基本を重んじる堅実なスタンスに徹し
あらゆる依頼に確かな仕事で応える
「私は、とても運が良いんです。その一つひとつに感謝しながら前進したい」
「私は、運が良いんです」と話した萩原社長。
ある経営者との出会いから建設業界に入って、独立を果たした。
太陽光発電関連事業も、他事業への参入を視野に情報のアンテナを張っていたことが奏功。
飲食店のオープンにしても、良い物件を紹介されて実現した。
これまでを振り返ると、要所要所においてキーパーソンとなる人物と出会い、導かれるようにして、幅広い事業を手掛ける今に至ったのだという。
「いつも、絶好のタイミングで巡り合わせがあった」と社長。
その運を引き寄せ、活かしてきたのは社長自身──それも社長の実力の一つだ。
【足跡】 群馬県出身。高校時代はボクシングに打ち込み、インターハイ出場経験も持つ。社会人となってからは、縁あって八ッ場ダムの建設を手掛ける土木会社に入社。後に、下請会社として独立して『萩原工業』を創業し、2008年に法人化を遂げ、現在に至る。
建設・建築・土木・解体工事の企画や設計、施工、請負、監理及びそれらのコンサルティング業務、不動産事業、太陽光発電関連事業など、実に幅広く事業を手掛ける『萩原工業』。技術力の高さと堅実な姿勢から口コミで評判が広まり、営業エリアを県外へと広げている。本日は、俳優の三ツ木清隆氏が萩原社長のもとを訪問。これまでの歩みなどを伺った。
──早速ですが、萩原社長の歩みから伺います。どういった経緯で建設業界に進まれたのでしょうか。
ここから1時間半ほどの場所に八ッ場ダムがあり、その建設を手掛けていた会社の社長を人から紹介されたことがきっかけでした。人手がいるとのことでお声がけいただき、未経験ながら現場に入ったところ、「向いているんじゃないか」と感じまして。建設機械の運転免許を取得しても難なく操ることができ、適性を見出しました。そして、すぐに独立して『萩原工業』を創業したんです。
──すぐにですか。未経験で業界に入られたのに思い切られましたね。
そちらの会社専属の下請会社として仕事を受けることができましたし、社長に引き続きご指導いただきながらノウハウを得ていきました。仕事に対してとても真面目な方で、自身にノルマを課したら終わるまで帰らない。そんな真っ直ぐな姿勢で、人にも厳しいけれど自分にはもっと厳しい方。私は社長のやり方を真似ることで、仕事への姿勢を学び、ノウハウを身につけていきました。あらゆる面でお手本だったんです。社長と巡り会えたからこそ、今の私があると言っても過言ではありません。
──身近に手本となる方がいたことは、幸運でしたね。下請ということですから、当初はダム関連の現場を?
はい。ただ、ダムが完成すれば仕事はなくなりますし、私としても幅広い業務を手掛けてみたくて、その旨を社長に伝えました。それで、ダム建設の現場に入る班とそれ以外の班をつくり、前橋市で太陽光発電関連の仕事を手掛ける機会を得たんです。太陽光発電システム設置の基礎工事や架台の設置などに携わるようになりまして、初めて扱うものでしたが、建設業務の素地があったので短い工期で綺麗に仕上げることができたんですね。それによって、紹介で仕事が入ってくるようになり、前橋市での仕事が忙しくなったため、ダム建設から手を引いて、こちらに本社を構えました。
──育てて下さった社長さんとしては、寂しくもあり、頼もしくもありといった感じでしょうね。
「頑張れよ」と言って下さっていまして、会社を発展させることで喜んでいただけるだろうと思います。社長の存在は非常に大きく、ここまで育てていただいたことを考えると、頭が上がりません。私が社長の歳になった時に、今度は私が後輩を育てて導ければ、と思いますね。
──『萩原工業』さんでは、先ほどの太陽光発電関連業務をメインに手掛けておられるのですか。
土木業全般、不動産関連、太陽光発電関連と幅広く手掛けています。土木業においては、道路、橋梁、擁壁、下水道など対象も多岐に亘りますね。不動産関連業務では売買、太陽光発電関連業務では企画や設計、太陽光発電システムの導入支援などを行っています。
──太陽光発電事業は特に、参入する会社が多いですから競争も激しいでしょうね。
簡単な仕事ではありませんが、参入しやすい分野だと思います。ただ、そうなると業者が乱立し、質にムラが出てしまうものなんですよね。中には、残念ながらいい加減な仕事をする業者もあります。太陽光発電システムも建造物ですから基礎工事が肝要でして、差が出るとすればそこでしょう。その点、当社は土木・建設工事を多く手掛けてきたことによる技術力がありますから、強靱な基礎をつくる自信がありますよ。それも修業時代からしっかり技術を叩き込まれたお陰です。
──基礎が弱ければ安全性も揺らぎますから、基礎工事を得意とされる御社には安心して依頼できますね。現場は、地元が多いのですか。
県内と県外が半々といったところでしょうか。今、一番遠い現場は北は宮城県、南は島根県です。私も打ち合わせに現場にと奔走しており、こうして会社にいることはほとんどありません。
──遠方からの依頼があるというのは、御社の仕事に対する評判が広まっている証拠ですね。
