温もりあるサービスを通し
たくさんの笑顔を咲かせたい
カフェ風デイサービス 花の家
(介護福祉士/心理カウンセラー)
2010年設立の『花の詩』。人が集まり、笑顔の“花”が咲くように、たくさんの人の声が“詩”になるように──そんな願いから、コミュニケーションに軸を据えたデイサービス事業を11年から展開している。愛らしい建物を舞台に、日々交わされる楽しげな日常。それが、多くの高齢者を支えているのだ。
吉沢 とってもおしゃれな雰囲気ですね。デイサービスというより、カフェのような空間です。
甲斐 もともと私自身がカフェ好きで、よく色んな場所に足を運んでいたんです。そんな中、お店で談笑する高齢者の方々を目にする機会がたくさんあったんですね。カフェというのは、年齢に関係なく、ゆったり寛げる空間。介護士として働きながら、自分のデイサービスを持ちたいという夢を追っていた私は、「いつかカフェの要素も採り入れたデイサービスが作れたらいいな」と思うようになりました。そうして、介護士となって約8年。理想を形にしたのが、この建物であり、空間だったんです。
吉沢 明るくて、開放的で、この場所で快適に過ごしてほしいという社長の温かな心配りが伝わってきます。
甲斐 ありがたいことにお客様もリラックスして過ごしてくださっています。実は介護士である川端は以前、建築関係の仕事に就いていまして。この施設を創るにあたっては、彼の協力も大きかったのです。
川端 壁に手すりをつけたり、靴の着脱のために玄関にイスを備え付けたりといった配慮はもちろんですが、「お客様の心が元気になるような建物にしたい」という社長の希望を最優先して設計しました。広いテラスを設けたり、一緒に料理ができるようなキッチンにしたりと、とにかく、いるだけで元気が出るような空間づくりに徹したんです。リハビリに力を入れる施設は多いですが、身体の健康を支える基本は、“心”のはず。まず気持ちから元気になっていただけるように努めました。
吉沢 気持ちから元気に、ですか。
甲斐 もちろん、そのためにはハード面だけでなくソフト面も充実していることが必須です。何より大切なのは、温もりあるふれあいや、やさしさの感じられる会話でしょう。私どもではお一人おひとりに、「今日は何をしましょう?」と語りかけて、それぞれに合ったプログラムをご用意します。時にはゆっくり時間をとってお話を伺うほか、触れることで安心感を得てもらうタクティールケアを行うことも。そうして、お客様としっかり向き合うことが一番大切だと思っています。また、カフェ風の雰囲気を楽しんでいただけるようワンプレートのお食事を用意したり、お茶の時間に力を入れたり。それに、“わんこスタッフ”の詩音もお客様の人気者なんですよ。
吉沢 ワンちゃんもいるのですか。楽しそうですね! お話も尽きませんが、最後に今後の目標をお聞かせください。
甲斐 これまでこの仕事に従事してきて、自分のサービスに完全に満足したことはないんです。常に色々な人と出会う中で、多岐にわたるニーズを知り、より良いサービスを模索してきました。これからも、“心に届くサービス”を目標に、お一人おひとりが求めるものをきめ細かく提供していければと思っています。付随する形で、高齢者が息抜きに足を運べるレストランの運営など、多方面にサービスを広げていければいいですね。頑張りたいと思います。
▲介護士の川端重成氏(後列右から2人目)にも対談に参加していただいた
「高齢者にかけてもらった『ありがとう』の言葉に感動し、高齢者福祉を生涯の仕事にすると決めたという甲斐社長。常に相手への思いやりを最優先に物事を考えておられる姿勢に、真摯な思いを感じました」(吉沢 京子さん・談)
名 称 |
株式会社 花の詩 |
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住 所 |
大阪府和泉市唐国町3-6-1 |
代表者名 |
代表取締役 甲斐 康代 |
U R L |
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掲載誌 |
ザ・ヒューマン 2011年8月号 |
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