2023年02月13日更新
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(株)白老町民薬局 対談取材記事

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地域住民の健康を支える
アットホームな調剤薬局

株式会社 白老町民薬局

代表取締役

鈴木 誠司

管理薬剤師

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─略歴

■薬剤師という職業── それは天から授かりし “この世に生きる使命”

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

「白衣を纏うと、ガラッと雰囲気が変わります」。

奥様がこう評するほどに、薬剤師として現場に立つ鈴木社長の姿は、普段のそれと全く別物だ。

とても生き生きとした表情で薬を調剤し、患者のためなら残業もいとわない。患者から何か相談された時には、それこそ身内のように、親身な姿勢で話を聞く。その姿を見ていると、こう思わずにはいられない。

「薬剤師は、社長が天から授かった職業だ」と。

“人々の健康を守る”──その使命を果たすために、社長は今日も、笑顔で現場に立つ。


2008年7月に開業した『白老町民薬局』。隣接する『白老町立国民健康保険病院』にて長年、薬局長を務めてきた鈴木社長が立ち上げたとあって、同薬局には地域住民から絶大な信頼が寄せられている。また、その評判を聞きつけ、苫小牧や室蘭、札幌など、遠方から足を運ぶ患者も多いという。白老町民をはじめ多くの人々の健康を支えるアットホームな薬局を、女優の千堂あきほさんが訪問。鈴木誠司社長と奥様の弓子さんにお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─対談

千堂 鈴木社長は、幼いころから薬剤師を志しておられたのですか。

鈴木(誠) はい。実は、私の父が薬剤師でして。医師を志した時期もありましたが、最終的にはやはり、父と同じ道に進もうと決意しました。

千堂 奥様も元々薬剤師で?

鈴木(弓) いいえ。私は看護師でした。ちなみに、私たちの息子が今年、薬学部に入ったんですよ。

千堂 まさに“医療一家”ですね! ところで、『白老町民薬局』さんは今年で5年目を迎えるそうですが、鈴木社長はこちらを開業されるまで、どちらにお勤めだったのでしょう。

鈴木(誠) 当薬局の隣にある『白老町立国民健康保険病院』に勤めていました。そちらでは薬科大学卒業後から56歳で早期退職するまで30年間お世話になり、最後は薬局長を務めていたのですよ。

千堂 薬局長と言えば、かなり重要なポストですよね。しかも町立病院に勤めていれば将来は安泰だったはず。早期退職してしまうなんて勿体ないような……。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

鈴木(誠) 元々、早期退職するつもりはなかったのですよ。しかし、病院の経営が次第に悪化していったこと、時代と共に院内処方から院外処方へと切り替わりつつあったことから、町立病院でも院外処方へと移行することが決まったのです。そして新たに調剤薬局が作られることとなり、その経営者として、長年薬局長を務めてきた私に白羽の矢が立ちました。そうして病院を早期退職し、開業準備にとりかかったのです。

千堂 経営者に指名されるなんて、とても名誉なことじゃないですか!

鈴木(誠) ただ、両親も家族も反対だったんですよ。歳も歳だし、どこまでやれるか分からない、と。

千堂 でも、その反対を押し切ってまでこちらを設立されたわけですよね。

鈴木(誠) はい。自分の薬局を持つことは、父にとっても私にとっても、積年の夢でしたから。

千堂 ではお父様も、口では反対しながらも内心は応援していたのかもしれませんね。お父様は今もご健在で?

鈴木(誠) 開業から約1カ月後の2008年8月5日に他界しました。独立に反対していた父ですが、開業後はいつも薬局や私のことを気に懸けてくれて……。「2年目からは一緒にやろう」と話していましたし、本当に残念でなりません。

鈴木(弓) 開業当初はまだバタバタしていましたので、せめて経営が順調なところを見せたかったです……。

千堂 でも、今の薬局の姿を見て、お父様は天国で喜んでいらっしゃると思いますよ。利用者様は、『白老町立国民健康保険病院』の患者様が多いのですか。

鈴木(誠) そちらの患者様はもちろん、苫小牧や室蘭、札幌など遠方からもいらっしゃいますよ。

千堂 そんなに遠くから!? 遠くの病院にかかっている方や遠方にお住まいの方にも処方できるんですね。

鈴木(誠) ええ。当薬局では、処方箋のFAX受信をしておりますので、極端な話、東京の病院で受診された方にもお薬を処方することが可能なんです。患者様がこちらに到着するまでの間に薬を用意致しますので、患者様は到着後、すぐに薬を受け取ることができるのですよ。

千堂 それはいいですね!

鈴木(誠) 患者様の立場で考えれば、待たされることが一番嫌だと思うんです。病院で待たされた上に薬局でも待たされるなんて、たまらないでしょう。

千堂 確かに。迅速な処方は、患者様の満足度向上につながりますね。

鈴木(誠) ただ、迅速な対応も大切ですが、だからといって患者様一人ひとりとのコミュニケーションを疎かにしてはなりません。お医者様には言えないことでも薬剤師には話しやすいでしょうし、実際に色々な相談を受けることもありますから。もちろん、色々な兼ね合いはありますが、時間が許す限りはお付き合いさせていただくようにしています。

千堂 患者様も嬉しいでしょうね。社長はとても話しやすい雰囲気をお持ちですし、患者様から慕われているのでは?

