2018年12月13日更新
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(株)AGSファクトリー 対談取材記事

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高効率な「ロボット牛舎」を導入!
先進的な酪農業で躍進を期す

株式会社 AGSファクトリー

取締役会長 佐久間 三男
代表取締役 佐久間 一樹

【異業種ネット】月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』(発行:国際通信社)特別取材企画 掲載記事─略歴

「失敗を恐れず挑戦し、道を切り拓きたい。
それが酪農業界の未来につながると信じています」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』(発行:国際通信社)特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

先端機器やシステムの導入、そして地域の連携力強化によって、高収益型の畜産業を確立すべく、政府が推し進めている「畜産クラスター関連事業」。その波を受け、全国の畜産農家に変化の兆しが見られつつある。北海道・標茶町で長く酪農業を営む『AGSファクトリー』も、そのうちの1社だ。同社は地域に先駆けて、今年3月末に「ロボット牛舎」を導入し、注目を集めている。

「苦労しながら酪農業を開拓してきた両親のように、私も道を切り拓いていきたい」──

そう語る佐久間三男会長は、ご子息・一樹社長と共に、さらなる大きな目標も掲げる。そんな攻めの姿勢が、今後外国との競争に晒されるであろう、日本の酪農業界を支えていく。


北海道・標茶町にて、長く酪農業を手掛けてきた『AGSファクトリー』。今年3月には、地域に先駆けて「ロボット牛舎」の稼働を実現するなど、先進的な取り組みも積極的に導入し、効率的な酪農業の確立に力を注いでいる。本日は、そんな同社をタレントの布川敏和氏が訪問。佐久間三男会長・一樹社長親子に、様々なお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』(発行:国際通信社)特別取材企画 掲載記事─対談

外国に負けない酪農業を目指し
ロボット牛舎の導入に踏み切る

──早速ですが、『AGSファクトリー』さんの沿革から伺います。

(三) 元々は福島県の出身なのですが、私が3歳の時に家族で北海道へと移ってきましてね。当時は食べ物にも困る戦後の時代でしたから、まずは地域の農家さんに教わりながら、馬鈴薯の栽培を始めました。重機も当然なく、畑を作るのも手作業でしたから、両親はとても苦労したようですね。その後、酪農業に転身し、私自身は高校卒業後、家業を手伝うようになりました。そして今では、約150頭の牛を飼育するようになっています。

──現在、御社では先進的な酪農業の実現を目指されているそうですね。

(三) ええ。近年、日本政府は外国との競争にも打ち勝てる酪農業の確立を目指しています。しかし、これまでのような家族経営では、対応することなど到底できません。そこで2014年、私は家業を法人化して『AGSファクトリー』を設立。それを気に酪農業の近代化を進め、この3月末にはロボット牛舎を2台稼働するのですよ。既に他地域ではロボット牛舎を導入している酪農家さんもおられますが、この地域においては当社が初の試みとなります。

──地域の酪農業界における先駆者でいらっしゃるわけだ! 初めての挑戦ということで、大変な部分もあったのでは?

(三) そうですね。やはり前例がありませんので、地域の農協さんからOKが出るまでに3年は掛かりました。それに最先端機器ですから、2台揃えるのに3,000万円ほどの投資も必要でしたね。しかし、それだけの価値はあると思っています。

──やはりロボット牛舎の導入は、大きな効率化につながるのでしょうね。

(三) ええ。また、手作業で搾る従来のやり方では、従業員一人ひとりの負担が大きく、仮に1人が辞めてしまった場合、どうにも回らなくなってしまいます。昨今は酪農業界の人手不足が深刻ですし、特に若い人が長続きしないケースは少なくありませんから、従業員に依存しない酪農業の確立は大きな価値がある。その点、ロボット牛舎ならコンピュータで搾乳を管理できますから、従業員の負担を軽減でき、人員減にも対応できるようになります。

