住宅・水道工事に長けた人材の力を結集し
「頼んで良かった」と言われる仕事を積み重ねたい
埼玉県知事認可 建築士事務所(2)第10554号
埼玉県知事許可 建設業(般-24)第66419号
住宅建築や店舗のリニューアルの設計・施工、水道設備工事の設計・施工・修理を手掛ける『エムシステム』。「この仕事では、他所には負けられない」と意気込む少数精鋭企業だ。お客様の信頼に応える仕事振りで、順調に歩んでいる。本日は、そんな同社を渡嘉敷勝男氏が訪問。前川社長にお話を伺った。
──早速ですが、前川社長の歩みから。
父が水道設備関連の会社を経営しており、小さいころから将来は経営者にと育てられました。学生時代はラジコンなどの機械が大好きで、卒業後はレーサーか車屋さんになる、と豪語するようなやんちゃな若造でしたね(笑)。そんな中、諸事情から通信制高校に移ることになりまして。昼間に時間を持て余していたら、父が見かねて「現場に来い」、と。それで、日中は現場の職人さんたちのもとで雑用をこなし、夜は学校で勉強するという生活を送りました。
──早くから社会経験を積まれたのですね。ずっとお父様の会社で?
いいえ。住宅改修を手掛ける会社の営業職に就き、さらに当時の上司が大手リフォーム会社に引き抜かれたので、私も一緒に移りました。ところが、そちらが倒産の憂き目に遭いましてね。お客様から「この先どこに頼めばいいの?」「困った」という声を聞きまして、独立することにしたんです。まだ21歳でしたが、会社の倒産によってご迷惑をお掛けしたお客様のために自分が何かできればという一心でした。
──ご立派です。しかし、家業には入らなくて良かったのですか。
父は、家の仕事でなくてもいいから、「経営者になって一本立ちしろ」という考えだったようです。まだ21歳で、私は事務所を借りられるような資金もなかったですから、自宅の自室に電話を引いて、住宅建築の設計・施工・修理からスタートしました。しかしOBのお客様からいただく仕事だけでは生計を立てるのは難しく、夜はカラオケ店やガソリンスタンドでアルバイトをしながら、会社を育ててきました。業者さんや職人さんを揃えることにも、随分と苦心したんですよ。何せ、だいたいが私より年上でしょう。「お金はちゃんと払えるのか?」などと、若さ故になかなか信用されませんでした。ようやく安定したのは、3年ほどが経つころでしたね。横のつながりもでき、順調に成長していたのですが、そんな中で東日本大震災が起きたのです。
──状況は一変したでしょうね。
ええ。建築資材を調達できなくなり、業績はダウンしました。とはいえ、どこも厳しかったですし、こうして事業を続けられているのですから当社はまだ良かったのでしょう。今は少しずつ持ち直していて、スタッフが5名、協力会社を含めると20名弱で現場に入っています。お陰様で職人には恵まれ、どんな時もお客様の立場に立って動いてくれています。現場に入る際の身だしなみや挨拶、終わった後の清掃も徹底してくれていますね。また、この業界では珍しいのですが、女性スタッフもいるんですよ。宅地建物取引士の資格を持っており、外で仕事がしたいと当社に応募してきました。当初は心配したのですが、これが楽しそうに一生懸命に働いているんです。作業着も似合っていて、職人たちの手配や仕事の段取りをこなし、工事に入る前のご近所への挨拶などをしっかり担ってくれています。今後は宅地建物取引士の資格を活かせる場面をつくれたらいいですね。
──今後については、いかがですか。
独立したころから懇意にして下さっているお客様、元請様も多く、感謝しています。これから先も、「『エムシステム』があって良かった」と喜んでもらえるような仕事を続けます。少数精鋭ですが、この仕事しかできないメンバーですから(笑)、他所には負けられないという気持ちで頑張ります。
「勤務先の倒産を受けて、お客様のために起業するなんて、なかなかできることではありません。その行動力が素晴らしい。お客様から信頼されていることにも頷けます」(渡嘉敷 勝男さん・談)
名 称 |
エムシステム 株式会社 |
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住 所 |
埼玉県朝霞市仲町2-6-11 |
代表者名 |
代表取締役 前川 良雄 |
掲載誌 |
月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2016年9月号 |
本記事の内容は、月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。