2023年02月13日更新
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(株)タバタオートセンター 対談取材記事

名刺
動画

日々技術と知識を磨き
奄美大島に住まう人々の
安全なカーライフを支える

株式会社 タバタオートセンター

代表取締役 田畑 寛行
車体部長 田畑 隆行
奥様 田畑 早苗

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─略歴

奄美市にて自動車整備および鈑金塗装を請け負う『タバタオートセンター』。創業より66年の歴史を持ち、その高い技術力で奄美大島の住民のカーライフを支え続けている。そんな同社を、俳優の佐藤蛾次郎氏が訪問。同社を牽引する田畑社長と弟の隆行車体部長、社長の奥様の早苗さんにお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─対談

祖父が立ち上げた
歴史ある会社を兄弟で引き継ぐ

佐藤 まずは『タバタオートセンター』さんの沿革からお聞かせ下さい。

田畑(寛) 当社は私たちの祖父が立ち上げた自動車整備工場です。創業時は『田畑自動車工業』という看板を掲げていて、40名ほどのスタッフを抱える、奄美でも有数の整備工場だったんですよ。当時は自動車に興味のある若者の多くが当社の門戸を叩いたそうです。そうして祖父が育てた愛弟子は独立していき、後を継いだ父は人手不足で大変な思いをしたようですね。

佐藤 では、社長は3代目でいらっしゃるのですね。

田畑(寛) はい。2011年に父から代表職を譲り受けました。ですから、経営者としてはまだまだ駆け出しなんですよ。父は2代目として母と共に難しい時代の中で当社を切り盛りしてきた、優れた経営者。見習いたい部分も多く、今も父から勉強させてもらっています。

佐藤 後を継ぐことは、昔から意識されていましたか。

田畑(寛) ええ。そのために、学業修了後はまず神奈川のディーラーに就職して整備技術と販売ノウハウを学びました。そうして15年ほど実務経験を重ねた上で、帰郷して家業に入ったのです。今は弟の隆行も車体部長として仕事を手伝ってくれており、また、妻も私たちをサポートしてくれているんですよ。

田畑(隆) 兄が整備の技術を学んでいたので、私は鈑金技術を得ようと、高校卒業後は自動車整備関連の専門学校に入学しました。卒業後は福岡にあるディーラーに勤め、そちらにはおよそ12年勤務して技術を学ばせていただいたのです。そして家業を支えるべく、2年ほど前に当社に入社しました。

佐藤 社長と部長とが協力し合って、歴史ある御社を守っておられるのですね。

地域のニーズに応じた
きめ細かいサービスを提供する

佐藤 それでは改めて、現在の業務内容をお教えいただけますか。

田畑(寛) 民間車検工場として、自動車の整備・鈑金塗装などを行っています。整備一筋に66年の歴史を歩んできたことから、その技術力には自信を持っているのですよ。また、私の代から新車販売に力を入れ、ありがたいことにこちらの業務も順調に実績を築きつつあります。

田畑(隆) 当社に在籍するベテラン職人の技術は、私から見ても素晴らしいものなんですよ。車というのは日光にさらされるので、徐々に褪色していきます。ですから、修理した部分の鈑金も褪色した色味に合わせなければならないんですね。この色合わせは、機械では不可能なまさに職人芸。知識と技術があってこそ、お客様の大切な車を元通りにすることができるのです。

田畑(寛) 修理そのものも技術を要する仕事です。奄美は海に囲まれているので、多くの車は塩害を受けるんですね。塩害を受けて錆びてしまった自動車をどうやって修理するかというと、部品の取り替えなどはあまりしません。何故なら、部品を交換するとその分修理費用が高額になってしまうからです。お客様の負担を軽くするために、当社では錆び部分を鉄板で塞いで、車を再生させています。ですから、“車を造る”高度な技術が必要とされるのですよ。

佐藤 自動車が塩害を受けるというのは、地域特有のものですね。

田畑(寛) そうですね。ですから、新車を購入する場合は必ず錆止めを施すんです。離島であるためガソリンも本土より高額なので、ハイブリッド車や電気自動車に興味を持っていらっしゃるお客様も多いのですよ。そういった地域のニーズに応えるサービスを提供するために、日々専門知識の習得に努めています。

佐藤 お客様の期待に応えるお仕事に徹しておられるのですね。

田畑(寛) もちろんです。当社のモットーは「お客様の立場に立って仕事をすること」。整備会社ですから車を修理するのは当然のことですが、それにプラスアルファして、サービスでもお客様にご満足いただきたいと考えています。豊富な専門知識を持つスタッフが、お客様の疑問や質問に丁寧に、迅速に応え、安全なカーライフをサポートする──それが、創業以来当社が背負う使命であると感じています。

田畑(隆) ご高齢のお客様に対しては、修理の際に安全な車の乗り方もアドバイスさせていただいているんですよ。

佐藤 そうした取り組みが、地域から長年にわたって信頼されている一因なのでしょうね。それでは最後に、今後の活動についてお願いします。

田畑(隆) 兄と共に業務に力を注ぎ、いずれは祖父の時代のような活気ある『タバタオートセンター』にしていきたいですね。

田畑(寛) 今は新車販売事業が伸びてきているので、今後も一層力を入れていきたいですね。そうして、弟が申し上げたように、祖父の時代の活気を取り戻したいと思っています。その上で当社の歴史をさらに後世へとつなげ、100年続く企業へと導いていきたいのです。その目標を目指し、弟や妻、そしてスタッフたちと力を合わせて、益々業務に力を注いで参ります!

業界の傾向を分析し、さらなる歴史を紡ぐ

■奄美大島は離島であるため、ガソリンの価格が本島とは異なるという。そのため、島民の間ではハイブリッド車や低燃費車の人気が高いそうだ。また、一部のバスの燃料にはバイオディーゼルが使用されており、ガソリン以外の燃料に着目する傾向が強いという。

■そうした動きを鑑みて、『タバタオートセンター』の田畑寛行社長は「今後は電気自動車のニーズが強くなるのではないか」と分析する。ハイブリッド車の人気はここ数年で高まっているが、『トヨタ』のハイブリッド車「プリウス」が発売されておよそ15年の歳月が経っている。発売当時は今ほど普及していなかったのは周知の通りだが、電気自動車も充電設備のインフラが整えば、数年後にはハイブリッド車のように普及しているだろうと社長は考えているのだ。「今後は電気自動車を整備する専門資格が設けられるでしょうし、整備のニーズも増えていくでしょう。電気自動車の整備には絶縁を施した工具などを揃えなければなりませんので、先を見据えた設備投資が必要になります」と今後についての構想の一部を語ってくれた。

■そうした業界の分析を進め、新たな取り組みを行っているのは、「祖父の代から続く当社を、この先も残していきたい」という思いから。歴史を後世に引き継ぐために、新たな技術や経営戦略を採り入れる──簡単なことではないが、社長の経営センスがあれば実現は可能に違いない。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

対談を終えて

「奄美大島では公共交通機関が少なく、一家で自家用車を2~3台所有していることも珍しくないのだそうです。車はまさに住民の方々の生活の足なのですね。田畑社長や部長には、今後も皆様の安全で快適な生活を支えてほしいと思います。」(佐藤 蛾次郎さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 タバタオートセンター

住  所

【本社】

鹿児島県奄美市名瀬塩浜町17-1(金久中学校正門向い)

代表者名

代表取締役 田畑 寛行

掲載誌

リーダーズ・アイ  2012年8月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。