月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

吉沢　まずは、御社設立までの経緯から。

戸高（直）　私は学業修了後、水道ポンプを扱う会社に入社し、ポンプのメンテナンスなどを手がけていました。経験を積む中で仕事の幅を広げようと、配管工事の勉強を独学で始めたのです。社員の意思を尊重してくれる会社でしたので、その後、配管部門を独自に立ち上げ、店舗や住宅などの配管工事を手がけるように。そうして10年ほど腕を磨かせていただいた末に、独立を決意。まずは個人事業主として先に独立していた弟を手伝うことから始め、2011年に弟を専務として当社を設立した次第です。

戸高（豊）　私はちょうど定年退職を迎え、これから悠々自適に暮らそうと考えていたのですが、息子たちが会社を立ち上げるというので、会長として後押しすることにしたのです。といっても、息子たち二人が協力して上手く舵をとっているので私の出る幕はないのですが（笑）。

吉沢　傍で見守ってくれているだけで、大きな支えとなっていると思いますよ。事業は現在も配管工事業を主体としていらっしゃるのですか。

戸高（直）　ええ。その他にも増改築やリフォーム、消防設備の設計・施工などを手がけていますし、店舗設計やコーディネート、インテリアデザインなども請け負っています。元々専門学校で建築デザインを学んだ経験があり、いつかこうしたデザイン事業も手がけたいと考えていたのです。ただ、学校で学んだ知識だけでは限界がありましたので、デザインにおいても独学で技術を身に付けました。初めは居酒屋や和食店の店舗デザインから任せていただき、少しずつ口コミで評判が広まって、仕事の依頼が増えていくようになったのです。

吉沢　デザインにおいては、御社ならではの特徴やこだわりがあるのですか。

戸高（直）　様々なもののデザインに、この地域の伝統工芸である「小倉織」の特色を取り入れていましてね。お陰様で、洗練されたデザインだと高い評価をいただいています。この独自の取り組みを通して、小倉織、ひいては小倉という地域の魅力をアピールし、地場産業の活性化に貢献できればと考えているんですよ。

吉沢　では、最後に今後の展望を。

戸高（直）　嬉しいことに、現在、手がまわらないほどの依頼があり、忙しくさせていただいているんですよ。これも協力会社様など周囲のお力添えがあってのことだと、本当に感謝しています。今後も当社の売りであるスピード感と独自のデザイン性を突き詰めながら、年中無休でお客様のニーズに幅広く応えていきたい。そうして、「『戸高工業』に頼めば何とかなる」という、絶対的な信頼を勝ち得ていきたいと思います。