連結部品製造とサンドブラスト彫刻の二本柱で
新たな活路を見出す挑戦心に溢れた企業
ボルトやネジ、ナットなど、連結部品の製造・販売を手掛ける『栄光ファスナー』。袋詰め加工も新たに請け負い、付加価値の高さで顧客からの支持を得ている。最近では、サンドブラスト彫刻による多彩な商品で注目を集める同社をタレントの布川敏和氏が訪問し、木村社長にお話を伺った。
布川 木村社長はこの道一筋に歩んでこられたのですか。
木村 ええ。学業修了後すぐに、現在と同業種である連結部品の製造会社に就職し、以来ずっとこの道を歩んできました。前勤務先には15年間勤続し、取締役部長を務めるなど重要なポストを任せていただいていたのですが、不景気の煽りから厳しい状況に。会社としては規模を縮小して生き残りを図るべきだろうと、進んで退職。特に当てもなく途方に暮れていた時に、前職で懇意にしていただいていた方から「これまでの経験を活かして独立してみては」と背中を押していただき、独立を決意しました。2002年のことです。
布川 業務内容は現在と変わらず?
木村 ええ。ボルトやネジ、ナットなど、物と物とを連結する部品の生産・販売を主体としています。そこから「連結する」という意味の『ファスナー』を社名としているんです。また、海外生産品との価格競争に対抗するため、新たに部品の袋詰め加工も手掛けるようになりました。家具などを購入すると、ネジなどの部品が袋にワンセットになっているでしょう。そういった袋詰め作業も含めてお請けすることで、付加価値を高めているのです。さらに1年ほど前からは、本業とは別に「サンドブラスト彫刻」にも着手しました。
布川 詳しくお聞かせ願えますか。
木村 ガラスの表面に砂を吹き付けて彫刻を施す、ガラス工芸の技法です。この業界でも表面を綺麗にしたり、光沢を出したりするために同様の設備を使用していたのですが、それらの加工は中国で安くできるようになり、需要が激減。設備を何か生かす術はないかと模索したところ、改造すればサンドブラスト彫刻ができるということを知り、趣味感覚で始めたんです。
布川 その趣味が高じ、今では事業の一つとして進めておられると?
木村 そうなんです。ガラス楯やウェルカムボード、鏡、グラス、ボトル、ガラス皿など、様々なものにオーダーメイドでお好みの文字やイラストを入れることができ、メモリアルやプレゼントなどにぴったりなんですよ。似たようなものにレーザー彫刻がありますが、レーザーの場合はコンピュータで製作するため、大量生産品。しかし、サンドブラストは一つひとつ手作業で丹念に制作しますので、すべてが一点物なんですよ。サンドブラストは一般のお客様を対象にしたサービスで、ホームページ上での販売をスタートしています。
布川 では今後は、二本柱で事業展開していくおつもりなのですね。最後に、今後に向けての抱負を。
木村 サンドブラストは販売をスタートして間もないですし、まだまだこれからだと言えます。新旧2つの事業を平行させて進めていき、それぞれの中身を充実させていきたいと思います。これからも挑戦を続けていきますよ!
「対談後、木村社長が自らの手で作ってくださったサンドブラスト彫刻の作品をいただき、感激しました。当日はちょうど私の結婚記念日だったので、素晴らしいメモリアルになりました!」(布川 敏和さん・談)
名 称 |
有限会社 栄光ファスナー |
---|---|
住 所 |
大阪府松原市西大塚1丁目142-1 |
代表者名 |
代表取締役 木村 義勝 |
U R L |
|
掲載誌 |
ザ・ヒューマン 2012年2月号 |
本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。