2023年02月13日更新
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(株)アーキテック・コンサルティング 対談取材記事

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人と地球に優しい住まいを追求──
日本の建築物に新たな価値を吹き込む

株式会社 アーキテック・コンサルティング

SHASE技術フェロー(省エネ技術)
技術士(衛生工学部門)一級建築士

代表取締役社長 宇梶 正明

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

【足跡】 神奈川県横浜市出身。学業修了後、大手ゼネコンに就職し、設計及び技術開発・研究を担当する。2001年に独立を果たし、同年にスタートした国土交通省主導のプロジェクトに参画。自立循環型住宅の研究・開発の一角を担う。そこで得た実績により、業界内外から求めの声が多数寄せられている。


建築物・建築設備の省エネルギー技術及び室内環境に関する調査研究や技術開発を主事業とする『アーキテック・コンサルティング』。2001年の創業以来、国土交通省が主導する地球環境関連のプロジェクトに参画するなど、社会貢献度の高い事業を推し進めてきた。その実績は高く評価され、建築に関連する様々な依頼が数多く寄せられているとか。多方面から一目置かれる同社から、今後も目が離せない。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

中島 まずは宇梶社長の歩みから。社会人としての第一歩は?

宇梶 大手ゼネコンに入社し、本社設備設計部で設計を、技術研究所で技術開発・研究を担当していました。日々やり甲斐を感じながら、業務に打ち込んでいましたね。しかし、勤続して20年ほどすると大きな組織ゆえの窮屈さを感じるようになりまして……。47歳の時に独立に踏み切った次第です。2001年のことです。以来、建築物・建築設備の省エネルギー技術及び室内環境に関する調査研究や技術開発などを手掛けてきました。

中島 年齢的には遅めの独立ですが、不安はなかったのですか。

宇梶 人脈も築けていましたし、多くの方に助けていただけたので、あまり不安は感じませんでした。大手に勤め、大規模なプロジェクトに携わっていたことも強みとなりましたね。お陰様で、幸先の良いスタートが切れたのです。

中島 独立されて、最初に請け負ったのはどのようなお仕事だったのでしょう?

宇梶 「自立循環型住宅の研究・開発プロジェクト」という、私が独立した年に国土交通省主導でスタートしたもので、その一端を担いました。

中島 地球環境に関係する、我々が今まさに直面している問題に10年前から携わっておられたのですね。そのプロジェクトについて、具体的にお聞かせ願えますか。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

宇梶 住宅居住時のエネルギー消費に起因する二酸化炭素排出量を半減させることを目的としたもので、大学研究者や民間企業の研究者・技術者が共同して、建築物・建築設備機器技術の研究・開発が進められました。プロジェクトの開始当初は私と、現在大学の准教授を務めている方と2人で、その段取りから取り掛かったのです。それから4年にわたり数多くの実験・検証を重ね、その研究成果を設計ガイドラインとしてまとめました。一般の住宅設計実務者向けに分かりやすく著されたもので、私もその一部の執筆に携わったのです。

中島 そのプロジェクトは現在、どのような形で生かされているのでしょう?

宇梶 現在、設計ガイドラインに基づいて全国各地で講習会などが実施されており、その普及が図られています。私も地場の工務店さんなどを相手に、設計・施工の方法について講習をさせていただいています。もちろん、工務店さんそれぞれに建築に対するこだわりをお持ちでいらっしゃいますが、環境問題が懸念されている昨今、このままでは経営の継続が危ぶまれるとの自覚もあるのでしょう。実際に、何万人もの受講者が講演会に足を運んでくださっているのです。

中島 価値を見出されている方が大勢いらっしゃることの表れですね。ただ、なぜ工務店さんを相手に?

宇梶 工務店さんこそ、フォローすべきだからです。ハウスメーカーさんなど大手の場合は自社の技術でそうした住宅を形にできますが、小規模な工務店となるとそうはいきませんから。その点をしっかりとカバーしてこそ、全体的な底上げが図れますし、このプロジェクトに確かな価値が生まれると思うのです。

中島 そうした大がかりなプロジェクトに携わった経験は、今に大いに生きているのでは?

宇梶 そのプロジェクトでの実績が評価されてか、電力会社やハウスメーカー、家電メーカーなど、多方面から依頼が舞い込むようになりました。それでも当社は私を含めて8名という少数体制ですが、精鋭が揃っているので心強く思っています。30~50代までがバランス良く揃っており、それぞれが自らの役割をしっかりと理解して、確実に仕事を進めてくれているのです。とても頼もしい存在だと言えますね。

中島 類は友を呼ぶと言いますし、意義深い事業をされている社長だからこそ、優秀なスタッフの方が自然と集まってくるのでしょうね。最後に、今後に向けての抱負をお願いします。

宇梶 当社はこれまで専門性の高い非常にコアな部分を担ってきました。例えるなら、「敷居の高い銀座のお寿司屋さん」。「腕の良い職人と、上質なネタが揃っている」というのを特長としてきたのです。ただこれからは、もっと間口を広げ、これまでよりも幅広い層の方を対象としたビジネスも展開し、従来とは違ったフィールドでこれまで培ったスキルを生かしていければと考えています。

中島 今後にも期待しています!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「これまで培ったスキルを生かすべく、従来とは違ったフィールドにも視線を向けていきたい」
(代表取締役社長 宇梶 正明)

時代が求める存在

今まさに、我々が直面している深刻な問題──地球温暖化。産業革命以降、化石燃料が大量消費され、大気中のCO2濃度は急激に高まったと言われている。一刻も早く手を打たなければ取り返しのつかないことになる──そうした危機感が全世界を脅かしており、あらゆる策が講じられている。こうした気運が高まりを見せたのは、つい最近のこと。ところが、『アーキテック・コンサルティング』の宇梶社長は、学生時代すでに建築の省エネルギーについて興味を持ち始めていたという。現在57歳だから、今から35年ほど前のことだ。まだ、“省エネ”という言葉すらあまり馴染みのなかった時代。当時からそこに可能性を見出していたということは、先見の明があったからに他ならない。そして、社会へ出ると実務として直接携わるようになり、独立するとすぐに省エネと大きく関わりのある自立循環型住宅を推し進めるプロジェクトに参画。また独自に「コーポレートビジョン」を掲げ、その中で「環境調和テクノロジーを通して安全・安心・快適な社会の実現に貢献する」と謳い、実践してきた。時代が社長に追いついた今、社長自身が貴重な存在だと言えよう。地球がより良い未来を迎えるために、これから大いに力を揮ってもらいたい。

対談を終えて

「日本は今年、東日本大震災の影響により節電が強いられる年でした。また、近年は地球温暖化が深刻な問題となっていますし、これからさらに環境負荷軽減への気運は高まっていくことだと思います。『アーキテック・コンサルティング』さんが専心してきた事業と密接に関わる分野ですし、これまで培ってきた知恵やノウハウがより一層求められることになりそうですね。これからはもっと多方面に間口を広げていかれるとのことですし、ご活躍を期待せずにはいられませんね!」(中島 史恵さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 アーキテック・コンサルティング

住  所

東京都台東区台東1-3-5 反町ビルディング8F

代表者名

代表取締役社長 宇梶 正明

U R L

http://www.archi-tec.jp/

掲載誌

ザ・ヒューマン  2011年10月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。