2023年02月13日更新
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米石(株) 対談取材記事

名刺
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歴史的建造物を美しく再現し
より永く後世に残していく
石材のスペシャリスト集団

米石 株式会社

代表取締役 米倉 一成

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─略歴

「石は、一つひとつ性格が違います。だからこの仕事には完成形がないんですよ」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

「石は、一つひとつ性格が違う」と語る米倉社長。

採れた国や地方、地層によっての違いもある。

それ故に、その成分も吸水性も違う。

多種多様な石の修復技術を習得することは、非常に難しい。

そして石の多様性だけでなく、仕上がりを見る人の感性も多様。

誰が見ても美しい仕上がりはあるのか──そこにこの仕事の難しさがある。

そんな、石材を扱う仕事に10年以上従事してきた社長は、これからも、「完成形」のない仕事に挑み続ける。


【足跡】 熊本県出身。父親の仕事で各地を転々とし、小学校5年生の時から福岡県に住む。大学卒業後は熊本に移り、石材補修業を手掛ける親方のもとで3年間修業を積む。その後、24歳で独立し、『米石』を立ち上げた。そして昨年法人化を果たす。現在は人材育成に力を入れながら、国内外の様々な仕事に取り組み、精力的に活動中。


石材各種・コンクリート・タイルなどの洗浄・シミ抜き・コーティング・補修・修復・加工などを手掛ける『米石』。長年の経験と知識に裏付けされた技術で、石材それぞれの個性に合わせた丁寧な仕事を行い、顧客の信頼を集めている。本日はこの道でキャリアを積んだ米倉社長のもとを、村野武範氏が訪問し、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─対談

──まずは、『米石』さんの業務内容から教えていただけますか。何という業種になるのでしょうか。

「石材補修業」と言ったらいいのでしょうか。石材各種の補修・修復などを行っていて、オフィスビルや橋、歴史的建造物を手掛けています。石材の本来の美観を再現するだけでなく、経年劣化を防ぐための処置も行っているんですよ。現在当社のような仕事を専門で手掛けている会社は少なく、手が回らず断らなければいけないぐらい多くの依頼をいただいている状況です。昨年法人化も果たし、それからは仕事の規模も受注先も大きく変化しましたね。法人設立後に、発注先がゼネコン様・設計事務所様や施主様と、孫請け形態から変化して、より仕事の主旨を綿密に打ち合わせすることができるようになり、施工完了状況もよりお客様に喜んでいただけるようになりました。

──特に多いのはどのような現場ですか。

一般建築物の補修関係はもちろんのこと、最近では歴史的建造物の修復に力を入れていますので、その手の仕事も増えています。準文化財・有形文化財に近代遺産などです。つい最近では、広島県最古の土木遺産橋脚の終戦70周年記念事業「猿猴橋復元計画」の石材修復工事を担当させていただいており、最先端の洗浄方法・当社オリジナルの修復方法を採用していただき、お客様からも大変喜んでいただいております。その他、台湾・ベトナムなど海外からも引合いがあり、少しずつ依頼をいただいております。それから、イランにも出向く機会があり、歴史的建造物・遺跡やモスクの修復・保存などの情報収集を行ってきました。

──海外でも需要があるとは、多方面から必要とされているお仕事なのですね。専門技術が必要でしょう。その技術を習得するだけでも大変そうですね。

3年から5年である程度の技術は習得できると思います。ただ、覚えなければならないことが半端な量ではないんですね。その基本を応用して、しかも、基本的なやり方を教わったら、後はどう作業を進めるべきかを自分で考えなければなりません。洗浄作業一つ取っても、環境が違えば進め方が変わってくるんです。実地を通して訓練して、ケースごとに経験を重ねていくしかないんです。また、美的な部分を追求するには10年以上かかります。この仕事は主観的な部分が大きいので、完成形はないのです。私は10数年この仕事を続けていますが、まだまだ成長過程にあると思っているんですよ。

──いかにも職人といったお言葉ですね。中には難しい依頼もあるのでは?

ええ、ありますね。難しい案件は、その石材を最初に見て触った時点で大体わかります。その場合は、始めから「このぐらいまでしかできないかもしれません」と正直にお伝えし、やれるところまでやる、というスタンスで手掛けさせていただいているんですよ。

──石は1つとして同じものがないですし、その扱いは大変そうですね。

そうですね。石材の扱いに技術を要する原因は、石材に吸水性があることによります。石の吸水性や成分というのは、その石が採れた国や地方、地層によっても変わってきます。つまり、石は一つひとつ性格が違うので、たとえば、同石種に同材料を塗布しても、石材の仕上がり色が一枚一枚違ったり、材料の粘度変化による色調不良が起こるのです。石は、他の素材と比べても最も補修が難しいと言えるのではないでしょうか。

──それは、一人前になるには相当な鍛錬が必要ですね。人材育成にも時間がかかるのではないですか。

特殊な技術を要するので下請にも頼めませんし、職人のスキルを上げていかなければなりません。現在はかなりの量の依頼をお断りせざるを得ない状況なので、当社にとって人材育成は急務なのです。当社で働く職人は「こんなに重宝される職人の仕事はすごいと思う」と言ってくれています。そういう人材を増やし、より多くの依頼に応えられる体制を整えていきたいですね。また、当社には、営業マンはいないんです。職人一人ひとりが経営者のような意識で働き、その人間性や現場の仕上がりを認めてもらうことで、次の仕事につながっているのです。

──御社を必要としている建物はまだまだたくさんありますから、人材育成は一番の課題ということですね。最後に、今後の夢を教えていただけますか。

今のスタイルを貫き通していきたいです。そして圧倒的な仕上がりや経年変化での良好な結果を基に、必然的に声がかかるような存在になりたいですね。それと私を含め、社員各々が自発的に探求心を持ち続け、成長し続ける会社でありたいと思います。そして最終的には、石の文化の本場ヨーロッパへ進出したいですね!

──ヨーロッパ進出、応援しています! 本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「石材の医者」としての存在

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▼石材に関する様々なトラブルに対応している『米石』。その原因を正しく突き止め、経験と知識に裏付けされた技術で石材の美観を再生する同社は、今多方面から必要とされている。たとえば地元の新築物件や改修物件の工事中、石材にダメージを与えてしまった現場から、「助けちゃってん」(助けてくれ)という電話が連日のように掛かってくるという。それは顧客が同社を「石材の医者」として認知している証拠だと言えるだろう。また、同社が現在力を入れているのが文化財などの歴史的建造物の補修だ。日本庭園の灯籠や石橋の欄干、またアジアを中心に海外の歴史的建造物の補修も手掛け、なるべく本来の姿に近づけながら、今後も長く保存できるよう、経年劣化を防ぐ加工を行っている。石材の補修・修復を行う会社は数少なく、その中でも同社の技術力は抜群に高い。石材の補修・修復を丁寧に手掛け、その美しさと堅牢性を保つための努力を惜しまない姿勢は、まさに「石材の医者」と言えるだろう。

対談を終えて

「米倉社長のお話を伺って、石材の修復というのはとても専門的で難しいお仕事なのだと実感しました。そして、日本や世界の建造物をより安全に、美しい状態で後世に残すための重要なお仕事だと知りました。これからも人材育成に励み、その技術を継承して、多くの建物を手掛けていって下さい。私も陰ながら応援させていただきます!」(村野 武範さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

米石 株式会社

住  所

福岡県福津市西福間3-41-12福間電気ビル1F

代表者名

代表取締役 米倉 一成

U R L

http://www.yoneishi.com

掲載誌

月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』  2016年5月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。