2023年02月13日更新
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(株)洋/マザー薬局 幟町店 対談取材記事

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信頼できるスタッフたちと共に
人とのつながりを大事にする薬局を目指し
女性の活躍推進、地域医療への貢献にも力を尽くす

株式会社 洋
マザー薬局 幟町店

代表取締役 岩田 洋子

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─略歴

「もし悩むようなことがあっても、見方と捉え方を変えれば前向きになれます」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

物腰柔らかで淑やかな才女のような雰囲気をまとう岩田社長だが、話を伺うと、その人柄は「豪放磊落」という男性的な形容が相応しいことに気付く。

実際によく、「男性っぽい」と言われるという社長は、自身についてこう話す。

「もともと楽観的で、何があってもくじけず、めげず、悩まないんです。もし悩むようなことがあっても、あまり苦にならないんですよ」。

悩みの種があっても、それを多角的に見て、捉え方を変え、前向きに考える──。

「人との巡り合わせで機会を得て独立できた」と、周囲への感謝を述べていた社長。その運命を手繰り寄せられたのは、前向きに邁進する人柄にあったに違いない。


【足跡】 広島県出身。大学では薬学部に在籍し、薬剤師としての素地を得る。卒業後は大手食品メーカー『フジッコ』に就職し、研究者として食品の保存方法など食品関連の幅広い研究に勤しむ。結婚を機に退職し、一時家庭に入った後、薬剤師としてのキャリアをスタート。縁あって『マザー薬局』で働くようになり、運営会社のM&Aに際して、同薬局を買い取るかたちで独立した。


地域のかかりつけ薬局として人々の健康を支える『マザー薬局』では、地域医療を担う一助として、岩田社長をはじめスタッフ一同が、患者への誠心誠意の対応を徹底している。本日は、そんな社長のもとを黒田アーサー氏が訪ね、その歩みや医療者としての思い、“人”を大事にする経営観などに迫った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─対談

──まずは、岩田社長の歩みから伺います。

大学は薬学部だったのですが、『フジッコ』という大手食品メーカーに入り、研究者として最適な食品の保存方法など食品に関する様々なことを研究していました。また、私が入社したころは今ほど大きくなかったので、そちらでは接客やクレーム対応など研究者として関わる機会がそれほど多くない業務にも携わり、社会人として良い経験をさせていただきました。それから結婚を機に退職。子どもがある程度大きくなってきたこともあり、調剤薬局で働くようになったんです。その後も色々な薬局で働き、見聞を広めていきました。そうして様々な経験と知識を積んでいく中で、この『マザー薬局』を運営していた会社と出会ったのです。この出会いが私にとっての転機になりました。

──こちらの薬局は社長が立ち上げられたわけではなかったのですね。

はい。私の大学の先輩が運営会社を経営しており、地元・広島に戻ってきた際ひょんなことからそのことを知ったんです。そして先輩とお話をさせていただく中で、経営理念が私の理想としている薬局にぴったりというくらいに近かったんですよ。「母なる心で患者様に接する」「小さくてもエクセレントを目指す」「薬剤師である前に人であれ」という三本柱でした。当時、とにかく共感しまして、働かせていただくように。そちらは薬局を6店舗運営しており、今後も発展していく勢いだったのですが、第一線から身を引かれることを決められた先輩は、M&Aという形で信頼できる企業に託すことにされたんです。そして私は、それを期に6店舗ある中の1店舗を買い取らせていただくことに。ありがたいことに、ずっと共にお仕事をしてきたドクターからも後押ししていただき、他のスタッフも残って下さったんです。もともと『マザー薬局』の理念に共感して働いていた人たちですし、相互理解も充分深まっていたので安心して始められました。リスタートしたのが今年の元旦ですね。

