月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

島田　早速ですが、斉藤代表の歩みからお伺いします。代表のご実家が事業をされているそうですが。

斉藤　はい。70年ほど前に祖父が建具や仏具を手掛ける『斉藤木工所』を立ち上げ、現在も経営を続けています。私はその三代目にあたり、高校卒業後はお礼奉公を含めて5年間修業。公私ともに非常に厳しい親方でしたが、当時の経験があって今があると実感できますし、心から感謝しています。その親方のもとで修業を積んだ後、家業に。ただ、家業に携わる中で、もっと勉強したいという気持ちが募りましてね。それで、勉強を重ねて二級建築士の資格を取得したのです。そうして、新築やリフォーム、外構工事、解体工事まで幅広い分野を手掛けるだけでなく、店舗から住宅、寺社仏閣の仕事にも携わりたくて立ち上げたのが、この『橙丸』。木造建築物を主体に新築から解体工事までを手掛けています。

島田　家業が建具を手掛けておられるだけに、代表も木という素材には強い思い入れをお持ちなのではありませんか。

斉藤　ええ。木は種類によって色や風合い、匂い、特性などが異なり、それらに合わせて使い分けなくてはならないんですね。木の特性を引き出せるかどうかは、適材適所に使う職人の目利きや腕にかかっており、そこに奥深さを感じますね。突き詰めるほどに面白みが増し、現在も日々勉強ですよ。

島田　とても職人らしいお言葉ですね。そんな代表の下でなら、社員の方々も貴重な勉強が積めるでしょう。

斉藤　私共の職人は若い世代が多いんですよ。彼らにとって良い勉強となっていれば幸いですが、若手を採用しているのには、もう一つ理由があります。施主様の要望に応えるためには、より若い感性によるデザインやセンスが必要だと考えたのです。

島田　ではデザイン面にも力を入れておられるのですね。

斉藤　はい。私共では、打ち合わせの段階であらかじめ伺っておいたご要望を全て取り入れたデザインを作ります。それから最初の見積もりを出すのですが、必ずと言ってよいほど予算オーバーでしてね。マイホームの購入を考えられる主要世代は、第一にデザインありき。優先順位としては、次に機能性、そして、予算です。そのため、妥協できる部分、絶対に譲れない条件を伺いながら、話をつめていきます。せっかくのマイホームですから、無理のない範囲内でできる限り希望を盛り込み、末永く幸福に暮らしていただきたいですから。

島田　今後の展望をお聞かせ下さい。

斉藤　お客様との出会いを大切にし、末永くお付き合いできる関係を築いていきたいです。世代を超えてお付き合いが続くのが理想的ですね。そのためにも、期待以上の仕事を提供していきます。