2024年09月03日更新
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(有)旭運輸/(有)マルツ青果 対談取材記事

名刺
動画

「安心」と「安全」に配慮し
「新鮮」なおいしさを迅速に届ける

一般貨物運送業

有限会社 旭運輸

青果委託販売業

有限会社 マルツ青果

代表取締役 土子 仁志

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─略歴

■真の利益とは、奉仕の精神から生まれるもの

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

利益を上げるために仕事を探す──それは経営者として当然の姿勢かもしれない。しかし利益を追求する前に、どんな仕事においても社会への貢献を目指すべきではないだろうか。

だからこそ土子社長は「奉仕の心を持ち、その結果として会社が大きくなれば何より」と語る。社会に対して自分が役に立てることを探し、周囲に恩返しができる存在たり得ることが先決だと考えているのだ。

社会貢献の精神を大切にすることで、人間的にも会社としても成長する。それは何物にも代え難い「本物の利益」と言えるだろう。


【足跡】 学生時代は、漬物店を営む父の下で家業を手伝いながら、商売の面白さを知った。その後、自分で会社経営を手掛けたいとの思いから1999年「旭運輸」を設立。2003年には「マルツ青果」を始めた。


土子社長は1999年に一般貨物運送業を手掛ける「旭運輸」を設立し、2003年には農産物の委託販売を行う「マルツ青果」を始めた。「安心かつ安全に大切な商品をお客様の下に運ぶことが我々の使命です」と語る社長にお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─対談

三ツ木 土子社長が運送業界に入られたきっかけからお聞かせ下さい。

土子 兄が運送業界にいたこともあってこの道を選びました。そして、もともと自分で商売を始めたいと考えていたのですぐに独立したんです。ただ当時はまだ未熟だったため、代表のポストは父に託して一緒に始めました。お陰で会社としての社会的地位を確立することはできましたが、実質的な運営は私がしていたので、若さゆえに苦労することも多かったですね。

三ツ木 例えばどのような?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

土子 まず社員の大半が私よりも年上。指揮を執るのは父ではなく私ですから、指導しにくい面もありました。おまけに取引先も大半は年上ですので、私が営業に出向いてもなかなか話を聞いてもらえず苦戦することが多々ありましたね。そのためどうすればお客様との距離感を掴むことができるかを考え、常に工夫は怠らずに人間力を高める努力をしてきたのです。その後、正式に代替わりして2008年頃社長に就任しました。

三ツ木 なるほど。お父様をトップに据え確実に会社の体制を整えながら、自らを成長させてこられたわけですね。

土子 ええ。会社と共に。現在私共では一般貨物運送業を手掛ける「旭運輸」と並行して、「マルツ青果」の名で青果委託販売業を行っています。農家で生産された青果の販売を、「マルツ青果」で一手に担っているんです。運送業と並行することで、買い付けや集荷から荷造り、積み込み、出荷、販売までを一貫して手掛けることができるんですよ。

三ツ木 それは大きな売りだ!しかし青果となると保存にも気を配らないといけないのではありませんか。

土子 ええ。鮮度が命ですから、細心の注意を払って商品を保存し、低温保存が必要なものを集荷してきた際には、まず当社所有の予冷庫にて保管しています。そうして安心かつ安全にお客様の下へ商品を運ぶことを使命としています。

三ツ木 徹底しておられますね。ところで御社ではどういった農産物を運んでおられるのでしょう。

土子 以前は、この町の特産品であるメロンとトマトをメインに扱っていました。しかし、これらは収穫期が限られているため、当社の繁忙期は一年のうちの半分しかありませんでした。そこで、どうしたものかと考えていたときにちょうど、この辺りで水菜を栽培する農家さんが増え始めたんです。現在は水菜も手掛けているので、年間に亘って農産物の輸送を手掛けられるようになりました。

三ツ木 輸送エリアとしてはどの辺りまでなのですか。

土子 関東一円を中心に、名古屋や大阪まで足を運ぶこともあります。当社は協力会社とのネットワークを築いていますので、遠方でも滞りなく運ぶことが可能なんですよ。それに現在、当社はトラック27台と、トレーラー十数台を所持しておりますので、大量の輸送でも全く支障はありません。

三ツ木 ですがそれだけ車を抱えておられるとメンテナンスなども大変ですね。

土子 はい。そういったコストを削減するために当社では自社整備工場を完備し、車検も自分たちで行える体制を築きました。自分たちでできる限りのことを手掛けて、計上した利益はできるだけ社員たちに還元し、彼らの生活を守りたいと考えているんです。長引く不況で先行きは依然不透明ではありますが、だからといって守りに入るのではなく、新しいことを始める攻めの姿勢は崩さずに進んでいきたいですね。そして、我々がお役に立てる場面で社会に貢献していければ何より嬉しいことです。

三ツ木 陰ながら応援していますよ。本日はありがとうございました!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「我々が生業としている『食べること』と『物を運ぶこと』は、生活に欠かせない大切な営みです」
(代表取締役 土子 仁志)

「しっかりと将来を見据えて動く冷静さと、夢に向かって生きる情熱を併せ持つ方でした」
(ゲスト 三ツ木 清隆)

明日を切り開く経営者たち── その戦略と視点

「旭運輸」の設立当初、土子社長はまだ二十代であった。若さゆえに、顧客から軽く見られることもしばしばあったと語る社長。その状況を打破するため、髪型を変えたり眼鏡をかけたりと、ユニークな方法でなるべく老けて見えるよう工夫したとか。また、自らの内面を高める努力も怠らず、創意工夫を重ね、周囲の信頼を勝ち取ってきたという。

一方、設立当時の代表者はお父様とのこともあって社員教育に関しても戸惑いの連続であった。なぜなら実際に現場で指揮を執るのは自分だが、トップでない者の言うことになど皆本気で耳を傾けない。そこで社長は切り替えた。「ナンバー2ならナンバー2の考え方で会社を仕切っていけば良い」と。そして言葉の掛け方一つ、心の持ち方一つと試行錯誤しながら十年──その努力の甲斐あって、社長となった今、経営者として在るべき姿を見失うことは、決してない。

対談を終えて

「若い頃、がむしゃらになって励んだのにうまくいかなかったという例は多くあります。その点、土子社長の経営には、一歩一歩着実に進む堅実さを感じました。そして常に社員さんと取引先への配慮も忘れない。情熱と冷静さの均衡が取れた、トップの在り方ですね!」(三ツ木 清隆さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

有限会社 旭運輸

住  所

茨城県鉾田市鹿田887-127

代表者名

代表取締役 土子 仁志

名  称

有限会社 マルツ青果

住  所

茨城県鉾田市鹿田902-24

掲載誌

国際ジャーナル  2011年6月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『国際ジャーナル』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。