他所にはない犬山の魅力を発掘し
多くの人に発信していきたい
【足跡】 犬山市出身。大学時代、新聞に掲載されていた当時の犬山市長の全国学力テストに対する考え方に興味を持ち、インターンシップを利用し市長のもとで学ぶ。25歳から犬山市議会議員を務め、今年4月に3期目の当選を果たす。若くして「言うことをハッキリ言う」姿勢が共感を呼んでおり、議会では市長と激論を交わすこともある。
25歳から犬山市議会議員として活動し、昨年4月には犬山城下町の和カフェ『本町茶寮』をオープンさせた久世代表理事。SNSをはじめとしたネットを活用したPRなど、その若さを武器に、時代に即した戦略で犬山の魅力を発信している。そんな代表理事のもとを竹原慎二氏が訪問。お話を伺った。
──こちらの『本町茶寮』さんは昨年の4月にオープンされたそうですね。どういった経緯でお店を始められたのですか。
私は犬山市議会議員を務めていて、地域活性化に向けて色々な提案をしてきました。しかし、議員になって2~3年経った時、税金、つまり人のお金で活動していたことに気付いたのです。それで、「自分のやりたいことは自分で稼いだお金でやろう」と思い、『本町茶寮』をオープンしました。おこがましいのですが、町おこしをする上で、私自身が地元の人のモデルになるような店を作って、口ではなく行動で示したいと思っているんですよ。当店では、地元の特産品などをアピールしながら、看板を見て立ち止まってもらえるようなキャッチーなメニューを考えています。冬は地元名産の犬山焼の器で味わう「抹茶ぜんざい」、夏は小鳥のような可愛い見た目と、粉雪のような食感の「ふわふわかき氷」が大人気ですよ。
──繁盛していらっしゃるようですが、どのようにお客様を呼んでいるのでしょう。
テレビ、観光協会のウェブサイト、電車の広告なども大事ですが、私はSNSなどのネット戦略を得意としています。今は何でもスマートフォンで調べられますから、それを踏まえた戦略が必要ですね。
──犬山市を盛り上げるには、どのような心構えが必要だと思われますか。
町の良さは地元の人間には分からないと思うのです。私も、以前は地域にお城があるのは当たり前だと思っていましたが、犬山城のような国宝のお城は滅多にないんですよね。また、この古い町並みや通りも、「こういう古い町だから若い人がいなくなるんだ」と言う人がいますが、他の地域から訪れた人にしてみれば、それがこの町の特色であり、魅力なのです。その町の特徴というのは、他の町を見ている人でないと比較できないんですよ。乱暴な言い方ですが、余所者の目線を取り入れつつ、地元の人がそれを理解しようとする心構えを持つことが、活性化のために必要だと思います。
──では最後に、今後の目標は?
犬山には国宝の犬山城があり、犬山成田山があり、白山平山の山頂に東之宮古墳があります。この古墳から発見された鏡は重要文化財で『京都国立博物館』で常設展示されているんですよ。民間の家にもたくさんの宝物がありますし、犬山は城主より町の人が力を持っていた面白い土地です。そういう他の地域にない価値や魅力を発掘し、たくさんの人に発信したいですね。
「この町並みも通りも、風情があってとても素晴らしいと思いました。代表理事が『以前は猫も通らないようなところだった』とおっしゃっていましたが、これからは若い力でたくさんの人を呼んでほしいですね」(竹原 慎二さん・談)
名 称 |
一般社団法人 わんだふる |
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住 所 |
愛知県犬山市犬山東古券673 |
代表者名 |
代表理事 久世 高裕 |
掲載誌 |
月刊経営情報誌『センチュリー(CENTURY)』 2015年10月号 |
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