2023年02月13日更新
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ボディショップKAI 対談取材記事

名刺
動画

磨き上げた技術で傷付いた車を直す
質の高い仕事でお客様に満足を

自動車鈑金塗装/新車・中古車販売・買取/三井住友海上保険代理店/エアーブラシ

ボディショップKAI

代表 甲斐 信悟

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─略歴

■車を「直す」ことへの情熱が 手間と時間を惜しまない 匠の仕事を完遂させる

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

スピードや効率が優先されがちな昨今、手間をかけずに済む方法が好まれるのは世の常だ。自動車修理の現場においてもそれは同じで、破損部分を交換して終わり、という仕事もあるとか。しかし『ボディショップKAI』の甲斐代表は違う。

「自分のやり方は時代に逆行しているかも」と笑いながらも、こう誇らしげに語る── 「鈑金塗装の技術でどれだけ突き詰められるか、それが腕の見せ所です」と。

日々進化する自動車技術に対応するための勉強も仕事の面白さの一つだそうだ。代表の、車に対する愛情と仕事への情熱の深さが、技術をさらに錬磨する原動力となっている。


【足跡】 愛知県江南市出身。父親の下で16歳から自動車鈑金塗装の修業を始め、他社で経験を積んだ後に独立。『ボディショップKAI』を立ち上げた。23年のキャリアを持つ代表の丁寧な仕事に対する評価は高い。


自動車鈑金塗装を主業務とする『ボディショップKAI』。同社を立ち上げた甲斐代表は、その卓越した技術と仕事に対する真摯な姿勢によって、同業者が多い業界の中で信頼を勝ち取ってきた。「お客様のことを思い、その車を綺麗に直したい一心で仕事をしている」と語り、創業からほぼリピーターと口コミのみで順調に依頼件数を増やしてきた代表に、タレントのダンカン氏がお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─対談

ダンカン 御社は自動車の鈑金塗装業を手がけておられるそうですね。甲斐代表がこの業界に入られたきっかけは?

甲斐 父が腕の立つ自動車鈑金塗装の職人でして、その姿を見て育つうちに、「絶対に自分もこの仕事をやるんだ!」と幼心に思うようになったんです。その決意は固く、16歳のころには父の下で修業を始めました。

ダンカン ということは、お父様の会社をお継ぎになられたのですか。

甲斐 いいえ。実は、仕事のやり方の違いから父と言い合いになり、「それなら自分でやったるわ!」と啖呵を切って18歳の時に実家を飛び出したんです(苦笑)。それからは他社に入って毎日遅くまで仕事をしていました(笑)。そして経験を積んだ後、2000年に独立して『ボディショップKAI』を立ち上げたんです。今は父とはいいライバル関係ですよ。

ダンカン 実家を出た当初は、上手くいくだろうかと不安を感じませんでした?

甲斐 「自分の力でどれだけできるかやってみたい」という想いを持っていましたし、自信はあったんです。この仕事は作業自体は地味なので、どこまで追求するかはまさに自分との闘い。確かな技術と信用、これがあれば仕事を任せてもらえるので、壊れた車を綺麗に直したい一心で頑張ってきました。ありがたいことに、独立してからは特別な営業もせず、インターネットにさえ広告を載せていないのに、このご時世にもかかわらずキャパシティの限界まで仕事をいただいています。タレントのぐっさんが所有している白のジープの塗装を頼まれたこともあるんですよ。

ダンカン では、お客様のほとんどがリピーターや口コミで来られていると!?

甲斐 紹介で仕事の依頼が来ることは多いですね。それにお客様とのつながりが後々まで続くこともあり、一緒に飲みに出かけることもしばしば。そういうお付き合いも楽しいんですよ(笑)。

ダンカン 仕事に対する姿勢だけでなく、代表の人柄もお店の評判が高い要因なのかもしれませんね。しかし、依頼を多く請けるほど、丁寧な仕事と効率との兼ね合いに悩まれるのでは?

