2024年09月03日更新
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(株)Ski-est 対談取材記事

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上達すれば、もっと楽しい──
スキーの魅力を知り、
そして好きになっていただきたい

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スキーエスト

株式会社 Ski-est

代表取締役 佐藤 紀隆

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「ゲレンデに雪が積もるのを心待ちにする、
そんな人が増えるようにと願っています」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

ショートターンやコブ、ラフ斜を滑る技術は随一との呼び声が高い佐藤社長。スキーを始めたのは小学生の時で、スキー人口が爆発的に増えたブームも経験した。

冬になると多くの若者がスキー場を目指して夜通し車を走らせたのも、過去のこと。スキー人口は減少の一途を辿り、インストラクターたちは居場所を失った。

そんな状況に歯止めをかけたい一心で、社長は『Ski-est』を立ち上げたのだ。スキーの楽しさを発信することで、低迷するスキー業界に一石を投じていく。

冬が来てゲレンデに雪が積もるのが待ち遠しい──

そんな人が増え、多くの人が雪上で戯れる光景を、社長は思い描いている。


【足跡】 福岡県久留米市出身。父の転勤に伴い、小学生の頃よりスキーを始める。20歳のころからインストラクターのアルバイトを。その後、スキースクールを運営する会社に入社し、約18年間、勤務。スクール縮小を受けて独立し、2010年に『Ski-est』を設立した。シーズンオフには出版事業も手掛ける。


1990年代前半に頂点を迎えたスキーブーム。年々、スキー人口は減っておりシーズン中もゲレンデにかつてほどの賑わいは見られない。そんな中、スキーの魅力を発信し、スキー人口を増やしたいと語るのが、『Ski-est』の佐藤紀隆社長だ。スキー学校の運営やスポーツ関連の出版物の編集などを手掛ける同社を、大西結花さんが訪問した。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

大西 早速ですが、佐藤社長は早くからスキーを?

佐藤 小学生の時です。自衛官だった父が山形へ転勤したのをきっかけに、家族で始めたのです。それからは「もっと上手くなりたい」と思い続けているうちに、気づいたらスキーのインストラクターになっていました。シーズンオフは派遣会社に登録して別の仕事に就いており、毎年、冬が待ち遠しく、寒くなってくると気持ちが高揚したものです。当時は、群馬県の万座温泉スキー場で指導していましたね。

大西 万座温泉スキー場は、雪質が素晴らしいスキー場ですよね。関東地方ですと群馬県辺りに良いスキー場が沢山あります。会社は、どういった経緯で興されたのでしょう。

佐藤 シーズンはインストラクター、オフは派遣の仕事──そんな生活を4~5年間続けた後、スキー教室を手掛ける会社に正社員として入って、インストラクターを務めるようになりまして。そちらには18年ほどでしょうか、お世話になりました。

大西 独立されたのには何か理由が?

佐藤 ご存じかと思いますが、スキー人口が年々減っており、スキー教室の利用者も減りましてね。当初は7箇所で開いていたスキー教室を1箇所に集約する話が出たんです。私は教室を統括する立場にあったのですが、教室を減らしてしまうとスキーに親しんでいただける機会が少なくなり、スキー人口がますます減ってしまいますし、インストラクターの居場所もなくなってしまうので反対しました。そこで、社長から了承をいただいて教室を引き継ぐことになり、独立して教室運営事業を手掛ける『Ski-est』を設立したのです。

大西 スキー人口が減っている中で教室を維持するのは大変だったでしょうね。でも、インストラクターの方々のためにもと……。

佐藤 インストラクターはシーズンオフ中、次のシーズンに山へ入ることを予定した上で仕事に就きます。つまり、正社員として企業に属することができないんですね。会社が教室の規模を縮小することを決めたのが、ちょうどインストラクターたちが次のシーズンに向けて準備している最中。皆のことを考えた時、「私がやらなければ」という想いに駆られたのです。

大西 現在は、何名ほどのインストラクターが?

佐藤 20数名おり、志賀と乗鞍のスキー場に分かれて指導にあたってもらっています。私共では、レベル別にクラス分けした班ごとに講習をするレギュラー講座と、テーマとレベルを設定したスペシャル講座があり、2~4日間の合宿で技術の向上を図ります。若手から教師歴47年になるベテランまでが、それぞれの得意分野で技術を余すところなく生徒に伝えてくれています。上達を実感していただけるレッスンを提供しており、何より、私共の教室は、滑る楽しさを感じてもらえると思いますよ。

大西 滑る楽しさを伝えることが、スキー人口の減少に歯止めをかけるでしょうね。生徒さんたちの反応はいかがですか。

佐藤 お陰様で喜んで下さっています。習得したかった技術を身に付けることができた時の生徒さんの喜びを、ダイレクトに感じることができるのは、スキーの楽しさを伝えたい我々としては、嬉しいものです。そして、たとえ規模は小さくとも、教室をずっと続けてスキーの楽しさを伝えたいとの想いを、再認識する瞬間でもあります。最近は、ご家族連れのお客様も増えてきており、子どもたちに小さいうちからスキーの楽しさを味わわせてあげたくて「ファミリー&キッズ」という講座も設けております。また子どもさんを対象としたレッスンの場を増やしていけるよう「白馬さのさかスキー場」でトライアルレッスンを始めたところです。

大西 青木湖のあるスキー場ですね!

