2023年02月13日更新
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IPDロジスティクス(株) 対談取材記事

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物流業界で縦横に活躍してきた
長年の経験を活かして独立を果たし
基盤を固めてさらなる躍進を期す

IPDロジスティクス 株式会社

代表取締役 岩下 貴

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─略歴

「“商売とは経験を売ること”── その言葉が歩む指針になりました」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

車好きが高じて、かつては整備士として研鑽を積んでいたという岩下社長。

物流業界に転身してからは、要職を担い、自社の物流の新たな仕組み作りにも尽力してきた。そして巡ってきた独立へのタイミング。

社長が選んだのは、好きなことではなく、経験に長じた分野だった。

「ある時、『商売は経験を売ること』という言葉を知りました。それが不思議と腑に落ちて、物流業界での独立を決意したのです」と社長。

今では「物流の仕事こそが天職」だと語り、前を向いて走り続ける日々だ。


【足跡】 地元出身。中学時代は部活動の剣道、高校時代はアルバイトに没頭。学業修了後は自動車の整備士として就職し、4年間勤務する。その後は物流会社に転職し、20年間にわたって活躍。営業責任者も務めた。2005年に『岩下物流』を設立。2012年に『IPDロジスティクス』に社名を変更し、現在に至る。


20年間にわたって物流業界で活躍してきた経験を活かし、2005年に『IPDロジスティクス』を設立した岩下社長。現在は長野県東御市に本社を置き、同市内と神奈川県横浜市に営業所を構える企業へと成長させた。本日は女優の島田陽子さんが同社を訪問し、社長にインタビューを行った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─対談

──まずはお仕事のお話に入る前に、岩下社長が歩んでこられた道程からお聞かせいただけますか。

長野の出身で、中学生時代は剣道部に所属していました。父は学生時代に野球をしていて、親戚には元プロ野球選手がいるのですが、田舎の学校なので部活動が少なくて。それで私は何となく剣道をはじめたんですよ。高校時代は部活動はせず、アルバイトに精を出していて、そのころに働くことの何たるかを学んだように思います。

──学業を終えられて、最初に就かれたお仕事は?

子どものころから車が好きだったので、車の整備士として働きはじめました。今から30年以上前のことですが、当時の整備士の給料は非常に安くて、1カ月10万円にも満たないぐらいだったんです。整備士とはいえ見習いみたいなものでしたから、技術を教わりながらお給料をいただけるだけでありがたいとも思うのですが、営業職だと自分の3倍ほどの給料をもらえるので、羨ましく思っていましたね。

──そちらでは何年ぐらいお勤めをされたのでしょう。

4年です。実家が裕福ではなく、父が借金を背負っていた中である日脳梗塞で倒れてしまって。父はとても働ける状況でなく、生活はより厳しい状況に。そうした背景から整備士を辞め、物流会社に転職しました。

──そのほうがお給料が良かったということですね。

ええ。まだバブルの前でしたが、それまでの給料の3倍ぐらいはいただけるようになりましたね。もちろん、それだけ仕事内容はハードでしたが、バブルに入ってからは一層景気が良くなり本当に忙しい毎日でした。今ほど労働に対する制約がない時代でもありましたから、休みもほとんどなく働き詰めでしたね。新しく買った靴が、1カ月ももたないぐらいだったんですよ。

──お身体は大丈夫でしたか。

まだ若かったこともあり、何とか乗り越えることができました。その会社では20年ほど勤務し、退社する前は店の営業責任者として大手企業の物流を任され、アレンジするような役割に就いていたんです。

──それだけの立場でしたら、簡単に退社できなかったでしょう。

そうですね。ある時、北陸への転勤の辞令が出ましてね。一旦転勤になると、その後は転々となることは分かっていましたし、寝たきりの父もいたので地元を離れることは難しい。それでやむを得ず退社という道を選びました。

──その後はどうされたのでしょう。

元々整備士でしたし、好きな仕事だったので整備の分野で独立しようかと思っていました。けれどもある時、雑誌だったかテレビだったか忘れましたが、「商売は経験を売る」という言葉に触れたんですね。私は整備にも携わっていましたが、やはり経験として豊富なのは圧倒的に物流の分野です。それで、自分で商売をするなら整備ではなく物流のほうが良いと判断し、軽トラックを1台購入してこの事業をスタートしたんですよ。

