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(医)IMC いしだ内科 対談取材記事

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時代を超えて郡山・緑町の人々に寄り添い
“町医者”として地域医療を支え続けたい

医療法人 IMC いしだ内科

理事長・院長 石田 浩徳
看護師長 安斎 邦子
事務長 満山 幸治

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「震災にも屈せず医療を提供し続ける医師の姿に
一刻も早く地域医療を担いたいと思ったのです」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

人々は襲ってくる余震に怯え、自衛隊や消防隊は被害者の捜索に奔走する。

そんな光景が広がる街で、一人の医師が普段と変わらず診療を行っていた。

『いしだ内科』の前身である『緑町鈴木医院』の鈴木良一医師だ。

この鈴木医師から院を引き継ぐことが決まっていた石田浩徳氏は、その姿に、「一刻も早く地域医療の役に立ちたい」との思いを強くする。

そして震災から約1カ月後の4月──石田理事長はその歴史と患者を引き継いだ。

「継承・開業の機会を与えられたことに感謝したい」と話した理事長。

その胸に宿る地域医療に懸ける思いの強さが、そう言わせる。


2011年4月、『緑町鈴木医院』が『いしだ内科』に生まれ変わった。地域住民から親しまれてきた『緑町鈴木医院』の趣をそのまま引き継ぎ、緑町のプライマリーケアを担うのは、石田浩徳理事長。高い医療技術や細やかなケアは患者から厚い信頼を得ており、また地域の医療機関との連携体制も万全だ。本日は、三ツ木清隆氏が同院を訪問。理事長、そして理事長が信頼を寄せる安斎看護師長と満山事務長に『いしだ内科』としてスタートした現在について、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

三ツ木 早速ですが、石田理事長の歩み、そして『いしだ内科』さん開業の経緯からお聞かせ下さい。

石田 私が生まれ育った南相馬市には、小さな診療所が多く、幼少期から“町医者”に憧れ、医師を志しました。大学を卒業後は、いわき市の病院、公立病院、赤十字病院や福島市内の病院などで勤務医として経験を積んだ後、郡山市の『太田西ノ内病院』で外来診察を担当するように。しかしそちらは患者数が多く、私が理想とする“町医者”のイメージとはかけ離れており、ジレンマを感じていたんです。そんな時、病診連携を図る動きが地域で起こりまして。そこで『緑町鈴木医院』の鈴木良一先生との交流が生まれたのです。先生は80歳を超えていたため引き継いでくれる人を探しておられ、「私でよろしければ」と打診し、継承させていただくことになって、昨年の4月に『いしだ内科』として開業しました。

三ツ木 引き継ごうと思われたのは、やはり地域に根差す“町医師”を理想とされているから?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

石田 そうですね。同時に、大病院の先生方から安心して患者様を任せていただける開業医となり、共にここ緑町の地域医療を担っていきたいとの思いから引き継ぎました。私はもともと、消化器内科専門医ですので内視鏡検査などを積極的に採り入れているんですね。これは、開業医が一歩踏み込んだ診察や治療を提供することで、総合病院の先生方の負担を少しでも軽減できればと考えてのこと。総合病院に勤務した経験のある者として、開業医にできることを模索しています。

三ツ木 地域医療崩壊などという言葉が聞かれる今、開業医との連携が大切ですよね。

石田 私は、消化器内科専門ではありますが、総合内科医を目指してきました。研修医時代には地方へ往診に行ったこともあり、その経験が生きていますね。今は、いろんな症状を訴えて患者さんがいらっしゃるので、様々なケースを診ることができ、医師としてはやり甲斐を感じています。

三ツ木 安斎看護師長と満山事務長も、開業と同時にこちらへ?

安斎 以前、理事長がお勤めだった病院で共に働かせていただいたことがあり、患者さんからの要望についてご相談すると常に的確な答えを下さり、とても働きやすかったんですね。また理事長は私の母の主治医だったのですが、母からとても患者さん思いの先生だと聞いておりまして。当院開業に際して声をかけていただき、こちらに参りました。

満山 私は 『太田西ノ内病院』で理事長とご一緒し、人柄をよく知っていたので、声をかけていただいた時には即答でした。開業から約1年半、理事長は患者さんから信頼をしっかり得ておられ、来院数は予想以上なのですよ。

石田 以前の病院で診ていた特定疾患や難病の患者さんも、当院で引き続き診ていますので、看護師長や事務長にはとても助けられています。

三ツ木 理事長は経験が豊富ですし、高いレベルの医療を受けられるとあって地域の方々は心強いでしょうね。

石田 総合病院と比べて、患者さん一人ひとりにじっくり時間をかけることができ、信頼関係を築きやすいのも開業医の魅力だと思います。スタッフは、鈴木先生の時代から変わっていませんし、患者さんも馴染みのあるスタッフがいることで安心されているのではないでしょうか。何でも気軽にご相談いただきたいです。

三ツ木 理事長が目指してこられた“町医者”ですね。今後については?

石田 原発事故などで不安に思っていらっしゃる地域の方々も多く、検診を通して、様々な疾患の早期診断・発見に努めたいと思っています。日々、“町医者”として患者さんの健康をそばで見守り続けたい。地域の医療機関との連携もより強め、安心して暮らしていただけるよう支えていきたいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲日頃は、スタッフと患者さんが会話する声で、アットホームな雰囲気で満ちる待合室。

 

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲『緑町鈴木医院』の趣をそのまま残した『いしだ内科』

RE-START

2011年2月19日、正式に石田浩徳氏が『緑町鈴木医院』を継承することが決定し、スタッフとコミュニケーションを図るべく月に一度、院へ顔を出す日々が始まる。そんな中、3月11日に東日本大震災が発生。石田氏は勤務先である『太田西ノ内病院』で大腸ポリペクトミーを行っていた。大きな揺れに襲われながら処置を終え、病棟の患者のもとへ駆けつけ、スタッフらと共に患者を無事に避難させた。友人の協力のもと自身の家族の無事を確認し、身内のもとへ避難させる。市内は断水が続き、医療機関は機能していない。『緑町鈴木医院』の継承と院の開業について、家族から反対の声が上がる。その頃、ガス臭があったものの大きな被害を受けずに済んだ『緑町鈴木医院』では、80歳を超える高齢にもかかわらず鈴木良一医師が診療を継続していた。石田氏はその姿に勇気づけられ、『緑町鈴木医院』を予定通り引き継ぎ、緑町の人々に寄り添っていく覚悟を改めて決めたのだ。

4月──『緑町鈴木医院』時代から患者の信頼を得てきたスタッフをそのままに、石田氏が理事長兼院長職に就き、『いしだ内科』が開業。「鈴木先生が築かれた歴史ある院を守り、患者さんの信頼に応えていきたい」と語る石田理事長の新たな歩みが始まった。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

対談を終えて

「広々とした解放感のある、くつろぎやすい待合室があり、とても居心地の良い病院でした。長くお勤めになっているベテランスタッフの方も多いそうで、患者さんにとっては頼りやすいでしょうね。そんなスタッフの皆さんと理事長は毎朝、ミーティングルームで打ち合わせを兼ねてコーヒーを飲みながら世間話もされるそうで、温かい雰囲気が院全体から感じられました」(三ツ木 清隆さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

医療法人 IMC いしだ内科

住  所

福島県郡山市緑町1-6

代表者名

理事長・院長 石田 浩徳

U R L

http://nttbj.itp.ne.jp/0249223648/

診療科目

内科/消化器内科/内視鏡内科/肝臓内科

掲載誌

ザ・ヒューマン  2012年9月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。