障がい者の就労を支援するべく
多様な事業にチャレンジし続ける
──上清水理事長が、NPO法人を立ち上げるまでの歩みからお聞かせ下さい。
(上) 国立のハンセン病の療養所に勤めた時に、初めて福祉に携わりました。その後、一時期は別の業界で独立していたのですが、たまたま知り合いから「障がい者施設を手伝ってほしい」というお誘いをいただき、そちらを手伝うことになったんです。障がい者の方々は仕事をとてもきちんとこなすのに、給料が低いんですね。やがて、その状況を変えていかねばと思ったことから、NPO法人の立ち上げを決意したのです。一般就労ができない人たちに仕事をつくり、また仕事の種類を選べるようにしたいという想いで、活動を続けています。
──どのような仕事があるのですか。
▲障がい者が立案・制作した生ゴミ処理機「ゴミロボく~もん」。竹粉のパワーを活用しており、犬のふんや生ゴミ、廃油などを堆肥に変えることができる。臭いがせず、電気も使わないという優れものだ。ロボットのような顔が親しみやすい。
(上) 『福祉工房 ゆーとぴあ』では、メール便の配達や資源ゴミの回収、レストラン経営、πウォーターレンタル事業、生搾りウコンの卸販売などを行っています。皆さんとても楽しそうに仕事をされていて、メール便の配達ミスは一般の方よりも少ないという評価もあるんです。また生ゴミ処理機「ゴミロボく~もん」を製造しています。竹粉のパワーを活用しているため嫌な臭いもせず、生ゴミが堆肥になるというとてもエコな製品なんですよ。リースで提供し、障がい者の方がメンテナンスに行く形にすれば、それも仕事になるでしょう。
──それは素晴らしいですね。様々な試みをされているようです。
(上) ええ。また、健康志向の食堂、『ひかり食Do』も運営しています。店長を務めてくれている後藤理事は、もともと料理店をされていた方で、その店のファンだった私が頼み込んで実現したんです(笑)。
(後) 美味しくて安全なものを、少しでも安くご提供したいと思っています。食材と水(πウォーターシステム導入)にはこだわっているので、自信がありますよ。
(上) とにかく健康に良いものにこだわっていまして、食堂だけではなく、幻のキノコといわれる「ハナビラタケ」の栽培を計画しています。ベータグルカンという成分が豊富に含まれており、健康にいいと脚光を浴びているんです。キノコはほかにもシイタケを栽培したいと思っており、「鹿屋んキノコ」として売り出したいですね。『ひかり食Do』や『カフェレスト プチフルール』で試しながら、色々なことに挑戦し続けたいと考えています。
(後) このように、理事長はとても頼り甲斐がある方なんです。障がい者の方のために、積極的にチャレンジしていますね。
──最後に、今後の展望をお聞かせ下さい。
(後) 『ひかり食Do』や『カフェレスト プチフルール』が、毎日にぎわうように努力していきます。大勢の方に美味しく健康に良いものを食べてもらって、元気な生活を支えたいですね。
(上) 廃校を利用して、障がい者の方が働ける場所をつくりたいと考えています。良いものを提供することで、県内外問わず、多くの人がこの街に集まってくれるような状況をつくりたいですね。
「『ゆーとぴあ』さんの活動には地域の方々が理解を示して下さっているそうで、上清水理事長はそのことにとても感謝していらっしゃいました。これからも地域との良い関係を続けていって下さいね」(大西 結花さん・談)
名 称 |
NPO法人 ひかり |
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住 所 |
【ひかり食Do】 【カフェレスト プチフルール】 鹿児島県鹿屋市川西町4452-2 |
【特定非営利活動法人 ひかり】 【福祉工房 ゆーとぴあ】 鹿児島県鹿屋市川西町4452-8 |
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代表者名 |
理事・店長 後藤 良則 |
掲載誌 |
センチュリー 2014年6月号 |
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