甲斐 時間をかけずに仕事を終わらそうとすれば、結局それだけの出来になってしまいます。適当な仕事は後々粗が露見するので、とても不快なんですよ。ですから私は、時間を余計にかけてでも満足のいく仕事をするようにしています。「この車はどんなぶつかり方をしたんだろう……」と一台一台と真剣に向きあい、自分の中で教科書を作りながら直していくんですよ。昨日はあるお客様がリアフェンダーがぐちゃぐちゃになった車を持ってこられたのですが、「ここじゃないと修理できないから」とおっしゃって下さいまして。職人冥利に尽きましたね。

ダンカン 利益ではなく、仕事そのものの仕上がりを追求されているのですね。ところで、最近の車は技術革新に伴い進化も速くなっていると思います。修理の仕方も次々変わっていっているのでは?

甲斐 その通りです。私は車を修理する際、壊れた部分を交換するのではなく、あくまで鈑金塗装の技術で直すことを第一に考えているので、日々進歩する技術に付いていくために勉強は欠かしません。部品交換を行うとそれだけ車の価値が下がり、お客様が車を売ろうとされた時も価格に影響が出ますしね。当社は大手ディーラーさんから難しい仕事を任されたり、見積書作成を依頼されることもあるんですよ。

ダンカン 頼りにされているのですね!しかし、下請けで仕事をすると御社の名前は表に出ないでしょう? 何だかもったいないですね。

甲斐 私は職人上がりですから、車を綺麗に直せればそれで満足なんです。いい仕事をして、元請けのお店の看板が汚れなければ、それはそれでいいじゃないですか。腕には自信があるので、仕事は後から付いてくると思っていますしね。私はとことんまでやってしまう性質なので、たとえば、追突された後ろ部分だけでなく、気になれば注文にない前のバンパーまで直してしまうんです。もちろんそれはサービスですので、全く儲かりません(笑)。でもそれでお客様が喜んでくれるのが嬉しいんです。仕事は私の生き甲斐ですね。

ダンカン まさに天職かと。では最後にこれからの展望をお聞かせ下さい。

甲斐 会社を無理に大きくしようとはせずに、私自身が現場に出ながら、目の届く範囲で事業を続けていきたいと思っています。規模を広げることを目的にしてしまうと、今の水準で仕事ができなくなってしまうと思いますから。時代に対応しながら、目の前にある車と真面目に向き合っていきたいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

 

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

“諦めない”その気持ちが技術の習得を促す

甲斐代表曰く、自動車鈑金塗装の仕事に向いているのは、“プラモデルを作る時、絶対に諦めずに最後までやり遂げるような子どもだった人”だという。自身もそうだったと振り返る代表は、幼いころからの夢を叶え、この道一筋に生きてきた。だが思うように技術が身に付かず、「これ以上はできない……」と挫けかけたこともあったと言う。しかし、そこで諦めなかったからこそ今がある。自らが技術を教える側となった現在、「諦めるな、諦めたらそれ以上の進歩はない」と若いスタッフに言い聞かせている。技術を伝える際には、自身の経験と照らし合わせながら指導していくそうだ。最近は昨年入社した22歳のスタッフを育てている代表。やるからには一端の職人になってほしいと、「この技術だけは覚えろ」と発破をかける日々だとか。「下積みで苦労しても、技術さえ身に付ければ自分で稼げるようになる」という言葉からは、職人としての誇りが感じられた。

対談を終えて

「お仕事の依頼が尽きないという『ボディショップKAI』さん。しかし『私たちの仕事はあくまで車を綺麗に直すこと』とおっしゃる甲斐代表は、仕事の質が下がるような事業拡大は望まれないとか。職人らしいそのひたむきさに、強い感銘を受けました」(ダンカンさん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

ボディショップKAI

住  所

愛知県江南市勝佐町若宮144

代表者名

代表 甲斐 信悟

掲載誌

トップフォーラム  2012年12月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。