月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

ダンカン　『パワープランニング』さんを設立されたのは、いつですか。

関根　2005年です。学生時代から独立心は強く、学業修了間近になると、日に日に起業したいという思いが強まり、設立へと踏み切りました。

ダンカン　業務内容について具体的に？

関根　アミューズメント事業──主に遊技場におけるパチンコ台の取付作業を請け負っています。アルバイトとしてパチンコ台の取付作業をしていた経験があり、初期投資やコストが少なくて済むことからこの事業を選びました。アミューズメント事業以外にもやってみたい業種がある私にとって、会社は道具の一つ。いわば船のようなものなんです。舵の取り方は業種は違っても、基礎となる部分は一緒でしょう。次なるフィールドへ挑戦することも見越して、この事業に着手したのです。

ダンカン　幸先の良いスタートが切れたのでしょうか。

関根　なかなか軌道に乗れず、社員に給料を支払うために借金をしたこともありました。状況が好転したのは、2年目。業界大手の企業さんと直接取引をさせていただけるようになったのがきっかけで、以来、確実に業績を伸ばしてくることができました。お陰様で、今では7名の従業員と、300名のバイトスタッフを抱えるまでになっています。

ダンカン　それだけニーズがある業種でもあると？

関根　遊技場においてパチンコ台は頻繁に総入れ替えされるので、現場作業のニーズは大きいですね。ただ、作業日の大部分が日曜日に集中するので、他の曜日は人手を必要としなくなるとの事情から、アルバイトスタッフを確保するのが難しく、その点をクリアできるかが鍵となります。

ダンカン　とは言え、数さえ揃えれば良いというわけではないでしょう？

関根　もちろん指導が必要不可欠です。パチンコ台はかなりの重量がある一方で、繊細な基盤を積んだ精密機器でもありますから、慎重に作業をしなければなりませんし、パチンコ台の内部は配線が複雑なので、技術も求められる。現場でももちろん指導しますが、あらかじめ講習を行って現場が確実にまわるようにしています。

ダンカン　となると、アルバイトさんを如何に指導するかが、非常に重要になってくると？

関根　おっしゃる通りです。ただ、当社には社員やキーマンとなるスタッフが揃っており、現場を安心して任せられる人材に恵まれています。従業員たちとは5年計画を立て、5年後に正社員を45名にまで増やすという目標を立てました。また、この秋から年末を目処に、横浜に支店を出す計画も進めています。少子化や若者のレジャー離れなどから、様々な業界で市場の縮小傾向が心配されている一方で、競合する企業は多い。それでも、業界シェアの大部分を握っている会社はないので、シェアの拡大を行うことで、将来的にも生き残っていけるだろうと考えています。

ダンカン　なるほど。社長の積極的な姿勢が、周囲に良い影響を及ぼしているように思います。

関根　先程、会社を船に喩えましたが、その船の内部を充実させれば、次の港にも難なく辿り着けると考えています。また、大きくしたなら、大勢の人が集まってきてくれるでしょう。ですから、『パワープランニング』という船を大きく、また豪華にしていきたいんです。

ダンカン　希望に満ち溢れていますね。

関根　ただ我々だけでなく、当社に関わる人たちにも希望を与えたい。チャンスをつくれる人間、また会社になりたいのです。厳しい景気低迷が長引き、上昇志向を持つ人、また夢を追いかける人は少なくなっています。だからこそ、そうした人たちの背中を押したいのです。そのためにも、いずれはここを従業員に任せて、私自身、次の行動に移る時も訪れるだろうと考えています。

ダンカン　具体的な計画も？

関根　私の最終目標は、経営者を育てることです。そのために『松下政経塾』のような学びの場を創りたいと構想しています。「起業したい」「何か社会の役に立つことがしたい」との思いを抱きながらも、行動へと移す方法が分からず、二の足を踏んでいる人も少なくない。そうした人たちのために私塾を設立し、起業後の支援をするベンチャーキャピタルも立ち上げて、万全の体制でバックアップしていければと考えています。

ダンカン　最後に、今後の抱負を。

関根　私共の企業理念は、常にチャレンジすることです。チャレンジ精神を生かして、世の中に良い影響を及ぼしていける人となり、組織を創っていきたいと思います。そのためにも現状に甘んじず、これからも自己研鑽に励んでいきますよ。