──新たな船出から約半年。今後どのような薬局・会社を目指しておられますか。

人と人とのつながりを大事にする薬局を目指していきたいと思っています。これはどの業界や仕事でも同じことかもしれませんが、人間関係をしっかり構築しないと、相手は心を開いてくれませんよね。薬局というのは仕事の性格上、患者様の健康に関することですから、なおさらです。スタッフ一同、一人ひとりの患者様に真摯に向き合って、信頼関係の構築に努めて参りたいと思います。また、会社としては患者様はもちろん、スタッフの皆も支えられるような会社にしていきたいと考えています。私は子育てをしながら仕事をしていた時期もあるので、その大変さをよく知っており、女性が働きやすく、復職もしやすい環境を整えていければと思っているのです。その一環として託児所の運営も考えています。それに、今の日本には薬剤師免許を持っていながら勤めていない潜在薬剤師が実は多い。フレキシブルに対応できる企業体制を備えれば、そうした方にも働いてもらえるようになるでしょう。加えて、ストレスフリーな職場環境だと働いている側に精神的ゆとりが生まれるため、今以上に自然と患者様に人として優しい気持ちで接することができるようにもなるはずです。

──先ほどお話しされていた「母なる心で患者様に接する」「薬剤師である前に人であれ」という部分ですね。経営者として歩み出されて、今の心境はいかがですか。

資金繰りや色々な雑務処理に加えて、スタッフの健康面・精神面のフォロー、そのご家族への気配りなどをしっかりしなくてはいけませんので、思っていた以上にハードだと感じています。しかし、それ以上にやり甲斐を得ているので、「もっと頑張っていかなくては」という意識で日々過ごしております。ただ、私はもともと楽観的なところもあるので、どんなことがあってもくじけず、めげず、悩まないんです。細かい作業や数字にも強いので、不安などはあまり感じてはいません。もし悩むようなことがあっても、発想の転換とでも言うのでしょうか、前向きに捉えることができるので、悩みが苦になることもなく、周囲からはよく「男性っぽいね」と言われることもあるんですよ。

──社長は責任感も、芯も強い気丈な女性ですね。また、お話からはスタッフさんを非常に大切にされていることが窺えましたが、普段どのように接しておられますか。

一緒に食事に行ったり、気になったことがあれば、メールなどで私の気持ちを伝えたりしています。可能な限り、皆のことをよく見て「元気がないかも」と感じれば、ちょっと声を掛けるといったことをしていますね。それと、皆が気兼ねなく話しかけやすい雰囲気作りも心がけています。特に、新しく働くことになった人など、皆とすぐに馴染めるよう気配りを意識しています。

──では最後に、今後のビジョンについて。

先ほど申した薬局・会社作りを念頭に、基盤をしっかり築いていきたいと思います。将来的には医療モール設立の構想がありまして、薬局を増やし、託児所も作り、女性の雇用創出も促進することで、より広い地域の皆様に、医療分野に留まらず貢献していければと考えています。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「患者様のために誠心誠意励んでくれる薬剤師や同志を募っております」
(代表取締役 岩田 洋子)

「患者第一」の姿勢で日々の仕事に精励

▼現在、政府は「かかりつけ薬剤師を持とう」という方針を打ち出している。ただ、その指針にはこれまで無償だった、患者からの相談や薬歴管理などを有償にするという内容が含まれているという。そのことに関して、「それはお金をいただかなくとも、やるべきことだと考えています」と岩田社長は語り、今後も無償で前述のサービスを行っていく構えだ。そこには、社長の「患者第一」の信念がある。「患者様に感謝していただき、対応に満足して帰っていただいた時に、強いやり甲斐を感じられます」と社長。そして、社長の言葉や想いに共鳴する人材が、『マザー薬局』には揃っている。奉仕の心で歩み続ける社長たちの姿に、人々の健康や安心を支える医療従事者としての誇りを感じた。

対談を終えて

「患者さんの中には『岩田さんいますか』と岩田社長を指名される人もいるとか。『この薬剤師さんで良かった』と言ってもらえた時に、薬剤師としてのやり甲斐を感じるという社長。きっと、篤実な社長の人柄と丁寧な対応に、患者さんは自然と心を開くのでしょうね」(黒田 アーサーさん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 洋
マザー薬局 幟町店

住  所

広島県広島市中区幟町10-11

代表者名

代表取締役 岩田 洋子

掲載誌

月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2017年6月号(発行:現代画報社

本記事の内容は、現代画報社の月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。