月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

穂積　まずは山内取締役のこれまでの歩みから伺います。

山内　高校卒業後は独立を目標に据えてハウスクリーニングの仕事に就いたのですが、同業者の増加などから仕事の単価が下がったため、もう少し幅広い経験を積もうと、転職してエアコンのクリーニングに携わるようになりました。その後、大手厨房機器メーカーの方に声をかけていただいたことを機に、『エンジニアワークス』を立ち上げ、厨房機器のメンテナンスを手掛けるようになりました。

穂積　取締役の腕が確かだからこそ、お若くしてそうした声がかかったのでしょうね。独立されてみていかがですか。

山内　安定感のあるメンテナンスだと高評価をいただいているお陰で、コンスタントに受注できており、毎日忙しくしております。厨房機器は病院やレストランなど様々な場所に備えられているので、皆様の生活や社会活動を支えるべく使命感を持って仕事に当たっています。ただ現時点では、ビジネスとして成立していますが、メンテナンス業が永遠に続けられるかどうかは未知数だと思います。

穂積　と言いますと？

山内　将来、滅多に故障しない優秀な厨房機器が出回るようになる可能性があるということです。そうなればメンテナンスの頻度は減り、私どもに対するニーズは確実に少なくなる。メンテナンス業のあり方が大きく変わっていくことが予想されるのです。変化の兆候が出てから対策を練るようでは遅すぎますから、メンテナンス業が好調な今、すでに次なる展開を構想しています。

穂積　経営者として常に先を見据えておいでなのですね。具体的にはどういったことに着手されるおつもりで？

山内　愛知県で祖父母が農業を営んでいるので、まずはそこから視野を広げていく予定です。その上では、人を大切にした事業展開をしていきたいと思います。私は常々、経営状況によって人材を使い捨てるような会社のあり方には疑問を抱いていましてね。人には個々に能力を活かせるフィールドがあるので、そうした場を提供し、終身雇用が可能な組織づくりを進めていく所存です。従業員にはそうした環境の中で日々目標を持って仕事に臨み、自ら人を育てられる立派な企業人になってほしいですね。これからもチャンスを見つけた時にはすぐに行動に移し、組織としての体力を養い確かな基盤を築いていきたいと思います。