2023年02月13日更新
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安堂設備設計事務所 対談取材記事

名刺
動画

建物にも人にも最適な設備設計を行い
公共施設や一般住宅に命を吹き込む

安堂設備設計事務所

代表 安堂 渉

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「この仕事が好きだから、現役を続けて後進に技を伝えたい」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

小学生のころに「将来は図面を描く仕事に就きたい」と考え、その思いを温め続けて夢を実現させた安堂代表。そんな代表にとって、設備設計の仕事はまさに天職だ。

「できることなら経営者としての業務に取り組むよりもずっと図面を描いていたい」と笑う代表は、実際、業界に入って29年目を迎えた今もなお最前線に立って設計作業を手掛けている。だが、「これからは後進を育てることも意識しなければなりません」とも話す。

自分の仕事を心から愛し、誇りを持つ根っからの技術者であるからこそ、技術を磨くばかりではなく伝えていくことの大切さを知っているのだろう。


【足跡】 兵庫県神戸市出身。小学生のころに設計の仕事に興味を持ち、高校卒業後は地元で設備設計を手掛ける会社に就職する。28年間勤務してノウハウを蓄積し、2010年に独立を果たした。


建物内で使用される電気やガス、空調、水道などの設備設計を専門に手掛ける『安堂設備設計事務所』。創業から1年と新しい企業ながら、官公庁の建物をはじめ民間の施設や一般住宅などの設備設計で実績を重ね、信頼を獲得している。本日は、同所の安堂代表にお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

28年間勤めた会社の閉鎖により
新たな一歩を踏み出す

大西 早速ですが、安堂代表が設計のお仕事に就かれるまでの経緯をお聞かせ願えますか。

安堂 私は自宅の窓から神戸港を行き交う船を見て育ったため、よく定規を使って船の絵を描いていたんです。そんな中で、小学生のころには漠然と「将来は図面を描く仕事をしたい」と思うようになりましてね。それで、学業を終えてから地元の設備設計会社に就職しました。

大西 少年時代に描いた夢をずっと持ち続けて叶えられたとは、代表の意志の強さが窺えますね。そちらには何年ほど勤められたのでしょうか。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

安堂 28年です。入社当初は全く知らなかったのですが、そちらは関西でもトップクラスの技術力を誇る設備設計会社だったんですよ。同社の創業前は設備設計を専門に行う会社は他になかったので、私の師匠でもある社長が初めて設備設計に特化した会社を立ち上げたそうです。業界の先駆け的存在であるその方は、非常に優れた設計技術をお持ちでした。ですから、その方の下で修業を積ませて頂いた経験は貴重であり、誇りでもありますね。社長は既に他界されましたが、技術的にも人間的にも私を大きく成長させてくれた恩人ですし、今も感謝の念が絶えません。

大西 その方と出会い、業務に携わる中で独立したいとの思いを?

安堂 若いころは自分の事務所を持ってみたいと考えたこともありました。しかし「代表職を継いでほしい」と声をかけて頂いてからは、お世話になった会社に恩返しをする意味でもお受けしようと心積もりをしていたんです。ところが、2009年の末ごろに会社が閉鎖されることになりまして…。まさに青天の霹靂でしたが、自分で事務所を立ち上げるしかないと気持ちを切り替え、約1カ月後にこの『安堂設備設計事務所』をスタートした次第です。

施設を使う人やそこに住む人が
快適に過ごせるよう全力を尽くす

大西 設備設計というお仕事について、詳しく教えて下さい。

安堂 設計と言うと建築設計をイメージされる方が多いと思いますが、建築設計が建物という器を作る仕事であるのに対し、設備設計はその中を流れる血管を作る仕事です。器だけ用意しても水道や電気、空調、ガスなどが整わなければ建物として機能しないでしょう。そういった設備を設計し、快適な環境を整えることが私どもの役割であり、使命なのです。

