2023年02月13日更新
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(株)イーストコア 対談取材記事

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資源循環型社会の実現を目指し
勇猛果敢に事業を推し進める

株式会社 イーストコア

代表取締役 田中 信行

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─略歴

■自らの手で種を蒔き、この国の未来に大輪の花を咲かす

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

独立以降、時代の流れを読むセンスを武器に次々と新事業を打ち立ててきた田中社長。どんな厳しい現実に直面しようとも、両の眼でしかと前を見据え、最善を尽くしてきた。

東日本大震災で事業継続が危ぶまれた時でさえ、未来のために今できることをと、すぐに活動を開始。

全社一丸となって地域の救助活動に勤しむことで、社会の役に立ちたいという想いも一層強まった。

そうして今、環境負荷の少ない事業を実現すべく、廃棄物を使った発電システムの構築を急いでいる。待っているだけでは何も変わらない──。明るい未来を目指し、社長は決して歩みを止めない。


【足跡】 宮城県出身。自動車整備学校を卒業後、建設機器のリース会社や生命保険会社に勤め、営業として経験を積む。その後、勤務時代のノウハウや人脈を活かして、2002年にリサイクルを手掛ける事業で独立。翌年、『イーストコア』を設立し、以来、信頼の置ける社員と共に、着々と事業を拡大している。常に前向きで明るい性格のため周囲からの人望も厚く、社員からは良き兄貴分として慕われている。


鉄・非鉄金属・金属スクラップといった廃棄物を回収し、様々な分野で役立つ資源へとリサイクルしている『イーストコア』。2013年で設立10周年を迎える同社は、進取の精神で堅実に事業を拡張し、多方面から信頼を寄せられる企業として異彩を放っている。東日本大震災で甚大な被害を受けた後も、翌日からボランティアに勤しむなど、常に前向きに歩みを進めている同社。その歩みの先に、田中社長が目指しているものとは何なのか──!? 俳優の村野武範氏が、社長にお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─対談

村野 まずは、事業内容から伺います。

田中 当社は、金属スクラップのリサイクルを主業務としています。解体業者や金属問屋から鉄、非鉄金属、銅、ステンレスなどを買い取り、検品や選別、粉砕、切断などの処理を行った後、製鉄所を介して国内外の各メーカーに新たな資源として提供しているのですよ。当社は、環境にやさしいリサイクルを実践することで、「資源循環型社会」の構築に貢献していきたいと考えています。

村野 資源不足が懸念されている現代にマッチした、意義深いお仕事ですね。田中社長がこの事業で独立を果たされたのは、いつごろですか。

田中 2002年です。1tトラック1台のみ、社員も私1人でのスタートでしたが、翌年に法人登記したことを弾みとし、資格の取得に努めながら一歩一歩事業を拡張していきました。現在は「金属リサイクル事業部」の他に「環境事業部」や「工事事業部」など全てで5つの事業部を構えるまでになり、社員も総勢30名を超えています。

村野 著しい飛躍を遂げられましたね!

田中 お陰様で、様々な業種のお客様とお取引させていただけるようになり、2009年には株式改組を果たすこともできました。その足掛かりとなったのが2008年に「塩竃ヤード」を設置し、中国との取引をスタートしたこと。当時、中国は北京オリンピックを控えて製鋼の需要が急激に高まっていた時期。自社で貿易が行える船着き拠点をベストタイミングで得たことで、企業としての可能性も大きく広がりました。しかし、これから益々事業を推し進めていこうと、社員一同意欲に燃えていた矢先に、この地を東日本大震災が襲ったのです。

村野 そうでしたか……。当時、社長はどちらにいらっしゃったのですか。

田中 仙台市内の取引先に出向いており、そちらのビルを出たところでした。突然大きな揺れに襲われ、慌てて自社に帰ろうと車に飛び乗ったのですが、道路は既に大渋滞。車内のテレビでは津波の情報が流れていますし、当社の事業所は海沿いにもありますので、社員のことが心配で気が気ではありませんでした。ですが車は遅々として進まず、皆の無事をただただ祈ることしかできない自分が歯がゆかったですね。結局、4つある事業所の内、3カ所が水没。残念ながら、社員からも1名犠牲者が出ました。一向に連絡がつかないので、まさかと思っていましたが、その現実と直面した時は、本当につらかったですね。

村野 心中お察しします。常に前向きな社長と言えど、その悲しみから立ち直るのには時間を要したのでは?

