月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

穂積　早速ですが、御社の業務内容から。

櫻井　当社では、総合リサイクル業を手がけております。具体的に申し上げますと、工場内や電気工事、解体現場などから発生する銅屑・アルミ・ステンレスなどを回収して種類ごとに仕分け、再利用できる資源として問屋に卸すのが当社の仕事です。

穂積　地球環境に貢献するお仕事を手がけておられるわけだ。ところで櫻井社長は、どのようなご縁からこの世界に？

櫻井　私は高校卒業後、陸上自衛隊に入隊しました。ところが歳を重ねるにつれて漠然と不安を覚えるようになったのです。そんな時、地元の友成会という異業種交流会に参加させていただいたのですが、そこで出会った経営者の方々がとても魅力的で。輝いた表情で熱く夢を語るその姿がとても眩しく、その姿に惚れ込んだ私は「自分も何か商売をしてみたい」と思うようになりました。そのころ、タイミングよく神奈川県内の非鉄金属業の社長さんが「うちで働かないか」と誘って下さったので新たな世界への一歩を踏み出し、入社しました。

穂積　その異業種交流会が、まさに人生の大きな転機となったわけですね。

櫻井　ええ。そして、その会社で3年以上経験を積ませていただいた後、『櫻井メタル』を設立しました。ちなみに三輪統括部長は、その会社で共に働いていた仲間なのですよ。

穂積　そうなんですか！　安定した会社から興したばかりの会社に移るのは勇気がいると思うのですが、不安はなかったのですか。

三輪　前勤務先で社長が働く姿を間近に見てきましたので、社長だったら間違いないと確信していました。ですから不安はありませんでしたね。

穂積　仲間からそれだけ信頼されるなんて、男冥利に尽きますね！　では、望月主任はどのような経緯でこちらに？

櫻井　彼は3・4回アルバイトとして働いてもらいましたが、ある日突然「今の会社を辞めたので雇って下さい」と言ってきたのです（笑）。それがきっかけで正社員になったのですよ。

穂積　ほう。何故こちらで働こうと？

望月　私がまだアルバイトとして働いていたころ、ゴールデンウィークにも出社していたのですが、3日目ぐらいに社長から「明日は休んでいいよ」と言われたんです。まだ仕事がたくさん残っていましたので、私は「大丈夫です」と答えました。すると社長は「一日分は私が見るから、奥さんや子どもと過ごしなさい」と言って下さって。アルバイトの人間に対してそこまで考えてくれていることに感激を覚え、櫻井社長のもとでなら頑張れると思ったのです。

穂積　とてもいいお話じゃないですか！心にジ～ンと来ました。

望月　また、アルバイトで作業に携わる中で、リサイクルはとてもやり甲斐のある仕事だと分かりました。それで前勤務先を退職し、こちらに移ってきたのです。

櫻井　これは私の信念の一つでもあるのですが、社員にも家族を大切にしてほしいと考えています。家族を大切にできない、または疎かにするようでは、仕事も立派に勤めあげることはできませんから。

穂積　社長は素晴らしい考えをお持ちですね！　統括部長や主任が付いていく気持ちも分かりますよ。きっと、お客様からの信頼も篤いのでしょうね。

櫻井　どうなのでしょう（笑）。私としては人とのつながりを大切にした商売をするように心がけています。お金でつながるお客様はお金で離れていくでしょうから、当社でしかできないサービスや企業努力でお客様からの信頼を得る、そしてさらに末永い人間関係を築いていきたい。自分を売り、会社を売る──アナログな考え方かもしれませんが、そこで勝負をしていきたいですね。

穂積　商売というのは人と人とのお付き合いですから、社長の考え方に間違いはないと思いますよ！　そしてきっと、商売も成功されることでしょう。

櫻井　ありがとうございます（笑）。

穂積　それでは最後に、将来の展望を。

櫻井　今年の2月をもちまして起業から3周年を迎えることができました。たくさんの人に支えられ、励まされ、助けていただき、今日までやってくることができました。本当に感謝しております。地域の皆様と共に限りある資源を守るべく、未来を担う子どもたちに豊かな地球環境を残すために、これからも絶対的な信頼を置いている三輪と望月と3人で力を合わせ、「不撓不屈」の精神で邁進していく所存です。また、この仕事を通じて色々な人と毎日が明るく楽しく温かい絆で結ばれていくような会社になれたらいいなと思います。