国内外の自動車修理で
頂点に立つ技術力を目指す
新車・中古車販売・一般整備・定期点検・車検・板金塗装
【足跡】 群馬県出身。“アメ車”を専門とする修理工場で11年もの修業を積み重ね、高い技術力を養った末に独立。地域密着の姿勢で、国内外の自動車の販売・整備・修理を手がけている。
小淵代表の強い意志のもとに立ち上げられた『MOTOR-HEAD』。その社名には“修理工場の頂点に立つ”という由来がある。同社では、アメリカ産自動車、通称“アメ車”の修理を専門に腕を磨き続けてきた代表が、現在では、国内外の自動車の新車・中古車の販売・整備・修理を請け負っている。そんな代表のもとへ、俳優の村野武範氏が訪れた。
村野 小淵代表が自動車に携わるお仕事に就かれたきっかけは何でしょう。
小淵 元々自動車が好きで、最初はアルバイトとしてこの業界に入りました。タイヤやオイルの交換など基本的なことから学び、自動車修理にも携わるようになったところ大きなやり甲斐を見出し、そのまま本業にしたのです。
村野 独立の意志はあったのですか。
小淵 20代のころから、35歳で独立すると決めていました。アメリカ産の自動車、通称“アメ車”専門の修理工場で11年間勉強させていただき、自信を持てるだけの技術力を身に付けたことから、目標より少し早い34歳で夢を叶えたのです。社名の『MOTOR-HEAD』は、私が好きな海外のミュージシャンの名前であり、“モーター屋”と呼ぶことがある修理工場、その頭として頂点に立つという意味で付けました。ここでは、国産車と外車、その両方を請け負っています。
村野 専門にされていたアメ車と国産車の修理工程に違いはあるのでしょうか。
小淵 今の国産車の部品はコンピューター制御されたものがほとんどで、直すというよりも交換しなくてはならないものが増えています。交換となると、ディーラーさんの仕事ですし、一方、故障の原因を追及して修理し、今あるものを長持ちさせることが私共の仕事です。その修理の面で言うなれば、国産車よりもアメ車のほうが原理は簡単なんですよ。また、当店では、修理に必要な部品をロサンゼルスにいる知り合いから取り寄せていますので、すぐに修理に取りかかることができます。
村野 愛車をすぐに修理していただけるのはありがたいでしょうね。ところで、アメ車はどのような方から人気があるのでしょうか。
小淵 アメ車好きだという方は都心部も地方も関係なく、たくさんいらっしゃるのですよ。また、最近は若い世代の自動車離れが進んでいるとよく耳にしますが、この辺りの地域では若い女性でアメ車を好む方も少なくありません。若い世代でも手に入れることができるほどの価格のものも出てきましたので、安く買われてリメイクするという方もいらっしゃいますね。当店に飾っている絵に描かれているアメ車は68年式のエルカミーノで、皆さん車種は様々ながら共通してその年代を好まれているようです。「乗ってみたい気持ちがあるものの、燃費のことなどを考えると躊躇してしまう」という方もいらっしゃいますが、最近は燃費が国産車と差がないものも多くあるのですよ。
村野 それは知らなかったです! 昔、知人が「お金を気にする人は、アメ車に乗ってはいけない」とおっしゃっていましたから、維持するのによほどお金がかかるものばかりだと思っていました。しかし、所有されている方は少ないでしょうし、集客が大変だということはありませんでしたか。
小淵 前職時代に拡げてきた人脈やお客様からの口コミのお陰で、特別の苦労はありませんでしたね。それに群馬県ではアメ車を修理できる工場は少ないですから、国産車、外車にかかわらず、ご依頼があれば何でも修理をお請けすることでも評価をいただいているのです。最近はインターネットを用いた宣伝がありますが、私には直接お会いして誠実に接していくビジネス方針が合っていると思います。ですから、インターネットを活用した集客はほとんど行っていません。これからもお客様一人ひとりに対して誠実な姿勢で向き合いたいですね。
村野 製造国によっては修理の依頼を受けてもらえないこともあるそうですが、御社ではその心配をせずに愛車を任せられるのでお客様も心強いでしょうね。それでは、今後の展望をお聞かせ下さい。
小淵 現在一人で業務の全てを担っているので、メカニックとして技術力があり、人脈がある人物に来ていただけたらと思っています。足りない部分はお互いに補い合っていけばいいことですし、職人として鍛えられた私に付いてきてくれ、何より自動車が好きという方と共に働ければ嬉しいですね。お店自体に関しては、店舗を増やすなどといった会社自体の規模の拡大は考えていません。それよりも地域に密着し、今のまま頑張りたいと思います。ありがたいことに、地域の方にも可愛がっていただいておりますので、つながりを深めながら末永く続けていきたいです。
Column
ここ近年、「エコカー減税」「エコカー補助金」の導入により、ハイブリッドカーやエコカーの普及が一気に進んだ。しかし、決して“エコ”とは言い難いアメ車も依然として人気を博している。一体、どのような魅力があるのだろうか。
まずは、どっしりとした重量感があるヴィジュアル。実際に内部に鉄骨が仕込まれているドアやメッキのバンパーなど、迫力のある構造になっている。そして、エンジンのパワー。フルサイズ全盛期には排気量8000cc以上にまで達したものまであるという。
小淵代表はそんなアメ車の魅力にはまり、群馬県では数少ない、修理を手がける技術者だ。愛好家たちにとって愛車を守る頼れる存在である代表。これからも高い技術力で愛好家のニーズに応えるだけでなく、アメ車ならではの数々の魅力を伝える伝道師として活躍するだろう。
「本当に好きだからこそ、高い技術力を身に付けられたのですね」(ゲスト 村野 武範)
「とにかく人目を惹きつける恰好よさ。それがまず、“アメ車”の印象ですね。洋画を観て、街を颯爽と駆け抜けるその姿に、多くの人が一度は憧れを持ったものです。そんなアメ車を専門に修理してきた経歴がある小淵代表と、話をしたいと思うアメ車愛好家の方は多くいらっしゃるはず。また、聞いたところ維持費も随分と安くなって、若い方からの需要もあるそうですし、今後のご活躍も期待していますよ」(村野 武範さん・談)
名 称 |
MOTOR-HEAD |
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住 所 |
群馬県吾妻郡高山村尻高77-1 |
代表者名 |
代表 小淵 博徳 |
掲載誌 |
トップフォーラム 2012年10月号 |
本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。