田中 確かに、身近な存在の中から犠牲者が出たことを思うと、今でも口惜しくなります。しかし、だからといって悲しみに打ちひしがれていても、どうなるものでもありません。命を落とした社員もその瞬間まで懸命に仕事に励んでくれていましたし、たとえ従来通りの仕事振りはままならないとしても、できることから始めるのが自身の務めだと、翌日から救助活動のお手伝いを始めました。社員たちも同じ想いだったようで、身辺整理も終わらない内から自発的に集まってきてくれたのです。その後、救援活動の延長で、行政から一時仮置き場の集積業務を任されるようになり、5月ごろからは民間による解体工事も進むように。そうなると当社にも廃材の買取の依頼が寄せられ始め、徐々に震災前と変わらぬ仕事ができるようになっていったのです。ただ、津波で港が壊滅したことや、原発問題の影響もあって中国との貿易は縮小し、現在は国内のメーカー様との取引がメインとなっています。ですが、将来的にはベトナムなど他のアジア諸国との交易も始められるよう、準備を進めていきたいですね。

村野 お話を聞く限り、社長はいつも将来を見据えながら、新たなことに果敢に挑んでいらっしゃる。数々の閃きはどこから来るのですか。

田中 常にアンテナを張り巡らし、経済動向に気を配っていれば、どこにチャンスがあるのかは自ずと見えてきます。それに元来私は、既存の方法に囚われず、新しく挑戦することに大きなやり甲斐を感じるタイプなのです。

村野 では、ずばり今、社長の頭の中にある新たな構想とは!?

田中 廃棄物を利用した発電システムの構築です。回収した廃棄物を発電エネルギーとして上手く活用し、自社の電気を賄うことを目指しています。それが成功すれば、環境負荷の極めて少ないビジネスモデルが生まれ、資源循環型社会の実現にも一歩近づき、様々な分野に貢献できるでしょう。昔から、いつか取り組みたいと考えていたことなのですが、震災を契機にエネルギー問題への意識が高まる中、今こそ形にすべき時だと決心しました。行政が動くのを待っているだけでは何も変わりません。これからは私共のような民間企業が、理想の社会の実現へ向けて主体的に動かなければならないと感じています。私共は10年以内に、この発電システムを形にしたいと思っています。必ず実現させますから、見ていて下さい!!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「田中社長の力強いお言葉を聞いていると、日本の未来は必ずや明るくなると思えました」
(ゲスト 村野 武範)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─「EAST CORE ──環境にやさしいリサイクル。」

イーストコアは考えます。

資源の少ない日本だけど、今あるゴミを再利用すれば資源大国です。

限りある資源をリサイクルすることで、私たちの暮らす地球の環境保護につながり、そして次世代をつなぐ子どもたちに、よりよい社会と、よりキレイな空と大地を…。

お客さまと地域のネットワークを大切に、これからの「資源循環型社会」をカタチにします。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

 

【リサイクル事業を支える3カ所のヤード】

 

●名取ヤード

会社設立と同時に設置され、事業発展の歴史を支え続けてきた「名取ヤード」。

主に金属(鉄、アルミ、銅、被覆線、真鍮、ステンレス、MIXメタルなど)を選別し、適度な大きさにまとめ、リサイクルしている。

 