迅速で綺麗な施工を徹底していることが、奏功していると思います。こちらから営業をかけることはほとんどありませんが、口コミで広がり、お陰様で仕事に恵まれています。工期が短かったり、現場が急斜面だったりといった難易度の高い工事依頼も入ってきますが、そうした工事ほど当社は得意なんですね。同業他社が敬遠される工事も当社はお請けしますので、遠方からも依頼が舞い込むのかなと思います。現在、社員が12名、下請業者を合わせると50名以上もの人間が動いていますが、皆よくやってくれています。遠方の工事依頼も、現場へ飛んでくれる社員がいるから請けられるんです。経営者一人で会社は動かせません。ついて来てくれる者がいてこそ会社とは成り立つものですから、社員は同志だと思っています。
──今後については、いかがですか。
多角的に事業を展開していきたいと考えています。実は、すでに高崎市でイタリアンダイニングバーも経営しており、今後も業種の枠にとらわれず、異業種に挑戦していきたいですね。事業柱は多い方が時代や景況の波に対応できますから。社員の生活が双肩にかかっていますので、リスクマネージメントの観点からも常に先を読んで動いていきたいです。
──本日は、ありがとうございました。
勢いのある時ほど用心深く
「当社は、何でもやります」──萩原社長がそう話すように、『萩原工業』は実際に幅広い業務を請け負っている。そして、請けた仕事は必ず完遂させる、その使命感が原動力になっているのだという。さらに仕事を請け、会社を大きく成長させたいと考えているが、無闇に請けることはしない。経営者として会社を守っていくために、利益率とのバランスにも目を向け、堅実な会社経営に努めている。そうして会社を守るのは、社員を守るためであり、今日に至るまでに導いてくれた人たちの期待や信用に応えるためだ。「勝って兜の緒を締めよ」という諺の如く、社長は「勢いのある時ほど用心深くありたい」と話す。成長著しい『萩原工業』。社長は、今後も堅実経営で会社の成長と永続を目指す。
「お世話になった社長さんのもとでダム建設の現場に入ることになった時、『人を連れて来てくれ』と言われた萩原社長は、仲間5人を誘って向かわれました。そのうちの3人が、現在も『萩原工業』さんで共に働いておられるそう。それも、真面目で、牽引力のある社長のお人柄によるところが大きいと思います。仲間がずっとついて来てくれることは、本当に心強いことでしょう。今後も、皆さんで頑張って下さい」(三ツ木 清隆さん・談)
会社概要 |
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社名 |
萩原工業 株式会社 |
本社所在地 |
〒371-0847 群馬県前橋市大友町3-13-21 |
URL |
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設立 |
2008年11月28日 |
代表者 |
代表取締役 萩原 裕介 |
資本金 |
4,000万円 |
登録・許可 |
群馬県知事許可(特)第23086号(土木工事業) 群馬県知事許可(特)第23086号(電気工事業) |
売上高 |
17億3900万円(2015年10月期) |
事業内容 |
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建設・建築・土木・解体工事の企画・設計・施工・請負・監理及びそれらのコンサルティング業務 不動産の売買 前各号に附帯する一切の業務 太陽光発電の企画・設計 太陽光発電の導入支援 再生可能エネルギーの販売・エネルギーソリューション 施工及びそれらのコンサルティング業務 |
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施工実績 |
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設置場所:長野県 総発電量:1208.4kw 設置場所:茨城県 総発電量:1393.08kw 設置場所:福島県 総発電量:971.04kw 設置場所:栃木県 総発電量:1263.6kw 設置場所:千葉県 総発電量:316kw 設置場所:群馬県 総発電量:60.06kw 設置場所:群馬県 総発電量:63.18kw 設置場所:群馬県 総発電量:21.06kw |
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使用重機 |
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草刈機 スクリュー杭打機 パレットフォークペイローダー |
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掲載誌 |
月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2016年4月号 |
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