家づくりの主役はお客様──
“心から欲しいと思える我が家”を
一緒につくる工務店でありたい
安心工務店ネットワーク ロイヤルハウス佐世保店
「お客様だけでなく我々にとっても、唯一無二の一軒なのです」
多くの人にとって家づくりは人生において大きな出来事だが、「我々も、命懸けで家をつくっています」と山口社長は話す。
お客様も真剣なら、つくり手だって真剣なのだ。
目の前の一軒を仕上げるために、持てる技術で要望を形にし、織り込んでいく。
家づくりは一歩間違えれば、つくり手の自己満足で終わってしまいかねない。
社長はそれを良しとしないからこそ、「命懸け」なのだ。
お客様の住まいへの思いのかけらを拾い集め、余すことなく反映させる。
唯一無二の作品であるがごとく、一軒一軒に執念を燃やす。
【足跡】 長崎県佐世保市出身。20歳のころに、建材の配達業務に携わったことがきっかけとなり、大工の仕事に興味を抱く。そして、地元の工務店で4年間経験を積み、独立。ハウスメーカーの下請業務からスタートし、事業を軌道に乗せる。30歳のころよりお客様から直に注文を受け、住む人の要望にマッチした家づくりを追求し続けている。
安心工務店ネットワーク「ロイヤルハウス」に加盟し、地域密着型工務店として住宅・集合住宅・店舗・オフィスの建築やリフォームを手掛ける『トゥーホーム』。設計から施工、引き渡し後のアフターフォローまで一括して自社で行っている。同社の山口社長が大切にするのは、「お客様目線の家づくり」──本日は、俳優の小倉一郎氏が社長にお話を伺った。
──早速ですが、山口社長の歩みからお聞かせ下さい。
高校を卒業後、自分が進みたい道が定まらなくて職に就いていない時期があったんです。その時に、「手伝ってみないか」と声を掛けられた仕事が建材の配達業務でした。仕事を通じてある大工さんと知り合い、大工の仕事に魅了されましてね。もともと工作など手を動かす作業が好きだったこともあったのでしょう。大工さんに相談したところ、地元の工務店を紹介して下さって、そちらで修業できることになりました。
──人生、何がきっかけとなって、やりたいことに出会えるかは分からないものですね。修業後は?
そちらでは4年間修業させていただき、その間に建築士の資格を取得しました。そして、さらに経験を積むために別の会社に移るか迷ったのですが、思い切って一本立ちすることに決めたのです。最初は、大工仲間たちと個人事業主として、ハウスメーカーから下請して大工業を中心に仕事をスタートさせました。佐世保地区では中堅にあたるハウスメーカーさん数社から新築工事の仕事を請け負うことができ、幸先の良いスタートを切れましたね。でも、そのうちに物足りなさを感じるようになっていったのです。
──と言いますのは?
もちろん、新築工事に大工として携われるのはとても良い勉強になるのですが、メーカーから請け負う仕事はある程度型が決まっています。私はもともと、自分であれこれ考えながら「創作」することが好きなため、毎回同じような家をつくるのではなく、オリジナリティを突き詰めたくなったのでしょう。それで、少しずつお客様から直接に仕事を受けるようにシフトしていったところ、やはり面白くて。現在は、下請はしておらず、お客様から直接注文いただいて家づくりを行っています。
──お客様から直接要望を聞いた上での家づくりは、また違った面白みがあるのでしょうね。
はい。お客様の好みなどを伺った上でデザインや設計をして、現場にも出る──それが私は本当に楽しかったんです。お陰様で、そのうちに手が回らなくなって、会社を設立しました。私は社の代表としての仕事がありますから、今では現場に出ることは殆どありません。でも、デザインを考えて図面を引き、部屋の装飾を工場で製作したりと、まだまだ現役の職人ですよ。現場仕事に関わる経営者はあまりいませんが、私が育てた職人もおりますし、職人として負けないという気概はあります(笑)。
──大工上がりで、現場を知っていることは社長の強みでしょう。
そう思います。お客様の要望を聞いて、イメージを固めたら即現場に反映させることができますからね。たとえば、お客様の要望は尽きないものですが、その全てを盛り込むとどうにも収まりが悪いことがあるんですよ(笑)。ただ、多くの人にとって家の新築は一生に一度のことですから、単に「それはおかしいと思いますよ」とは言いたくないんです。要望を出来る限り汲み取りながら、いかにしてお客様の理想に近づけるか、探りながら家づくりを行っています。それは、大工として現場に立っていたからこそできることだと思いますね。現場の雰囲気で装飾を追加してみたりと、図面では表せない部分もあり、施工過程で思いついて変更することもあります。そうした時はサービスです。つい「とにかく任せて下さい」と言っては、見積もり度外視でやってしまうんですよ(笑)。ですが、「この過程」が後々、当社のカラーとして活きてくるんですね。
──楽しみながら取り組んだかどうかは、きっと仕上がりを左右するのでしょうね。そうして細部にわたってより良い家づくりを追求されていることが、さらなるお客様を引き寄せるのでしょう。御社は住宅建築一本で?
