2023年02月13日更新
全登録者数 860件 (最新月度登録者数 0件)
トップページ 医療法人 誠昇会/北本共済病院 対談取材記事

医療法人 誠昇会/北本共済病院 対談取材記事

名刺
動画

医療と福祉の包括的なケアを推進し
地域の人々の健康的な暮らしを守る

医療法人 誠昇会
北本共済病院

理事長 竹並 麗

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─略歴

「医療・福祉の充実を通して、この地元を全ての人が安心して暮らせる町にしたい」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

高齢化が進む地元・北本市の現状を見て、竹並理事長は「このままでは、若者がいなくなってしまうかもしれない」と懸念する。

地域医療に取り組む者としては、地域に必要とされるサービスを手掛けるのが役目。

そのため高齢者福祉サービスをはじめ、医療と福祉の連携に努めてきたが、高齢化した町に合わせるだけでは不充分だと理事長は考えている。

目指すのは高齢者が安心して暮らせるのはもちろん、若い人たちにとっても魅力ある、住みよい町だ。

「医療・福祉の充実は、住みよい町の一つの柱。地域全体で力を合わせて、より良い町をつくりたい」──地域社会に貢献するという理念が、医療に留まらない取り組みの芯を貫いている。


【足跡】 1988年に大学を卒業し、大学病院に消化器内科医として勤務。同年に父親を亡くし、『誠昇会』理事長に就任する。1996年より『北本共済病院』院長。地域医療の充実に努める一方、高齢者福祉施設を立ち上げて福祉事業にも取り組み、医療と福祉のシームレス化を目指す。


1984年に開業し、北本市の地域医療に貢献してきた『北本共済病院』。高齢化が進む地域の現状を鑑みて、同院の竹並理事長は医療と福祉の連携を促進。介護老人保健施設の運営や在宅療養研究会の開催など、地域ぐるみの医療・福祉を目指して活動を続けている。その取り組みについて、村野武範氏が伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─対談

医療と福祉のシームレス化を目指して
高齢者福祉事業を展開

村野 まずは、『北本共済病院』さんの沿革からお聞かせ下さい。

竹並 当院は1984年、地域の救急医療を主として私の父が設立しました。1987年に『誠昇会』として基盤を設けて事業拡大に取り組み、その2年後には『プラムの里診療所』を開設。地域医療の充実のため、力を注いできたのです。私は父の勧めで医療の道に入りましたが、大学を出たその年に父が亡くなりまして。父のもとで仕事を学ぶことはできなかったものの、「医療を通じて人々の健康を守り、地域社会に貢献する」という理念を受け継ぎ、当院を支えています。

村野 では大学を出られてすぐ、理事長としてこちらでお仕事を?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

竹並 理事長の職は引き継ぎましたが、当院に戻ってきたのは大学で6年間勤めて経験を積んでからです。しかし大学と開業医では姿勢が違いまして、大学が専門分野に特化した研究を主としているのに対し、開業医は総合医としてあらゆる症状に対応しないといけません。私はもともと消化器内科医ですが、当院では外科・泌尿器科・循環器科など様々な診療科目を掲げています。診療の門戸を広げると共に、地域に合った取り組みを進めることもまた、地域医療では大切なことですね。

村野 この北本市に合わせては、どんな取り組みをされているのでしょう。

竹並 北本市は高齢化が進んでいて、医療だけでなく高齢者福祉が不可欠なんです。そのため『プラムの里診療所』を在宅支援診療所とし、自宅療養をされている方のため、医師や看護師がご自宅に訪問して診療を行っています。また2005年には介護老人保険施設『カントリーハーベスト北本』を開設しました。

村野 介護は医療ではなく、福祉の分野ですよね。同じ高齢者への取り組みとは言え、医療と福祉で違いはありますか。

竹並 私はあまり違いがないと思っています。国としても、2025年までに地域包括ケアシステムを構築することを目指しており、高齢化社会を支えるため医療と福祉のシームレス化に取り組んでいるのです。地域医療だけでなく福祉の充実にも努め、「誰もが安心して暮らせる北本市」にすることが、私たちの使命だと思っています。

