こだわりの農業に邁進し、
自慢の“暮坪米”を多くの人に届けたい
イーハトーボの百姓
布川 高橋社長は、ご実家が農業をされていたのですか。
高橋 ええ。村でも古くから続く農家で、先祖代々家業としてきました。私は一旦農業を離れ、長年都会暮らしをしていたのですが、50歳の時に帰郷し、年老いた両親を手伝い始めたのです。すると、これが何とも楽しくて仕方がなく、どんどんのめり込むようになりました。
布川 そうでしたか。こちらでは、こだわりの農業を行っておられるとか。
高橋 実はこれは戦略でして。と言うのも、私が再び農業に着手して初年度の利益が僅か30万円。そこで「農業で食べていけるようにしたい!」と、有機農業に着手することで量から質への転換を図ったのです。現在、様々な栽培方法を手掛けている中、代表的なのがアイガモ農法。約350羽のアイガモを田んぼに放ち、完全無農薬・無化学肥料の有機米を栽培しています。また肥料には、静岡県焼津港で獲れた鰹に由来するものを使用し、光合成を活性化させるためにバクテリアも投入しているんです。
布川 さぞ、美味しく育つのでしょうね。
高橋 手前味噌ですが、当社のつくる「暮坪米」は「モチモチしていて甘みがある」とどれも好評で、2010年には「特別栽培 暮坪米 あや」が、「国際食学協会」による「美味しいお米、ベスト10!」の第5位に選ばれました。ただ一方で原発事故による風評被害も根強いんです。もちろん安全性を確認した上で販売しているのですが……。私共としてはこれまで同様、良質な米づくりを続けるのみ。その真価が認められれば売上も回復すると信じています。そうなれば志を同じくする仲間でグループを組織し、東京や大阪にも出荷したい。そして最終的な目標は専業農家で食べていけるビジネスモデルを確立すること。その実現をライフワークとして今後も邁進して参ります。
名 称 |
株式会社 暮坪農場 |
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住 所 |
岩手県紫波郡紫波町彦部字定内269-1 |
代表者名 |
代表取締役 高橋 勲 |
U R L |
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掲載誌 |
トップフォーラム 2012年3月号 |
※代表者名の“高”は正しくは“はしご高”です
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