月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

吉沢　まずは、『セルフサポートマネージメント』さんを立ち上げられた経緯から。

石井（暁）　私は以前、派遣会社の所長を務め、3000人にも及ぶ人の面接を行っていました。その後視覚障碍を患い、全盲になったのですが、外資系企業の人事部で障碍者雇用を担当するまでに至りました。これらの経験を生かしたいとの想いから法人を立ち上げ、企業の障碍者の採用からマネージメントまでを担当。また、障碍者の自立をサポートする活動もしています。

石井（良）　私は『エスエスピー』の所長を務めております。『セルフサポートマネージメント』では理事として、また社労士として、企業が障碍者を採用する際に申請できる助成金制度の案内やその代理申請、就業規則の改訂などに携わっています。代表は元人事担当者ですから、2人合わせて言わば人事労務管理を行っているんです。

吉沢　お互いの得意分野を生かしておられるのですね。近年では、障碍者を受け入れる企業が増えていると聞いています。

石井（暁）　ええ。4月から法定雇用率が上がりましたから。中小企業も対象となり、2.0％の雇用が義務付けられています。ただこれを遵守しなければ罰金を科せられることもありますが、受け入れずに罰金を選択する企業もたくさんあるんですよ。

石井（良）　企業としても、前例のない障碍者の受け入れを、いったいどのようにすれば良いのか分からないことが多いので、私共はその点を企業側に伝えていく役目も果たしています。たとえば障碍者を雇用することで助成金を得られることも知らない企業も多いですからね。

石井（暁）　ただし、雇用を促進するだけでなく、その後のケアも大切。障碍者が抱える社内での悩みを1年間にわたってケアしながら企業と折衝し、お互いがより良く働ける環境構築に力を注いでいるのです。

吉沢　障碍者さんと各企業の架け橋として機能しておられる、と。

石井（暁）　そういった自立を支える手段として、様々なイベントも行っています。企業面接では何と言っても見た目が大切ですから、メイクアップアーティストを招いて女性を対象としたメイク教室も開いているんです。すでに数回行っていますが、徐々に参加者が増えていますよ。また『ドコモ』の方を招いて視覚障碍者を対象に「らくらくホン」の使用方法について学ぶ場も提供。中には岩手県や鹿児島県からの問い合わせもあり、手応えを感じています。

吉沢　お化粧の大切さは、面接官である代表理事が言うのであれば間違いありませんね。今後についてはいかがお考えですか。

石井（良）　従業員も皆、きちんと研修を受けて資格を持つ信頼の置ける者ばかりですから、安心して私共をご活用いただきたいと思っています。最近では、婚活イベントなども開き、反響も良かったので、今後もこういった活動を通じて私共の認知度を高めていきたいと思います。

石井（暁）　私も同じ経営者であり、働く障碍者でもあります。双方の立場から皆さんをサポートしていきたいと思っています。また、時には厳しく指導もし、より良い社会を築いていければ何よりだと考えています。