●塩竃ヤード

『イーストコア』飛躍の大きな足掛かりとなった「塩竃ヤード」。

計量を行う受入れヤードの他、岸壁に2カ所の置場を所有しており、輸出などの船出し拠点として、出荷作業も行っている。

写真は、岸壁から船で鉄を出荷している様子。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

 

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

●岩沼ヤード

事業を支える新たな柱として、現在建設中の「岩沼ヤード」。

ギロチン(右写真)と呼ばれる1,250tもの切断機を導入し、より幅広く、柔軟に顧客のニーズに応えていく構えだ。

■金属リサイクル事業部

ゴミとして大量に廃棄される工業製品や家電製品の中には、有用な資源(レアメタルetc.)が含まれている。いわゆる、「都市鉱山」と呼ばれるこれらの資源は、適切な処理を行えば半永久的にリサイクルすることが可能だ。そこで『イーストコア』では、この都市鉱山の再利用に向け、回収・リサイクルに精力的に取り組み、リサイクル社会の実現に大きく寄与している。

同社では、塩竃市、名取市の2カ所にスクラップヤードを置き、持込受入はもちろん、引取、コンテナの設置にも随時対応。取引相手も生産工場から工場業者、一般顧客までと幅広く、実に様々な分野、業種に貢献している。

更に現在、岩沼市に新たなスクラップヤードを建設中(2012年1月取材時点)。顧客からの、どんな細かな要望にも真摯に応えるべく、日々進化を続けているのだ。

 

■環境事業部

『イーストコア』は、産業廃棄物処理業・収集運搬業者としての役目も担っている。

多種多様な車輌を取り揃えることで、あらゆるニーズに迅速に対応。顧客に負担を掛けることなく、一歩進んだサービスやリサイクルを実践している。

 

■工事事業部

『イーストコア』が手掛けるのは、環境分野に直接関わる事業だけではない。その内の1つが、工事事業。ビル・マンションや店舗、家屋などの建設工事において、解体工事から廃棄物処理までをトータルに請け負うことで、他社とは一線を画した、スピーディーかつ低コストな工事を実現している。

 

■商材事業部

商材事業部では、主に建築資材をはじめ、各種建設機械及び土木資材などの物品販売を行っている。海外とのパイプも確立されており、要望に応じて海外製品の取り寄せも可能だ。

 

■運輸事業部

引取を依頼した金属スクラップや産業廃棄物の運搬は、豊富に取り揃えた各種許可取得専用車輌にて柔軟に対応。「配車ご用命専用ダイヤル」を設けており、打ち合わせから配車までを総合的にサポートしている。要望を事前に伝えれば、状況に合った最善の方法、車輌で引取ってくれるから安心だ。

対談を終えて

「取材当日、とても温かく私たちを迎え入れて下さった『イーストコア』さん。田中社長だけでなく、社員の皆様も若さとエネルギーに満ち溢れており、私もパワーをいただくことができました。周辺の地域には震災の爪痕がまだ至る所に残っているでしょうが、社長の全てを包み込むような温かいお人柄と、社会のために役立ちたいという熱い志があれば、きっと活力を取り戻すことができるでしょう。私も社長のファンになりましたし、御社のこれからの一層のご活躍を期待しています!」(村野 武範さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『トップフォーラム(Top Forum)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 イーストコア

住  所

【本社 塩竃ヤード(スクラップ)】

宮城県塩竃市貞山通1丁目2-6

【名取ヤード(スクラップ)】

宮城県名取市高柳字山神108番地

【岩沼ヤード(スクラップ)】

宮城県岩沼市空港南5丁目3-3

【岩沼リサイクルセンター 第1工場(中間処理施設)】

宮城県岩沼市空港南5丁目1-2

【岩沼リサイクルセンター 第2工場(中間処理施設)/岩沼事務所(工事・物販)】

宮城県岩沼市下野郷字新南長沼27-6

代表者名

代表取締役 田中 信行

U R L

http://www.east-core.co.jp

掲載誌

トップフォーラム  2012年4月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『トップフォーラム』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。