の着想に一役買っていますね」(ゲスト 穂積 隆信)

対談を終えて

「『丸谷建材』さんが石川県に所有する工場は、現在丸谷社長のご子息が引き継いでおられるそうです。奥様の内助の功に、ご子息の力も加わって、家族が一丸となって前進する同社。社長から湧き出るアイデアは、ご家族の支えがあってこそのものなのでしょうね」(穂積 隆信さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

有限会社 丸谷建材

住  所

埼玉県熊谷市上江袋1064-68

代表者名

代表取締役 丸谷 昭信

掲載誌

国際ジャーナル  2011年4月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『国際ジャーナル』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。