2024年09月03日更新
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渡邉文音箏曲研究所 対談取材記事

名刺
動画

思いを込めて奏でる美しい音色で
後世にまで箏の魅力を伝えたい

人間国宝中田博之直門教授

渡邉文音筝曲研究所

主宰 渡邉 文音(博文)

ゲスト ダンカン

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─略歴

日本の伝統文化である箏の継承を願い、渡邉先生は精力的な演奏活動と指導を続けている。古曲の基礎を大事にしながら、時には洋楽器と共演し、時にはただ音を楽しむものとして子どもにも触れてもらう。チャリティーにも意欲的に取り組み、箏の魅力を伝え続ける先生の思いを伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─対談

ダンカン 渡邉先生は、いつごろからお箏に興味をお持ちだったのですか。

渡邉 幼いころから本が好きで、源氏物語などの古典に触れるうちお箏に憧れるようになり、昭和49年に山田流家元の鈴木清寿先生に師事させていただきますことになりました。

ダンカン 教室を開かれるようになったのは、何年ほどされてからでしょう。

渡邉 4年後に「文鈴」を襲名し、教室を開き生徒さんの指導をさせていただくようになりました。私のお世話になりましたお家元先生は、お目がご不自由でございましたので、音色に対してとても厳しゅうございまして、押手、お唄の少しの違いもお許しいただけず、前に進むことはできませんでした。その厳しいご指導のお陰で今の私が生まれましたこと、感謝いたしております。その後平成8年「文音」に改名、独立して『渡邉文音筝曲研究所』を創立。翌年、人間国宝である故中田博之先生に師事することになり、即日「博文」のお名前と教授資格をいただきました。現在も中田社中として活動させていただく時は「博文」を、個人のリサイタル他の演奏は「文音」を名乗らせていただいております。

ダンカン お箏というのはあまり身近ではないので、とても難しいもののように感じますが、いかがでしょう。

渡邉 1から13までの数がお分かりになりますれば、どなた様でも奏でることができますのよ。お箏は、自分で音を作り奏でる楽器です。1本のお糸から、力強さ、楽しさ、寂しさ、優雅さ、色々な自分の心の音を奏で、弾き方やお爪のあて方で全く音色が違ってきます。たとえば私が「お調子」を上げてと申しましたら、良いことがあった時は少し高く、悩み事のあった時は少し低くおとりになります。また、お箏を前におしとやかになさっておりましても、普段テキパキとお動きの方ですと、弾き方もやはりテキパキとしたものになっていらっしゃいます。

ダンカン その人の人間性が、音に表れるのですね。

渡邉 ええ。ですから「私は上手いでしょう?」と鼻を高くして弾いておりますと、音は汚いものになってしまいます。それでは良い演奏はできませんが、個人的に伝えますと、叱られたと傷つかれるかもしれません。ですから生徒の皆様に言って差し上げるのです。そこで「私のことかしら」と気付いて下さる方が、お上手になってゆかれます。また、なかなか上手く弾けない時でも、「駄目」とは申しません。「難しいのよね」とお声をかけて、上手く弾けたら褒めて差し上げます。自分が言われた時に気持ち良いという言葉をお選びするよう、心がけておりますね。

ダンカン 人に教える難しさを感じるお話ですね。ご指導になる一方で、ご自身の演奏活動もされているのでしょう。

渡邉 海外ではニューヨーク(カーネギーホール)他、
国内では国立劇場でのリサイタル他で、
和洋折衷、ドラム・シンセサイザー・鼓・笛・尺八などとのコラボを楽しく演奏させていただいております。また毎年恒例2月11日のせたがや梅まつりでは、今年で27年間させていただいておりますが、いつもお客様にお喜びいただけます曲を生徒たち(6歳~お名取)と共に尺八、17絃の曲も加えて演奏し、梅の香りとお箏の音色で和の世界を楽しんでいただければと思っております。また私、少しでも何かのお役に立ちましたく、以前からチャリティーコンサートを開催させていただき、福祉事業のためにご寄付させていただいております。できます限り続けさせていただき、多くの方に音楽を楽しんでいただけましたら、嬉しゅうございます。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

渡邉文音筝曲研究所

住  所

東京都世田谷区祖師谷3-28-7

代表者名

主宰 渡邉 文音(博文)

掲載誌

リーダーズ・アイ  2014年8月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。