地域全体が手を取り合い
人々の暮らしを支える社会へ

村野 医療に加え福祉もとなると、『北本共済病院』さんだけでは大変でしょう。

竹並 おっしゃる通り、当院だけではできることに限界があります。そこで他の医院や福祉施設、住民の方々まで巻き込んで、地域ぐるみで北本市を支える横のつながりを作れたらと考えているんです。そのために現在、2カ月に1度『カントリーハーベスト北本』で在宅療養研究会を行っています。医師や看護師など医療の人間と、ケアマネージャーなど福祉の人間は接する機会がほとんどありません。ですから皆で一緒に勉強する場があれば、何かあった時にお互い相談しやすくなると考えたんです。高齢者のため、地域のためという志を持つ人がたくさんいても、一人では何もできません。互いに連携を取ることが大切で、そのためにできる限りのことをしたいですね。このつながりを活かせば、認知症への対策にもなるのではないかと考えています。

村野 認知症、ですか。

竹並 一番力を入れたいのは、認知症の進行を遅らせたり、予防したりということです。これらに大切な作業療法や運動療法は、福祉の分野に近いもの。それに地域の高齢者の方と密に接しているケアマネージャーなら、予防の働きかけもしやすいでしょう。医療だけでは難しいことが、福祉と連携すればできる可能性があると思うのです。また、救急医療という観点から見ても連携には意味があります。今この地域では、二次救急の受け入れがパンク状態に近いんですね。高齢者福祉が充実し、普段から充分なケアを受けられる状態になれば、何かの時に救急を必要としなくても在宅や介護施設で適切な対応ができる。そうすれば本当に救急でしか対応できない患者さんたちを取りこぼすおそれがなくなるでしょう。

村野 なるほど。高齢者福祉の充実が、ひいては地域全体のためになると。

竹並 はい。しかしその一方ではやはり、若い世代を対象とした医療・福祉の充実も必要で、今後はそちらにも目を向けていきたいと考えています。今検討しているのは、保育園の運営です。院内に保育園がありますが、これは職員のためのものなので、地域の方に利用していただける保育園を立ち上げられたらと。病院が母体であれば病児保育にも対応できますから、働く女性たちを支える力になれるのではないかと思っています。

村野 それは良いですね。医療・福祉が充実していれば、どの世代の人にとっても住みよい町になるでしょう。

竹並 まさに目指しているのはその、「住みよい町」になることです。それに私個人としては、働く女性を支えたいという思いが強いんですね。社会に貢献できる優れた能力を持っていても、女性だからというだけで埋もれてしまっている人材はきっとたくさんいると思うんです。医療の分野でも、今後は女性が増えていくでしょう。そうした人たちが安心して、希望を持って働き続けられる社会にできたら嬉しいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

一人ひとりの力を伸ばし、医療の充実を図る

▼高齢化が進む北本市において、高齢者に向けた医療・福祉の充実は不可欠。しかし地域に若い世代が少ないため、医療・福祉を支える人材がなかなか集まらないのが目下の課題だという。人材が少ないと、一人ひとりが果たす役目は大きくなる。そのため大切なのは、それぞれがポテンシャルを十二分に発揮することだと竹並理事長は考える。「全身全霊を懸けるくらいの気概を持って、仕事に臨んでもらいたい」と、人材育成にも力を注ぐ。少子化で今後さらなる人手不足が懸念されるからこそ、人材の確保はもとより、現状の底上げを図ることには意義がある。福祉との連携、人材育成──そうした取り組みの全てが、地域を支える力になるだろう。

対談を終えて

「竹並理事長の言葉の端々から、地域のためにという強い思いが感じられる対談でした。お父様から継いだ理念は、理事長自身の信念としてもしっかり根差しているのでしょう。その思いを貫いて、これからも地域のために頑張っていただきたいと思います。」(村野 武範さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ(LEADER’S EYE)』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

医療法人 誠昇会

北本共済病院

住  所

埼玉県北本市下石戸下511-1

代表者名

理事長 竹並 麗

U R L

http://www.kitamoto.or.jp

掲載誌

リーダーズ・アイ  2014年5月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『リーダーズ・アイ』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。