2024年09月03日更新
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SK SERVICE(株) 対談取材記事

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きめ細かなサービスを徹底し
家電配送でノークレームを目指す

SK SERVICE 株式会社

代表取締役 江藤 一貴
専務取締役 谷口 昇平

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

一般的にクレームが多いと言われる家電の配送業界。その中で、ノークレームを目指して立ち上げられた会社がある。大手家電量販店の元社員、江藤社長と谷口専務が率いる『SK SERVICE』だ。かつて店頭で売る側だったからこそ、顧客の求めるサービスの質の高さを熟知している2人。完璧な配送サービスを行い、さらなる付加価値をどうつけていくのか。竹原慎二氏がお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

竹原 御社では家電をエンドユーザーの自宅に配送する業務を手掛けておられるとか。まずは、お二人がこの仕事を始められたきっかけからお聞かせください。

江藤 私と谷口は、もともとある大手家電量販店の社員なんです。私がいた店に谷口が配属されてきたことから、4年ほど先輩、後輩として一緒に働きました。自分で言うのもなんですが、私は常にナンバーワンでないと気が済まないタイプ。売上も常に店で1番で、大きなやり甲斐を持って仕事をしていたんです。ところがそんな中で、谷口に突然「一緒に会社をやらないか」と声をかけられまして。驚きましたが、その時に改めて自分の人生をもう一度考える機会をもらったと感じたんです。このままサラリーマンでいれば苦労のない人生が送れるだろう。しかし、それでいいのか、と。

竹原 専務は昔から独立しようと?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

谷口 私は社会人2年目くらいから既にサラリーマン生活に違和感を感じていましたからね(笑)。ただ冷静に考えて、起業して事業を継続するにはリーダーシップと堅実さが不可欠。私にあるのは行動力だけでしたので、能力を補い合えるパートナーを探していたんです。江藤と同じ店で働くようになり、この人こそ私が求めていた人材ではないかと思うようになりました。群を抜く売上成績で部下を率いていたのはもちろん、江藤が担当していた部署はレイアウトをはじめ何もかもがきっちりしていて、仕事に対する真摯で誠実な姿勢が表れていましたから。ただ、江藤はもう14年も勤めていましたし、そろそろ役職も付こうかという時期でしたので、声をかけたものの、本当はダメ元だったんです。もっとも、起業すれば成功するに違いないという根拠のない自信がありましたから、かなり強気で誘いました。

竹原 凄腕の社長を専務が熱意で口説き落とした訳ですね。しかし、なぜ配送の仕事を選ばれたのでしょうか。

谷口 私たちは長く店頭で家電を売る立場だったんですが、当時はまだ配送員のサービス意識が低く、自宅へ搬入するという最後の最後でクレームになってしまうことが多かったんですね。それならば自分たちが配送する側に回ればいいじゃないか、と考えたわけです。どういった点がクレームにつながるかというのは既に分かっていましたから、事前に注意点を確認し、クレームゼロの配送を目指しました。

江藤 もともと店頭に立っていましたので、配送時に商品の仕様を説明できることも強みとなりましたね。

竹原 “ただ運ぶだけ”ではない、というのはアピールポイントになりますね。

江藤 まさにその通りで、当社が手掛けているのはトラックによる家電の配送ですから、業種で言えば運送業に分類されるんです。しかし、当社の配送員にいつも言っているのは、「サービスマンであれ」ということ。トラックに乗っているよりもお客様と接している時間の方が長いですから、接客業だと考えているんです。

谷口 ちなみに、階段やエレベーターでの搬入が難しいお宅であれば、ベランダからロープでつり上げる場合もあるんですが、そうした特殊な作業に対応できることも当社の強みの一つですね。そういう技術を持っている業者は少ないので、私たちに依頼をくださるんです。

竹原 ノークレームを目指して起業されたとのことでしたが、今はいかがですか。

江藤 当社としても常に細心の注意を払ってはいますが、残念ながらノークレームにはなりません。これは永遠の課題ですね。10軒のお宅に伺えば、10軒すべてが全く違うタイプのお客様ですから、場合によってはこちらが予想しなかったことがクレームになってしまうことがあるんです。しかし、私どもが誠実に応じることで最終的に納得してくださるお客様がほとんどですので、まずはお客様の苦情をしっかり受け止めて対応をさせていただいています。

谷口 クレームが発生した場合には、その場で解決せずに一旦会社へ持ち帰って対策を検討します。お客様のご要望を上回る対応をすればクレームから一転して「大満足」となる場合も多いですから、挽回できるまで頑張りますね。

竹原 問題が起こっても、それをプラスに変えてしまう。そんな姿勢があるからこそ、篤い信頼を獲得されているのでしょう。最後に、今後の目標をお聞かせください。

江藤 今後は運送業にこだわらず、質の高いサービスを主軸に様々な業種への挑戦を視野に入れていきたいと考えています。社名に「サービス」の言葉を入れたのもそのため。業種は問わず、お客様に喜んでいただき、またリピートしていただける、そんな会社として成長し、社会に貢献できるような企業を目指します。

谷口 常に攻めの姿勢を保ちたいですが、恒常的に急成長を目指すのには無理もあると思いますから、まずは我々が人間性を磨くことが基本。その結果として、当社の従業員だけでなく、若い子たちに、「頑張れば何でもできる」ことが伝えられる人間になれれば嬉しいです。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

COLUMN

▼性格のタイプが全く正反対だという江藤社長と谷口専務。だからこそ、と言うべきだろうか。2人はお互いの足りない部分を補い合い、息の合った業務で会社を成長に導いてきた。

▼石橋があっても容易には渡らない慎重派の社長に対して、石橋だろうが丸太橋だろうが、臆することなく渡ってしまう専務。現場に出る配送員を指揮し、皆をぐいぐい引っ張っていくのは行動派の専務の役割だ。若手からの信頼も篤く、場を盛り上げるムードメーカーでもある。一方の社長は、それを支える屋台骨。会社の顔として取引先と折衝し、経営基盤を着実に築いて堅調な歩みを進めている。

▼良い意味で“2個1”の2人。絶対の信頼をおく相棒の存在を頼りに、これからも躍進を続けていくだろう。

対談を終えて

「家電配送業をサービス業と捉えて気配りに満ちた業務を徹底される『SK SERVICE』さん。配送員の一人ひとりが、お客様のご自宅に上がる仕事であることを肝に銘じて、身だしなみや言葉遣いに至るまで細心の注意を払って仕事にあたるそうです。それが実現できたのも、お二人の高いプロ意識があればこそでしょうね」(竹原 慎二さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

SK SERVICE 株式会社

住  所

愛知県一宮市千秋町町屋字東鎌田1番2

代表者名

代表取締役 江藤 一貴

掲載誌

ザ・ヒューマン  2011年9月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。