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一般社団法人 日本貨物輸送協会/(株)JLM/(株)マネジメントブレイン 対談取材記事

名刺
動画

何があっても、安全に確実に荷物を届ける
その態勢を守ることが運送業者の使命と任ず

一般社団法人 日本貨物輸送協会
株式会社 JLM
株式会社 マネジメントブレイン

一般社団法人 日本貨物輸送協会 理事長
株式会社 JLM 代表取締役
株式会社 マネジメントブレイン 代表取締役

嶋崎 祐司

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「強靱な精神力とぶれない信念を持って、家族と仲間、周囲の人々を守りたい」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

器とは普通、落とせば割れるものだが、世の中には、割れない器も存在する。

その器を持つ稀有な人物の一人が嶋崎社長だ。

いったいどのようにして社長は、その、割れない器を持つに至ったか。

もちろん、生まれもっての性情だったとも言えるかもしれない。

だが磨くことを怠れば、その器はすぐに脆くなってしまうだろう。

社長が持ち得たのは、自らを敢えて過酷な境遇に置き、精神を鍛えたからである。

そしてその強靱な精神は、ぶれない信念を生み出し、器を強固なものにした。

社長の器は、家族、仲間、自身を取り巻く人々を守るためにこそ存在する。


【足跡】 京都府出身。学業修了後は、厳しいことで有名な大手運送会社に入り、その環境下で自らを鍛えた。17年間勤務して課長職まで昇るも独立の道を選び、物流経営コンサルティング会社を立ち上げて、2011年に『JLM』を設立。同時に『日本貨物輸送協会』の理事長に就任した。


大手酒造メーカーなどをメインに、多数の取引先を持つ『JLM』。抜群のチームワークを誇り、一致団結という言葉が似合う同社をまとめるのが、嶋崎社長その人だ。長年にわたり大手運送会社で厳しい修業を積んだ社長は、物流に対する使命感に溢れる人物。『日本貨物輸送協会』の理事長も務め、高齢者や障害者に対しての雇用問題にも積極的に取り組んでいる。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

村野 嶋崎社長は長年、運送業界に?

嶋崎 はい。学業修了後すぐ、大手運送会社に入り、経験を積みました。その会社は当時から非常に過酷な労働環境で有名だったのですが、私は敢えてその環境で自身を鍛えようと考えたんです。約17年の間、楽しんで働かせていただきました。最終的には課長職に就いていましたが、その後の昇進を伝えられた時に退職。と言うのも私は、地位や名誉に執着しない質で、長年「いつか起業して、世の中の困っている人たちを助けたい」との想いを持っていたんです。

村野 親分肌と言いますか、義侠心がおありだったのでしょうね。その後はどのように進められたのですか。

嶋崎 運送業界での経験を生かすべく、物流経営に関するコンサルティングを始めました。ところが、東日本大震災が起き、被災地周辺の物流機能が麻痺してしまったとの情報が多く、「長年、物流に携わっておきながら、自分は募金以外に何もできないのか」との想いに苛まれた私は、運送業でゼロからやり直そうと考えたんです。そこで、業績不振に陥っていた倒産寸前の運送会社を買い取り、立て直しを図りました。約3カ月で黒字に転換させることができ、2011年12月『JLM』として、再スタートを切ったというわけなんです。

村野 風前の灯火であった会社を、3カ月で立て直されたのですか! それは素晴らしい経営手腕だ。いったいどのように?

嶋崎 まず経費削減を考え、着目したのは燃料費でした。そもそも運送業とは、顧客の数ももちろんですが燃料価格の変動にも業績を左右される業種。その点大手ならば大量に購入することで、そのコストも下げられますが、私共のような中小零細企業では到底不可能ですよね。そこで組合を作って加盟する会社を募り、まとめて燃料を購入することでコストを抑え、自らが経費項目を細かくチェックし、削減に成功しました。そして支払いサイトと回収サイトのバランスを整えることでキャッシュフローを好転させ、黒字化したんです。

村野 すごい発想力と行動力ですね……。

嶋崎 それと並行して私が自ら営業に回ったんです。とは言えいきなり伺っても、当然「間に合っている」と、断られることが多いんですね。でもそこで諦めるのではなく、毎日通う。するといつか、必ず熱意は伝わるんです。そして、たとえ利益の出ない仕事でも、もしくは赤字の仕事だったとしても、お仕事をいただければ全力を尽くす。「納得いただけなければ、料金はいただかなくても構いません」と伝えて仕事を完遂します。業務を任されさえすれば、必ず納得していただけるだけの自信がありますから。現在は、大手酒造メーカーを中心に、多くの取引先様に恵まれています。