──かねてから、独立したいというお気持ちはあったのでしょうか。

それは全くありませんでした。自分はそういう器ではないと思っていましたし、絶対に無理だと思っていましたからね。会社を辞めて他所に勤めることもできたのでしょうけれど、当時はあまり深く考えることもなく、やってみようという感じでした。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

──最初はどのようなお仕事からはじめられたのですか。

勤めていた会社の下請けで、宅配をはじめました。その時も独立したいという大それた気持ちはなく、それぐらいなら自分にもできるだろうから、「とりあえず」という感覚だったんですよ。そのうち忙しくなって人を4~5人使うようになったのですが、燃料費や人件費を考えれば利益を出すことが難しくなってしまって。とはいえ他にできる仕事はないし、どうしようかと悩んでいた時に、前職でお付き合いのあった地元の企業さんに引っ張ってもらったんです。そこから宅配を続けながら倉庫業などもスタートし、徐々に事業規模を拡大してくることができました。

──お勤めだった会社を離れられてもなお、そうしたお声がかかるというのは、人対人のお付き合いを大切にしてこられたという証拠ですね。

それもありますが、元々その会社の物流の仕組みをつくったのが私だったんです。そこからずっと担当させてもらっていたのですが、退社する時に後任に交替しましてね。その後、どうもうまくいかなくなったようなんです。

──では先方も困っていらしたのですね。

ええ。それで自分で考えてベストなかたちをつくり、工場の中の梱包の部署も任していただけるようになりました。その後、輸送部門を全て任せていただけるようになったのです。色々なことがタイミング良く、人にも運にも恵まれたと思いますね。

──今後はどのような展望をお持ちでいらっしゃいますか。

これからは物流分野で、海外展開も考えています。そのとっかかりとして東御市とのコラボで、地元の農産物や六次産品の輸出を手掛ける予定なんですよ。それを機に商社的なことにも着手すべく、ノウハウを蓄積していきたいと思ってます。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲取締役 総務部部長の岩下美代子さんを交え、ゲストインタビュアーの島田陽子さんと記念撮影

物流にかかわる幅広い業務を展開

▼「グローバルに考え、ローカルに行動すること」をモットーに日本国内における物流サービスと、海外での物流コーディネートを提供している『IPDロジスティクス』。国内物流においては3PL(Third-Party Logistics)の導入で効率化とコストダウンが実現できる提案を行っている。またコンビニATMや食品ショーケースなど設備設置や撤去、精密機器の搬出入、在庫管理や物流加工、派遣・請負サービスなど幅広い業務でお客様の物流をサポート。海外物流では輸送手段の選定から物流網のコーディネート、梱包方法の提案、通関書類の作成までトータルな業務を担っている他、海外物流の視察に同行したり、現地フォワーダーとの事前交渉、税関への事前確認にも対応している。

▼さらに環境や安全への取り組みにも力を入れており、2014年にはISO14001認証を取得。省エネ、エコドライブも徹底している。安全については安全方針の掲示や講習会・研究会の開催、情報交換を実施。日々の安全運転と事故ゼロの記録が信頼の源だ。

対談を終えて

「岩下社長が『偶然耳にした“商売は経験を売る”というお言葉がなければ、今ごろは他の仕事をしていたかも知れません』とおっしゃっていた岩下社長。耳にされたのはたまたまだったのかも分かりませんが、いきいきと物流のお仕事をされている社長のお姿を拝見すると、偶然ではなく必然だったようにも思えますね。今後は商社的な業務も展開されるそうで、益々のご発展が楽しみです!」(島田 陽子さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』(発行:現代画報社)特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

IPDロジスティクス 株式会社

住  所

長野県東御市加沢88-12

代表者名

代表取締役 岩下 貴

U R L

http://www.ipd-logistics.co.jp

掲載誌

月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2017年6月号(発行:現代画報社

本記事の内容は、現代画報社の月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。