2023年02月13日更新
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(同)クオレ 対談取材記事

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合同会社 クオレ

代表 三井 圭子

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─略歴

自立して生活できる元気なお年寄りを対象とした高齢者向け賃貸住宅を運営する『クオレ』。三井代表が、元々建設地で病院を開業していた義父の「長くお世話になった地元の商店街に少しでも貢献できれば」という想いを継ぎ、新たに興した会社だ。本日は女優の吉沢京子さんが同社を訪問。入居者だけでなく、訪れる人やスタッフ、関わる全ての人に笑顔でいてもらいたいと、充実した環境整備に力を注ぐ代表に、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─対談

吉沢 早速ですが、三井代表の歩みからお聞かせ願えますか。

三井 出身は新潟県です。栄養科で学んだ後、栄養士として新潟県内の病院に就職し、1年半ほど勤めました。その後、結婚して子どもが生まれたことで、しばらくは仕事から離れていたんです。山形県に移ってきたのはそれから数年後。義父が産婦人科の開業医だったので、主人が二代目として病院に入るために、家族揃ってこちらで生活を始めることになりました。と同時に、私も栄養士として病院の給食部門に携わるように。子どもが4人いるので、当時は仕事と家事、子育ての両立で毎日が目の回るような忙しさでしたね。

吉沢 そうして経験を重ねる中で、次第に経営にも携わるように?

三井 ええ。ここは元々病院があった場所なのですが、11年前に広い駐車場が確保できる郊外へ移転することとなり、それを機に私も経営に携わるようになりました。義母や事務長に色々と教わりながら日々奔走し、実に色々な経験をさせていただきましたね。大変でしたが、とても充実した毎日でしたよ。

吉沢 病院の経営に携わっていらして、どういった経緯で新たに会社を設立されることになったのでしょう。

三井 移転から5年ほどは新病院を軌道に乗せることに必死で、時間的にも気持ち的にも全く余裕のない毎日でした。しかし、ようやく落ち着いてくると、今度は旧医院として使っていた建物のことが気になり始めまして。建物は放置したままだと老朽化がとても早く、天井も落ちてくるのでそのまま放っておくわけにはいかない。そこで、何かいい利用方法はないかと考えるようになったんです。義父はこの場所に病院を立ち上げ大きくし、そして主人がそのあとを引き継ぎ、続けてきましたが、それもこの地元商店街の皆様や訪れる人に支えられたお陰だとよく言っていました。けれども最近では不景気の影響もあって、賑わっていた商店街にもシャッターを下ろしたままの店が目立ってきましてね。このまま寂れていく姿を見るのは忍びないので、少しでも商店街のお役に立てる、恩返しのようなことをしたいということで、新しく事業を興すことにしたんです。

吉沢 地域のために、という想いがきっかけになったのですね。では、福祉事業を選ばれたのはどのような理由から?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

三井 市では、この周辺を福祉ゾーンとして再開発を進めていきたいと打ち出していました。そこで、元気な高齢者を対象とした施設を立ち上げ、商店街で買い物をしていただける方を少しでも増やせれば、と高齢者向け賃貸住宅を建設することにしたのです。2008年7月から建設を開始し、2009年の4月に竣工。その翌月から入居を開始しました。建設に着手する前には高齢者の方々を集めてオープンセミナーを開催し、どのような暮らしがしたいのかをお伺いしたんですね。その声を反映させるために、市の紹介によるコンサルタントの方にも参加していただいて、ハード・ソフトの両面から1年間かけて皆様の理想とする住宅を築いてきたんですよ。

吉沢 具体的には、どのような特徴が?

三井 目指したのは“自立した個人が、隣人とのコミュニケーションを大事にしながら暮らせる住まい”です。住宅内には各居室の他、食事やお茶、お話が楽しめる食堂、浴室、ゲストルームなどを備えており、お食事は昼と夜、希望される方にのみ提供しています。というのも、すぐ近所にスーパーがありますし、自分で何を食べようかと考えながら買い物をするのも楽しいですからね。ただ3食を自分で作るとなると負担も大きいので、昼と夜は希望によりこちらで準備させていただくことにしました。また、お酒などの嗜好品もそれぞれ自由に楽しんでいただければと、皆さんで集えるようにバーカウンターも作ったのですよ。ただ、今はお酒を飲まれる方はお1人だけで、あまり利用されていないのですが(笑)。

吉沢 施設ではなく、普通の集合住宅と同じように、自分らしい生活を送れるところが魅力ですね。しかも、万が一の時はスタッフさんもいらっしゃるので安心ですし。

三井 ええ。各部屋には非常用のベルも備え付けてあります。このように、私が目指すサービスを実現できているのもスタッフに恵まれているからこそ。実はスタッフは皆60歳以上なのですが、無理のないように一生懸命頑張ってくれています。利用者様同様、スタッフにも「自分はもう年だから」と諦めてほしくないんですね。お金のためだけに働くのではなく、働くこと自体に喜びを見出すことで、家庭に帰っても明るくいられるでしょうし、人の役に立つことを生き甲斐に感じてもらえればと思っています。

吉沢 それでは、最後に今後の抱負を。

三井 敷地の関係でこれ以上規模を拡大することはできませんが、住まわれる人、訪れる人、働く人、皆が笑顔で楽しく毎日を過ごせるよう、これからもお役に立てれば本望です。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

 

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

“ピンピンコロリ”を目指して

“ピンピンコロリ”──これは、「いつまでも元気に生き、病気で苦しむことなくコロリと亡くなろう」という意味の標語だ。三井代表は、このピンピンコロリこそ、理想的な人生の全うの仕方であり、そうした最期を迎えるためにも、自立した生活を送り、人との話を楽しみ、生き甲斐を持って日々の暮らしを満喫することが大切だと語る。『クオレ』が運営する高齢者向け賃貸住宅では、入居者に介護が必要になった場合はやむを得ず施設に移ってもらうことになっているため、入居してくる人の中には「ずっとはここにいられないかも」と不安を抱く人も少なくない。しかし、ここで生活を始めると、反対に「何としてでも最期までここにいたい」という想いが強くなり、自分自身で食生活に気を遣ったり、運動をしたり、熱心に病気の予防に努め始めるのだそうだ。「ここにいたい」という想いが強いということは、それだけ居心地がいいということ。それを証明するかのように前向きに、楽しそうに毎日を生きる入居者の姿が、代表やスタッフにとっては何よりの励みになっている。

対談を終えて

「入居されている方も、立ち寄られる方も、スタッフの方も、そしてもちろん三井代表も、皆様が生き生きとした表情をされていたことが印象的でしたね。日々の生活そのものを楽しんでいらっしゃるようで、私まで元気をいただきました。代表も健康にはご留意しながら、皆様が人生を満喫できる環境を築いていって下さい」(吉沢 京子さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

合同会社 クオレ

住  所

山形県鶴岡市本町1丁目4番37号

代表者名

代表 三井 圭子

掲載誌

トップフォーラム  2013年2月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。