村野 誠意ある姿勢でお客様と対峙してこられたと。それに、ドライバーさんたちに対する信頼の篤さが伝わってきます。

嶋崎 皆には「安全は全てに優先する」ことを、常に重んじてほしいと伝えています。ですから当社では、安全に関してはとことんまでお金を使い、そこを節約することはありません。また、労働環境の充実には絶対の自信があります。もとより従業員たちには何より家族を大事にしてほしいので、当社のモットーは「家族第一主義」。たとえば社内旅行に出向く時は、温泉宿を一つ借り切って、従業員の家族も全員連れていくんです。そうすれば奥様は、夫がどのような環境で働いているのか知ることができますし、安心でしょう。

村野 ご家族にも優しい労働環境をお築きですね。社長ご自身がお仕事の中で大切にしてこられたことは何ですか。

嶋崎 ぶれないことです。朝は一番に出勤し、一番最後まで残って会社を閉める。そして日曜、祝日に関係なく荷物が動いている限りは必ず会社に顔を出します。そうして自分を律しているんです。また、手が空いたらガレージなどの掃除をしています。ドライバーが、汚れたガレージに帰ってくると、きっとがっかりしますから。

村野 自分を厳しく律し、周囲にはこれ以上ないほど思い遣りを持って接する。それが社長の何よりの魅力なんでしょうね。今後についてはいかがお考えでしょう。

嶋崎 我々運送業に携わる者は、ただ単に物を運ぶだけでなく、ライフラインを守る使命を背負っているのだと、先の震災でも身に沁みて感じました。ですからどんな災害にも負けない物流を目指したい。そのため私は、『JLM』創業と時を同じくして『日本貨物輸送協会』の理事長にも就任しているんです。そちらでは、震災の復興に向けた活動のほか、雇用問題にも積極的に取り組んでいます。

村野 雇用問題、ですか。

嶋崎 ええ。労働することは、人間が感じられる大きな生き甲斐ですから、それを高齢者や障害者の方にも感じてもらい、生き甲斐を持っていただきたい。そこで近い将来、高齢者や障害者が働ける物流施設をつくるつもりで、すでに動き出しているところなんですよ。

村野 陰ながら応援しています!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲ゲストの村野武範氏と記念の一枚

 

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

未来ある子どもたちへの熱い想い

▼発達障害の一種とされるアスペルガー症候群。いわゆる天才肌の人間には、この障害を抱える人が多いと言われている。たとえば織田信長やエジソン、アインシュタインなどがそうだ。何か一つのことにどこまでものめり込む資質を持つため、それを伸ばせる環境にある者は、大成する可能性を存分に秘めていると言えるだろう。だが一方で他者との関係構築能力が極めて低いなどの特徴も持ち、世間的な認知度の低さも相まって「自閉症」とされ、施設生活を余儀なくされる人もいるのだ。

▼嶋崎社長は以前、障害者施設のことを調べる機会があり、この症候群の存在を知った。そして、彼らの秘める才能を何とか生かすために、自分にできることはないかと腐心するように。そこで現在、社長は、理事長を務める『日本貨物輸送協会』で、彼らのために新たな学舎をつくろうと動いているという。施設ではなく、民間の学校として、子どもたちの明るい未来を切り拓こうと励んでいるのだ。これは周囲の人間のみならず、良き社会の形成に、企業として貢献したいという想いの表れに他ならない。

対談を終えて

「嶋崎社長は、人に対して計り知れない温かさを持つお人だと感じました。反面、自身に対してはとても厳しく律する強い心をお持ちで、経営者として、また人として信頼に値します。無論男としての義侠心にも熱く、社長が営業に出向けば、誠意を感じない方はいないはずです」(村野 武範さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

一般社団法人 日本貨物輸送協会
株式会社 JLM
株式会社 マネジメントブレイン

住  所

京都府八幡市岩田西玉造71番地

代表者名

一般社団法人 日本貨物輸送協会 理事長
株式会社 JLM 代表取締役
株式会社 マネジメントブレイン 代表取締役

嶋崎 祐司

掲載誌

ザ・ヒューマン  2012年7月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。