大西 建物に命を吹き込むお仕事と言えますね。依頼は施主様から直接お受けするのですか。

安堂 いいえ。建築事務所さんから発注があり、戴いた建物の図面を見ながら設備の設計を進めています。ですから施主様に直接お会いする機会はほとんどありませんね。実際に設備を使用される方の生の声を耳にすることはなくとも、どこをどう工夫すれば皆様が快適に過ごせるかを綿密に考え、心を込めて作業を進めています。現在は業務の約8割が官公庁関連で、それ以外は民間の施設や一般住宅ですね。

大西 『安堂設備設計事務所』さんが手掛ける業務の質に信頼が寄せられているという証拠でしょう。ところで、やはり時代によって設備設計に求められることも変わってきましたか。

安堂 そうですね。技術の進歩や人々の価値観の変化に伴って様々な影響を受けます。例えば一時期はオール電化ブームが来ましたが、最近は電気とガスそれぞれの持ち味を活かした設備を望まれるケースが増えているんですね。そうした時代のニーズをとらえ、設計に反映させていくことはとても大切ですし、日ごろから情報収集は欠かせません。

大西 この道一筋に歩んできて、どういったところにお仕事のやり甲斐を感じておられますか。

安堂 建築図面を渡される段階では当然設備関係はまだ配されておらず、真っ白な状態。そこから、お客様のご要望を採り入れつつ専門家としてどれだけ使い勝手の良い設備を設計していけるかが難しいところであり、面白いところですね。またこちらの思いが図面を通して相手に伝わり、形になったときは大きな達成感を得られます。私どもを頼って依頼を下さる方々に満足して頂けるよう、一つひとつの仕事を大切にしていますよ。

大西 では最後になりますが、これからの展望を伺います。

安堂 公共施設でも一般住宅でも、使う人や住む人などその建物に関わる方々が快適だと感じられるような設備を作っていく所存です。そうして真面目に業務を行う中で多くの人と信頼関係を築き、これまでお世話になったこの業界と地域全体を活気づけられるような存在に成長していければ嬉しく思います。そのためにも、今後は若い人材を育てることに注力していきたいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲安堂代表を尊敬し、「将来は一緒に仕事をしたい」と話してくれたご子息の智貴さんを交えて記念撮影

将来性に期待が高まる設備設計の分野

▼建築設備の中には給排水やガス、給湯、空調、電力、通信、照明、防災、光ファイバーなど建物に欠かせない数多くの要素がある。そのため設備設計の良し悪しが建物の快適性、機能性を左右すると言っても過言ではない。そんな設備設計を手掛ける安堂代表曰く、「今後、この仕事の重要性に益々衆目が集まるはず」とのこと。それには一体どのような理由があるのだろうか。

▼近年、一から建物を造るのではなく既存の建物を直して活かす建築方法が増えており、今後もさらにその傾向が強くなると予想されている。リフォームやリノベーションでも設備を作り替えるニーズはあるため、たとえ新築が減ったとしても設備設計の需要は伸びが期待できるというわけだ。また、建物の寿命は70~100年なのに対して建築設備は15~20年。作り替えるサイクルが短いという意味でも、設備設計は建築業界になくてはならない仕事としてその存在感を強めているという。

▼建物という器に設備という血管を張り巡らせ、円滑に機能を循環させる役割を担う設備設計。将来性あるこの仕事の課題となっているのは、人材の育成だ。今後、若い人材を積極的に育てていく構えを見せている代表の目は、業界のさらなる成長を見据えている。

対談を終えて

「私は今まで設備設計という専門分野についてよく知らなかったのですが、安堂代表の説明を伺ってその重要性を強く感じました。私たちは建物の目に見える部分、つまり建築設計を重視しがちですが、設備設計もまた暮らしを支えているのですね。これからも設備設計のプロとしてご活躍下さい!」(大西 結花さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

安堂設備設計事務所

住  所

兵庫県神戸市灘区森後町2-2-4 アマービレ六甲 2-B

代表者名

代表 安堂 渉

掲載誌

報道ニッポン  2011年5月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『報道ニッポン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。