いいえ。店舗やオフィスの施工も手掛けています。店舗ですと、デザインの良し悪しが経営を左右すると言っても過言ではなく、お客様の要望もよりシビアですね。それは当然のことですから、住宅と同様にお客様の要望を汲み取りながら、店のコンセプトなども踏まえて、店舗に付加価値をつけられる建築を心がけています。
──それは、依頼する方としてはとても心強いですよ。
個人事業主の時代から数えると十数年、幾つもの家や店舗をつくってきました。それら過去の物件をご覧いただければ、当社のカラーが伝わると思います。
──お客様の要望に沿うことを大切にしておられるので、一軒一軒にオリジナリティが出ている証拠ですね。今後については、どのようにお考えでしょう。
私はもともと、「日々一歩一歩」を信条として、大きな目標を掲げずこつこつ歩むタイプです。「独立したら」と周りの人から言われ、バックアップを得られたから独立した。手狭になったから事務所を広げ、仕事に恵まれたことから法人化を遂げました。これまでを振り返ると、そうして自然な流れの中で少しずつ前に進んできたのです。ですから今後も、お客様一人ひとりを大切に、毎回、一軒一軒と真っ直ぐ向き合うことを第一としたい。その中で、会社を発展させていければと思います。
──本日は、ありがとうございました。
家づくりのコンセプト設定が肝
▼『トゥーホーム』の家づくりは、「お客様目線の家づくり」だ。同社では、お客様にまず自分たちの暮らしを見つめ直すことを勧めている。その中で、どんな家が欲しいのかを明確にしていき、ライフスタイルに配慮して家づくりのコンセプトをつくり上げるという。いくらつくり手が強い思いを持っていても、自己満足になってしまってはお客様に喜ばれる家はつくれない。家づくりの主役は、あくまでも住まう人。長く快適に住み続けられる家をつくるには、住まう人の本音や要望が何よりのヒントになるのだという。だから同社では、お客様の「せっかくなのだから」という尽きない要望も含め、その一つひとつに耳を傾け、家づくりのプロとして創意工夫を重ねる。つくり手と住まう人が一緒になってつくる家こそが、同社が求める家。奇抜さや派手さはなくても、住まう人が居心地良く、時間が経つほどに愛着が生まれる、そんな家を同社はつくり続けていく。
「随分前ですが、自身の家を建てた時のことを思い出しました。設計図にはなかったのですが、突然親方が『天井を高くしちゃおうか』とおっしゃって変更になったんです。それが、仕上がってみると本当に素敵で、その場その場でより良い家をつくろうと臨機応変に動いて下さったことに感謝しました。山口社長も、そんな家づくりをされている。これからもお客様を感動させる家を提供していかれることでしょう」(小倉 一郎さん・談)
名 称 |
株式会社 トゥーホーム |
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住 所 |
長崎県佐世保市天神3丁目2665-1 |
代表者名 |
代表取締役社長 山口 哲也 |
U R L |
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掲載誌 |
月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2015年11月号 |
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