2023年02月13日更新
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オフィスKEI(株) 対談取材記事

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楽しく、活気ある職場づくりを実現する
ノウハウ、心構えを教えます

オフィスKEI 株式会社

代表取締役 田渕 惠子

キャリア・カウンセラー
(財)日本電信電話ユーザ協会認定講師
電話応対技能検定(もしもし検定) 指導者級 (ID T00120080055)
ジョブカード講習登録番号K11-13-0516151

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─略歴

【足跡】 学業修了後、『NTT』に就職。秘書、広報、営業、育成担当などを経て、人材開発部へ進み、当時は少数だった女性管理職に昇進する。40代後半で他社からヘッドハンティングされるも、その後、病を患い退職。一時期は塞ぎ込んだが、持ち前のプラス思考を発揮して、独立を決意する。療養生活の中で着々と準備を進め、まずはフリー講師として仕事を再開。2012年1月には法人化を果たし、現在に至る。


ビジネスマナー研修からCS研修、近年新しく登場したアサーティブ研修や「もしもし検定」研修まで、人材育成のための研修を幅広く行う『オフィスKEI』。特に、学校でも会社でも教えてくれない社会のセオリーを余すことなく伝えてくれる新人社員研修とコミュニケーション研修、電話応対研修には定評があり、例年、新年度は企業からの依頼でスケジュールがびっしりと埋まるという。本日は渡嘉敷勝男氏が田渕社長のもとを訪れ、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─対談

渡嘉敷 田渕社長の歩みから伺います。

田渕 私は、『NTT』に長く勤めていました。秘書、広報、営業、育成担当などを経験し、その後、東京全体の人材開発部の課長となり、人材育成、特に女性管理職の増員に努めていたんです。最終的に本社との共同プロジェクトの課長に就かせていただいた末、他社からヘッドハンティングされ、転職しました。

渡嘉敷 まさに、キャリアウーマンの先駆けですね。

田渕 自分ではそうなりたいとは全く思っていなかったんです。憧れは5人の子どもを持つ“肝っ玉母さん”でしたから(笑)。ですが、結婚相手が独立するというので私も仕事を続ける必要があり、さらにその後離婚したことで、息子を育てるために、夢中で働き続けたのです。ところが5年ほど前に病を患い、会社勤めが難しくなりまして。普段、プラス思考の私も流石に落ち込みました。でも「このままではよくない……」と思い直し、今後は納得できる生き方で、自分を見失わないように生きていこうと思い、自ら事業を興すことに決めたのです。そうしてまずはフリー講師として仕事を再開し、その間に過去の経験や知識だけで動くのではなく、より充実した内容とするため、キャリアカウンセラーやアサーション、調停人養成講座など、スキルアップを図り、自分自身の生活にも張りを持たせて過ごしました。「もしもし検定」の指導者級もそのひとつで、資格を取得した際に『NTT』のユーザ協会と契約し、講師となったんです。そこから仕事が広がり、官公庁や企業のセミナーを引き受けるように。2012年には、法人化を果たすことができました。

渡嘉敷 現在では、どのようなセミナーを行っているのですか。

田渕 メインは社員研修です。中でも新入社員研修は日程が重複し、お断りせざるを得ない状況になります。新入社員研修では、まず仕事以前のマナーや心構えといったことからお話ししていきます。マナーは気遣い、思いやりがなく形だけにこだわると、相手の方にとても不快な感情が湧き上がることを必ずお伝えします。そして学校と違い、会社には会社の人付き合いの方法がありますし、社会人としての意識の転換も求められます。たとえば、公務員の方には「あなた方のお給料は、税金で賄われているんですよ」と、はっきりお伝えしているんですよ。そこをわきまえておかないと、後々、彼ら自身が困ることになりますから。

渡嘉敷 確かに。それに、先輩との付き合い方も学生時代とは異なりますよね。

田渕 そうなんです。そうしたことは社会に出てすぐに必要になることなのに誰も教えてくれません。それでいて、新人の振る舞いについては皆、陰でコソコソと非難するんですよね(苦笑)。

渡嘉敷 「あの子、生意気」とか(笑)。

田渕 でも、本人からすれば知らずにやってしまっただけということが多いんです。宴会の場で上座に座ってしまったり、先輩たちを動かせてしまったり。日本人は、「無礼講」とよく言いながら、後から「新人のくせに全く立たないで」なんて言いますよね。だったら、初めから教えてあげればいいことでしょう。だから、私どものセミナーではまずそうした基本を教えることから始めるんです。