酪農家としての挑戦を続け
日本の一次産業を支えたい

──現在はご子息が社長職に就かれています。一樹社長はいつごろ、家業に入られたのですか。

(一) 学業修了後から農機メーカーに10年勤め、その後に家業へと入りました。それからもう7年が経ちますね。法人化と共に現職に就任しましたが、まだまだ勉強中の身です。

(三) 息子には常日頃から「一人前になるのに10年は掛かる」と言っています。ただ、今はまだ全てを任せることまではできませんが、今後は息子、そして相棒となる従業員が中心となって、互いに相談しながら会社を盛り上げていってくれればと考えています。息子だからではなく、やりたい人に任せる。それが今後の一次産業であり、酪農業だと私は思います。家族経営では日本の一次産業を維持することはできませんし、一次産業が衰退して輸入に頼ることになれば、国益を大きく損なってしまう。だからこそ、意欲のある次の世代の人たちが力を合わせ、事業を続けていってくれればと思いますし、そのための土台作りが私の役目です。

──おっしゃる通りだと思います。意欲なくして、良い仕事は実現できません。

(三) 幸い、ロボット牛舎の導入を機に、地域の若い人たちからも「こちらで働きたい」という声が聞こえるようになってきましてね。当社が人集めをするのではなく、自ずと人が集まってきてくれるようになっている。それは酪農業界においてとても大切なことですし、ロボット牛舎導入の一つのメリットだと思います。

──若い人材が集まれば、今後のさらなる発展が期待できるでしょうね! では最後に、お二人の今後の展望を。

(一) 今は牛舎に対し、牛の頭数が足りていません。ですので、まずは牛舎を満床にすることが第一ですね。そこからは経営状況を見ながら、さらに牛舎の増築を進めていければと考えています。

(三) 私は、両親が苦労しながら酪農業を開拓してきた姿を見ています。ですから、私も失敗を恐れるのではなく、とにかくチャレンジして、道を切り拓いていきたい。せっかくシステマチックな酪農を目指すなら、できるところまで挑戦したいと思っています。ですから、まずはロボット牛舎を成功させ、最終的には糞尿を活かしたバイオガス発電まで実現できれば嬉しいですね。あくまで息子や従業員のバックアップという形で、共に成功を目指していきたいです。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』(発行:国際通信社)特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

佐久間会長のお母様を交えて記念撮影

Column

ロボット牛舎とは、既存の手作業による搾乳ではなく、搾乳ロボットによって自動的に搾乳を行う牛舎のこと。その導入により、労力の削減、生産力と労働効率の向上が期待されるという。

そんなロボット牛舎の導入は、佐久間会長の長年の悲願でもあった。ロボット牛舎は既に以前から存在しており、会長はその技術にいち早く目を付けていた。しかし、実際に導入している各地の牧場を見て回る中で、ロボットの不具合の多さ、ロボットを扱う技術屋の不足など、大きな課題があることを痛感し、導入を見送ったという。

そして今回、遂に導入へと踏み切ったのは、かつて存在した課題が大幅に改善されたから。また、政府が「畜産クラスター関連事業」として、ロボット牛舎導入を推進する動きを見せていることも、導入への大きな後押しとなった。

かくして、ロボット牛舎導入の悲願を果たした会長。その先見の明、そして挑戦を恐れない攻めの姿勢で、今後も地域の酪農業界をリードしてくれるに違いない。

対談を終えて

「先見の明を持ち、周囲に先駆けた挑戦を続けておられる佐久間三男会長。その根幹には、『日本の酪農業、一次産業を守りたい』という強い想いをお持ちでした。そして、そんな会長の想いは、ご子息である一樹社長にもしっかりと受け継がれているように感じましたね。日本の未来を見据え、酪農業に力を尽くす。そんなお二人の姿勢に、大いに感銘を受けました!」(布川 敏和さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』(発行:国際通信社)特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 AGSファクトリー

住  所

北海道川上郡標茶町字オソツベツ540-3

代表者名

取締役会長 佐久間 三男
代表取締役 佐久間 一樹

掲載誌

月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』 2017年6月号(発行:国際通信社

本記事の内容は、国際通信社の月刊経営情報誌『マスターズ(MASTERS)』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。