鈴木(誠) お陰様で。皆様からは「さんまさん」なんて呼ばれているんですよ(笑)。嬉しいことに、ちょっとした差し入れを持ってきて下さる方も。患者様とのふれあいは私にとって何よりの楽しみ。皆様に「ありがとう」と言っていただけるとこの仕事をやっていてよかったと思いますし、これからも皆様の健康を守るために力を尽くしていく所存です。

千堂 後継者であるご子息にも、是非社長の想いや姿勢を伝えていって下さい!

鈴木(誠) もちろんです。ただ、息子は今年薬学部に入ったばかり。卒業まであと6年ありますし、卒業後も一度は他人の飯を食べたほうがいいというのが私の考えなので、あと10年から15年はかかるでしょう。だから人生設計を少し変更し、75歳まで現役を続けることにしました。この15年間で基盤を整え、スムーズにバトンタッチしたいですね。

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「患者様が満足されて帰る姿。それを見るのが一番嬉しいんです」(代表取締役 鈴木 誠司)

「鈴木社長は、すごく親しみやすい方。患者様から慕われるのも納得です」(ゲスト 千堂 あきほ)

亡き最愛の父の、夢を継いで

鈴木社長が独立を決めた時、周囲は猛反対した。もちろん、父親である故・鈴木学氏も。だが、反対した理由は恐らく、社長の身体を心配してのこと。本心はきっと嬉しかったに違いない。自らの悲願でもあった独立・開業を、愛する息子が叶えてくれたのだから──。実際に、『白老町民薬局』の開業が決定して以降、学氏の表情は明るくなった。なぜなら愛するわが子と共に働くという夢ができたからだ。しかしその夢は叶わなかった。「2年目からは一緒にやろうと約束したのですが」。社長は口惜しそうに語る。

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だが、そう話す社長自身にも、命の危機があった。企業健診を受けた時、社長の身体に腹部大動脈瘤が見つかったのだ。大きさは7cm。普通は5cmで破裂して死に至ると言われる病気だ。しかし、社長の腹部大動脈瘤は奇跡的に破裂せず、手術も無事成功したという。きっと、天国から見守る父が助けてくれたのだろう。「お前は生きろ」と。

愛する父の姿は、もう傍にはない。だが、社長の心に寂しさはない。父はずっと、天国から見守ってくれているはずだから。

身体と心の健康を守る最新の設備とスタッフたち

●患者の負担を軽減する、充実した設備●

『白老町民薬局』では、開業当初から最新の設備を積極的に導入してきた。たとえば全自動錠剤分包機がそうだ。これは、錠剤を一回に服用する量ごとに自動的に調剤し、分包紙に包むための専用の機械。薬の配分から分割・分包までを全自動で行ってくれるため、薬を早く、しかも間違いなく出すことが可能だという、患者にとって安心なシステムである。同薬局では、全自動錠剤分包機を導入する薬局が近隣にほとんどなかったころから、他店に先駆けて導入。さらに、高齢者が飲み分ける薬の調合・処方に配慮し、粉薬を正確な分量で計測する機械も開業当初から取り入れていたという。

もちろん、これらは全て患者の負担を軽減するためだ。「患者様は、診察を受けるために病院で長い時間待っておられます。それだけでも大変なのに、さらに薬を受け取るのに1時間近く待つとなると、体調を崩している患者様にかかる負担ははかりしれません。最新の設備を活用することで、患者様にかかる負担を少しでも減らしたいと思っています」。そう話す鈴木社長の言葉の裏には、町民の健康を守らんとする、薬剤師としての大きな責任感が垣間見える。町民にとって、これほど頼りになる存在はないだろう。

●患者の心を癒す、アットホームな空間と温かいスタッフ●

また、調剤薬局をはじめとした医療関係の機関には、どこか無機質なイメージがつきまとうものだが、『白老町民薬局』は、そのイメージを全く感じさせない。薬局内の雰囲気は、まさに“アットホーム”そのもの。カウンターでは患者とスタッフが笑顔で会話し、待合室を見ても、患者同士が世間話に花を咲かせている。言うまでもなく、このような雰囲気は一朝一夕でできるものではない。社長自身が患者とのふれあいを大切にし、スタッフ一人ひとりがそんな社長の想いを充分に理解した上で働いているからこそ生まれたものだろう。

「病は気から」という言葉もあるように、どれだけいい薬を飲んでも、気持ちが沈んでいれば病気は治りにくいもの。しかし、『白老町民薬局』なら安心だ。温かいスタッフたちとアットホームな空間が、心まで元気にしてくれるから。

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▲『白老町民薬局』を支えるスタッフ8名を交えての記念撮影

対談を終えて

「開業当時、鈴木社長はあまりの激務から3カ月で10kgも痩せたのだとか。そんな社長の姿を見て、ある患者様はスーパーに走り、『これで力をつけなさい』とメロンを差し入れたそう。このエピソードを聞いて、どれだけ社長が皆様から愛されているかが分かりました。今後も地域の皆様のために頑張って下さい!」(千堂 あきほさん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 白老町民薬局

住  所

北海道白老郡白老町日の出町3丁目1番48号

代表者名

代表取締役 鈴木 誠司

営業時間

月~金曜日

午前8時30分~午後5時30分

定休日

土曜日・日曜日・祝日

掲載誌

トップフォーラム  2012年10月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。