渡嘉敷 ただ、最近では教えてくれる先輩に対して「こんなことをするために入社したんじゃない!」と言う若者もいると聞きますが……。

田渕 その気持ちは分からなくもありませんが、それを言ってはいけませんね。先輩は自分の仕事とは別のところで指導してくれているのであり、その分、時間を奪っているわけですからそこに感謝の気持ちがあってしかるべき。もちろん、その点もセミナーでは伝えています。まず感謝するという自覚を持てれば、日ごろの先輩との関係も良好になりますし、先輩ももっと教えてくれるかもしれません。同じ働くなら、温かく接してもらえたほうが楽しくなるのは当然のこと。「何か私にできることはありませんか?」と言えるようになればベター。この一言で好感度はグッと上がりますよ。

渡嘉敷 そうしたアドバイスこそが本当に必要なのに、学校はおろか、会社でも面と向かっては誰も教えませんよね。

田渕 最近では、注意しない人が余りにも増えていますよね。本当に人を育てようと思うなら、言うべきことは言わなければなりません。知っていれば防げるトラブルもあるので、私は自分の失敗談を交えながら、新人であるが故に起こるトラブルを防げるようサポートしています。その点で言えば、教える側にも研修は必要です。私どもでは、中堅クラスをはじめ、ある程度キャリアを積んだ方へのフォローアップ研修も行っていますよ。ベテランの方にこそ、相手の意見を聞く度量を持っていただければ、職場はもっと活気づくと思っています。

渡嘉敷 お名刺の一番上に書かれている「アサーティブ研修」というのは?

田渕 「アサーティブ」とは、近年注目度が上がっている、自分も相手も大切にした、誠実で率直で対等なコミュニケーション術のことです。日本人は相手の気持ちを尊重するために自分を抑えてしまうか、独りよがりになってしまうことが多いのですが、このアサーティブはどちらの気持ちも大事にする考え方。「相手を理解する姿勢」「自分の気持ちや意見の伝え方」「相手の心を開くにはどうしたらいいか」、そうしたことは習得できることなんです。私どもでは今、このアサーティブに一番注力しているんです。

渡嘉敷 素敵な考え方ですね。

田渕 他に、先述した「もしもし検定」講座も1~3級まで採り入れています。これは、「お客様に喜ばれるビジネス電話応対」の実現、電話応対のエキスパートとして即戦力になり得る社内の指導者の育成を目的とした検定制度で、ビジネスマナーや日本語の基本知識までもが学べる「新しいコミュニケーション教育」なんですよ。

渡嘉敷 人材育成の手法も日々進化しているのですね。社長のお話を伺い、私も改めてコミュニケーションの大切さを痛感しましたよ。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

その生き様こそが、目指すべきモデル

離婚をバネにキャリアを積み、大病を跳ね返して起業を果たした田渕社長。自身でも認めるように、プラス思考の性格が夢を叶える大きな力となったのは言うまでもないだろう。そして、その前向きで明るい性格は、『オフィスKEI』の代表となった今も少しも変わらない。対談中も常に温かい笑顔を絶やさず、細やかな気遣いで場を和ませてくれた姿が非常に印象的だった。その人柄は、まさに現在の仕事にピッタリ。コミュニケーションの取り方一つで、いかに相手に与える印象が変わってくるか、その事実を伝えるのに社長ほどの適任者はいないと思えるほどだ。

さらに社長の素晴らしいところは、他人だけでなく、自分自身も育てようという努力を怠らないこと。生徒に様々な例を伝えるためには、自分の経験と知識だけでは足りないと考え、年に数回は自らも受講生になるという。いかなる時も、柔軟な思考と向上心を以て努力を続ける社長。その姿こそが、何より後進たちの意欲を刺激するのではないだろうか。

独立して5年目。教えた者たちの成長が見られるまでには、もう少し時間を要するかもしれない。しかし、確信はある。社長の教えを胸に刻んだ者は必ずや将来、自分の望む道を生き生きと進んでいるに違いない。

対談を終えて

「田渕社長が最後にお話しして下さった『もしもし検定』は、場面や人によって臨機応変に応対することができるコミュニケーション能力を養うことまでを目標としているそうです。コミュニケーションスキルに欠ける若者が増えていると言われる現代において、まさにうってつけのノウハウですね。私も、かねがねこうした教育の必要性を感じていました。お体にはご留意しながら、ぜひ今後もたくさんの人に円滑なコミュニケーションのノウハウをご教授し続けて下さいね」(渡嘉敷 勝男さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

オフィスKEI 株式会社

住  所

東京都足立区神明2-3-6

代表者名

代表取締役 田渕 惠子

U R L

http://officekei.tokyo/

掲載誌

トップフォーラム  2013年6月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。