佐藤 はい、ご存じですか。申し上げた通り、私共のスクールは合宿ですのでペンションやホテルとの連携が必要ですが、そちらにある「ホテルブルーレイク&リゾート」さんにご協力いただいているんですよ。

大西 宿泊施設側も、かつてのように沢山の方にスキーを楽しんでいただきたいとの想いがあるのでしょうね。『Ski-est』さんは、そうして周囲との連携を図りながら教室数を増やしていかれるわけですが、シーズンオフには皆さん、どういったことを?

佐藤 当社では、スポーツ関連の出版物の編集や、映像・WEB制作を手掛けているんです。独立以前に勤めていた会社が、スキー関係の冊子やDVDを制作しており、私も編集経験があるので、当社でも手掛けることにしました。しかし、スキー関連だけでは需要がさほど見込めず、当社ではスキーに限らずバスケットボールやソフトテニスなどスポーツ全般に関する書籍を手掛けています。その中に、「足が速くなる こけし走り」という書籍があるのですが、これがなかなか好評です。体幹を使って速く走る方法を、子どもたちでも理解できるようにまとめた本なのですが、私の息子も同書を読んで実践したところ、足が速くなったのですよ。

大西 それはまた、走るのが楽しくなりそうですね。種目は違いますが、「上達することで楽しくなる」のを応援する点では、教室運営と通じています。今後については?

佐藤 スキー人口を増やせるよう現在の事業を続けます。また将来的には、ものを生み出す事業に着手できたらと考えていまして。夏場に農業に従事しているインストラクターがおり、コラボできたらと思います。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

スキーの楽しさを思いっきり味わう数日間

『Ski-est』では、「通常レッスン」とコブやショートターンといったテーマをじっくり練習する「スペシャルレッスン」を用意。2~4日間の合宿で楽しみながら、上達を実感できるレッスンを展開する。

合宿は体操から始まる。その後、クラス分けが行われ、クラスごとにレッスン開始。インストラクターの見本をじっくり見て、実際にしてみてできない自身の得手不得手を感じ取る。夜は、ストレッチやマッサージ、温泉でその日の疲れをしっかり取り、メンバーの自己紹介やクラスごとのミーティングなど上達を目指す仲間との時間を過ごす。二日目の朝は、ストレッチで身体を目覚めさせたら、初日のレッスンで得た技術を徹底的に身体に覚えさせる。夜は、参加者でパーティー。スキーが好きな者同士、ぐっと距離が縮まる時間だ。スタッフも同じホテルに宿泊しており、雪上で聞けなかったことなど質問は24時間、受け付けているというから、疑問・不安もすぐに解消できる。そして三日目──。様々な練習方法や小道具を用いて分かりやすく、尚かつ簡潔に説明し、雪上では滑走量を重視。感覚的につかみかけた技術を完全に自分のものにし、さらに磨きをかける。そして最後は、閉講式のデモンストレーションでお披露目だ。

「上達した!」「スキーってこんなに楽しいんだ」──そんな声をもっと聞きたい。そんな想いを共有する『Ski-est』のインストラクターたちが、今年の冬もゲレンデで待っている。

※来シーズンのパンフレットを無料プレゼント中

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

※画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

同じ分野を得意とする2人のインストラクターの強力タッグによる講座など、一気に上達を加速させるような講座が人気だ。また、ゲレンデだけでなく、バックカントリーツアーやパウダーなどのツアーも実施している。

対談を終えて

「私はスノーボードが好きで群馬県などのスキー場によく行くのですが、都心から行きやすい場所に良いスキー場がたくさんあります。昨今は、スキーからスノーボードに転向するケースも多いようで、もしくはスノーボードが人気のためスキーは未経験という方もいらっしゃるでしょう。スキーならではの楽しさがありますから、ぜひ一度、挑戦していただきたいですね」(大西 結花さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 Ski-est

住  所

東京都新宿区新宿1-23-5 サンサーラ御苑402

【志賀】(12月中旬~4月上旬)

長野県下高井郡山ノ内町 志賀高原一の瀬 シャレー志賀内

【乗鞍】(12月中旬~3月下旬)

長野県松本市安曇 乗鞍高原温泉 乗鞍観光ホテル内

代表者名

代表取締役 佐藤 紀隆

U R L

http://www.ski-est.com

掲載誌

ザ・ヒューマン  2012年9月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。