2023年02月13日更新
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(株)エチエ農産 対談取材記事

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京丹後の豊穣な大地から生まれる
上質・安全な珠玉の農作物

株式会社 エチエ農産

代表取締役 越江 雅夫

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

【足跡】 京都府出身。農家を営む両親の下で生を授かる。学業修了後は家業を手伝いながら農協に勤め、その後おじが営む製材所で仕事に邁進。兼業農家として経験を積み、1994年から専業農家の道を歩む。卓抜した手腕と洗練された経営観で、丹後地方の農業を支えている。


有機栽培にこだわり、安全・安心な農作物を人々に届けている『エチエ農産』。同社が作る京都丹後産コシヒカリは、日本穀物検定協会が主催する米の食味ランキングで、最高の評価となる「特A」を3年連続で受賞。誰もが認める美味しい農作物を育てる越江社長に、穂積隆信氏がお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

穂積 早速ですが、越江社長の歩みから伺います。

越江 生まれも育ちもここ京都府で、兼業農家として農業に勤しむ両親の背中を見て育ちました。高校卒業後に農協に就職しまして、そちらで約5年間勤務。その後、おじが経営する製材所の人手が足りなかったことから、しばらくそちらで働いていたんですよ。とは言え、私も両親と同じく兼業農家としてずっと家業を手伝っていましたので、二十代のころから農業に関する知識や技術は身に付けていました。そして、1994年に丹後国営農地開発事業の一環でこの地に畑が造成されたのをきっかけとして、専業農家の道を歩み始めた次第です。

穂積 現在は、どのような作物を育てておられるのでしょうか。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

越江 水田で京都丹後産コシヒカリ、酒米などを栽培しており、畑では玉ねぎ、大根、甘藷、日の菜などを育てています。いずれの作物も有機栽培にこだわり、食物の安全・安心をモットーにしているんですよ。

穂積 丹後産のお米は、瑞々しく美味しいことで有名ですよね。

越江 こちらの京都府丹後地方は、日本海と山々に囲まれた原風景が残る地域。特徴的なのは昼と夜の寒暖差が大きいことと水の質が良いことで、このような変化に富んだ気候と豊かな自然は、お米作りに非常に適した環境なんですよ。ですから、丹後産のお米は粘りがあってとても甘い。自然に恵まれた地であることが、美味しいお米作りの秘訣です。

穂積 なるほど。では、お米作りで大切にされていることをお聞かせ下さい。

越江 前述しましたが、安全・安心を至上に掲げ、美味しいお米を作ることに心血を注いでいます。私たちが作るお米は、有機肥料を使用し減農薬栽培していますので、安心して食して頂けます。また、お米を作る上で環境はもちろん重要ですが、それ以上に作り手の姿勢が大切だと思っています。一生懸命、真面目に米作に励むことでお米はより美味しくなります。だからこそ、どの工程においても手を抜いてはいけないんですよ。私たちの作った京都丹後産コシヒカリは、日本穀物検定協会が主催する「米の食味ランキング」で、2007年から3年連続「特A」の評価を戴いているんです。この賞はお米の最高評価ですから、是非多くの人に私たちが精魂込めて作ったお米を味わって頂きたいですね。

穂積 それはすごい! 名実ともに一級品のお米ですね。野菜作りにも、こだわっておられるとお見受けします。

越江 もちろんです。お米と同じく、野菜にも目一杯の愛情を注ぎ、農薬や化学肥料を使わずに栽培しています。こちらは、当農園で収穫した紫芋を妻が加工した芋羊羹なのですが、よろしければどうぞ召し上がって下さい。

穂積 では、ありがたく頂きます──これは美味しいですね! 芋の甘味が口に広がります。

越江 ありがとうございます。砂糖をほとんど使用しておらず、芋本来の甘さを活かすように作っているんです。こちらの芋羊羹は商品ではありませんが、今後はこのような加工品をどんどん手掛けていきたいと考えています。

穂積 野菜の味が抜群に良いですから、加工品も人気が出るでしょうね。現在はどのくらいの商圏をお持ちなのですか。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

越江 現在はネット販売を手掛けておりますので、遠地の方へ当農園のお米や野菜をお届けすることが可能です。ただ、私たちは栽培に手間暇をかけておりますので、数量には限りがあるんです。ですから、主要な販路は周辺の地域が多くなっています。私たちが作ったお米は、京都の大学食堂や旅館、レストランで食して頂いているんですよ。

穂積 食の安全がクローズアップされる現代ですから、御社が作る農作物の需要は今後も高まるでしょうね。

越江 おっしゃるとおり今は食に対するニーズが変化しつつあり、その中でも特に安全性が注目されています。美味しさと安全性とを高い水準で維持すると、コストを抑えるのにも限界があるんですね。ですから、私たちはむやみに価格競争には参加せず、安全で上質な農作物を提供し続けたいと考えています。

穂積 どのような分野でも、本当に良いものはずっと愛され続けるものだと思います。では最後に、今後の抱負を。

越江 法人化して数年が経過し、作地の規模も少しずつ広がっています。今は若い人材も当農園で頑張ってくれていまして、私の息子も一緒に働いているんですよ。これからは、そういった若い世代に私が培ったノウハウや技術を伝えていければと思っています。そして今後も変わらず、安全・安心な農作物を作り続けていく所存です。

環境と安全に配慮する心が上質の農作物を生む

▼『エチエ農産』では、減農薬・有機栽培にこだわりながら上質で安全な農作物を育てており、それに加えて地球環境にも配慮した事業を展開している。たとえば使用するフォークリフトなどのディーゼル車は、いずれもバイオディーゼル燃料を使用し、資源の枯渇、二酸化炭素の排出を抑制している。また、レストランや旅館から出る食料残渣を回収して堆肥にすることで、資源を有効活用しているのだ。そうした循環型の農作業は環境保全に直結するだけではなく、信頼という無形の財産を生む。人にも環境にも配慮するという思いやりや優しい心は、農作物にも伝わる。同社が作る農作物の味が良いのは、作り手の大きな愛情が宿っているからだろう。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「作物には作り手の心が宿ります。だからこそ、どんなときも手を抜いてはいけない」
(代表取締役 越江 雅夫)

対談を終えて

「越江社長は、流通ルートを独自に開拓されているそうで、生産者としての技量のみならず、経営者としても卓抜した手腕をお持ちだと感じました。社長の持つ洗練された経営観と温かい人柄が、周囲の農家の方や取引先の方からも篤い信頼を呼び込むのでしょうね。これからも、ご健康に留意し頑張って下さい!」(穂積 隆信さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 エチエ農産

住  所

京都府京丹後市久美浜町女布684

代表者名

代表取締役 越江 雅夫

U R L

http://www.echie.jp

掲載誌

報道ニッポン  2011年6月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『報道ニッポン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。