経験に裏打ちされた確かな知識と技術で
顧客のニーズに応えるベストな生麺を提供
生ラーメン専門メーカー
【足跡】 10歳の時に両親が『ツルミ製麺所』を創業し、その当時から家業を手伝う。そして高校卒業と同時に正式に家業へ入り、以来、積極的な経営方針で得意先を開拓。会社を成長へと導いてきた。
『ツルミ製麺所』は、創業から35年の歴史を数える老舗の生麺メーカー。自宅の一室を改装して作ったわずか15坪のスペースからスタートした同社は、その変遷と共に事業規模を拡大し、今や国内屈指の生麺メーカーと言われるまでに成長。北は北海道から南は九州まで、全国各地で同社の生麺が食されている。本日はタレントのダンカン氏が同社を訪れ、二代目として会社を力強く牽引する佐々木社長にお話を伺った。
ダンカン 早速ですが、『ツルミ製麺所』さんの沿革から伺います。ご創業はいつごろなのでしょう。
佐々木 1977年に、私の両親が立ち上げました。自宅の1階──わずか15坪ほどの小さな規模から当社の歴史は始まったのです。
ダンカン では、佐々木社長はご両親が懸命に働く姿を見て育ってこられたわけですね。その中で自然と後継を意識するようになったのですか。
佐々木 いいえ。小学生のころから家業を手伝ってはいたものの、後を継ぐつもりはありませんでした。実際に、高校を卒業する前には大手メーカーへの就職も決まっていましたから。しかし、その矢先に父が脳卒中で倒れてしまいまして。幸い命に別状はなかったものの、当面の間、現場に立つことができなくなったため、内定を辞退して家業を継ぐ決意を固めたのです。
ダンカン 社長が家業に入られて、ご両親も安心されたでしょう。しかし、10代でいきなり経営の第一線に立つことになったわけですよね。周囲は年長者ばかりですし、営業活動で苦労されることも多かったのではありませんか。
佐々木 確かに大変なことはありましたが、私は元々営業が好きなので、それほど苦には感じませんでした。入社してすぐあちこちに営業に回り、新規のお客様を開拓していきましたよ。
ダンカン 確かに、社長は物腰が柔らかくて笑顔も爽やか。相手にもすぐ受け入れられそうです。営業は、主にどういったところを回られたのですか。
佐々木 両親は6軒の中華料理店に生麺を納めるところからスタートしましたので、私も中華料理店やラーメン店を中心に回りました。個人のお店を何千軒と回って少しずつ顧客を開拓し、入社から7年目には得意先が100軒に、その8年後には200軒となったのですよ。また販売エリアも大阪周辺から徐々に拡大し、現在は北海道から九州まで各地に広がっています。
ダンカン では、御社の麺は全国各地で食されているのですね。乾麺やスープなども扱っておられるのですか。
佐々木 いいえ。関連商品としてワンタンや餃子の皮の製造も手がけておりますが、当社の主力はあくまで生麺です。当社では、お客様のご要望に応じたオーダーメイドの生麺も提供しており、北は北海道・札幌ラーメンから南は九州・博多ラーメンまで、地域ごとに異なる麺の特色にも細かく対応しています。
ダンカン それだけの設備と技術力をお持ちであるということですね。
佐々木 はい。当社には素晴らしい設備と、長年の経験に裏打ちされた確かな技術、そして何より優秀な人材が揃っています。規模としては大手には敵いませんが、品質に関しては大手にも絶対負けません。それに当社はこれまで、お客様から寄せられた要望には必ず応えて参りました。スープに合わせた麺の企画・ご提案から繁盛店づくり、法人オーナー様から個人店様まで、限りないご要望にもお応えできる自信がありますし、麺選びでお悩みの方がいれば、是非当社にご相談いただければと思います。
ダンカン それは頼もしい! そうしてどんな依頼にも対応し、お客様の期待以上の商品を提供されてきたことが「『ツルミ製麺所』に任せれば間違いない」という信頼・評判につながり、お客様の輪が全国へと広がっていったのでしょう。会社を支えるスタッフの方は、全部で何名いらっしゃるのですか。
佐々木 私が入社した時は両親とおじ、そして私の4名だけでしたが、今では50名になりました。年代は20代から69歳まで幅広く、皆、非常によく頑張ってくれているのですよ。69歳のスタッフに関しても意欲的に仕事に取り組んでくれています。そんな風に、皆にいつまでも元気で働いてもらえるように、今後は定年制をなくしたいとも考えています。
ダンカン それは地域貢献、社会貢献につながりますね。スタッフの皆さんにはいつもどのようなことをお話しですか。
佐々木 礼節・礼儀、感謝の気持ちを大切にするようにということです。これらは当たり前のことですが、ついつい忘れがちになってしまうことでもありますので、私自身も常に自分に言い聞かせています。
ダンカン そうして基本を大切にされる姿勢も、信頼につながっているのでしょう。それでは最後に、将来の展望を。
佐々木 小さい器で目一杯の仕事をすることが中小企業の成功の法則だと思っているので、今後も大阪に腰を据えて商売を続けたいと思っています。規模を大きくするよりも、スタッフ一人ひとりが誇りを持ち、満足して働くことができる「小さくて強い会社」を築いていきたいですね。そして大阪から全国へ、美味しい生麺を届け続けて参ります。
「生麺のことならお任せ下さい!お客様のどんな要望にも、必ず応えてみせます!」
(代表取締役 佐々木 博文)
「『ツルミ製麺所』さんの生麺が支持される理由が分かりました」(ゲスト ダンカン)
開拓精神が、会社の未来を創り上げる
『ツルミ製麺所』が掲げる経営理念の一つに「開拓精神」というものがある。これは、「時代は変化する、失敗しながら他人がやらないことを先にやる」という精神を表したもの。『ツルミ製麺所』の二代目・佐々木社長は、まさにこの「開拓精神」を持ち、これまで業務に挑んできた。たとえば顧客の新規開拓。普通は上場企業の社長にいきなりアプローチしようとは考えないだろう。だが社長は、「上場企業の社長も自分と同じ人間」と、臆することなく手書きの手紙を送ってアプローチ。実際に、その手紙がきっかけで商談、取引につながったこともあるのだとか。また、商品開発においても独自の視点からユニークな商品を数々生み出してきたという。
固定観念に囚われず、何ごとにも積極的に取り組む姿勢は、まさに「開拓者」そのもの。そんな社長がこれから先、同社の未来をどう開拓していくのか。楽しみでならない。
「『規模を大きくしなければならない業種と、してはいけない業種がある。我々の仕事は後者です』。佐々木社長はこうおっしゃっていました。成功に舞い上がることなく、常に冷静な視線からものごとを判断しておられるからこそ、危なげない経営ができるのですね」(ダンカンさん・談)
名 称 |
株式会社 ツルミ製麺所 |
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住 所 |
大阪府大阪市鶴見区鶴見5丁目6-13 |
代表者名 |
代表取締役 佐々木 博文 |
U R L |
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掲載誌 |
トップフォーラム 2012年6月号 |
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