月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

大沢　ここ昭和村は、自然豊かな美しい場所ですね。とても癒されます。

都丸　ありがとうございます。昭和村は日本百名山に選ばれている武尊山、谷川連峰、榛名山などに囲まれていて、それら山々の景色を楽しみに観光客の方が大勢訪れる場所なんですよ。近辺には農業に携わる者が多く、最近では農業法人も多くなってきていますね。

大沢　都丸社長は、地元のご出身ですか。

都丸　ええ。父も農業を営んでいました。ですが、ちょうど私が進学を考える時期の農業界は厳しい状況で、父は専業農家を続けていくのは難しいと考えたようです。私に「好きなことをやれ」と言ってくれ、私も当時バイクや自動車に強い興味を抱いていたので、工業高校の自動車科に進み、卒業後は大手自動車メーカーに就職しました。

大沢　当時から独立しようと考えておられたのですか。

都丸　そういうわけではないのですが、経験を積むうちに自分で事業を手掛けてみたいとの思いが強くなっていきましてね。それで、地元の整備会社でも修業してから、約26年前に『アルファオートサービス』を立ち上げた次第です。

大沢　何名でスタートされたのですか。

都丸　私と妻、そして若手技術者の3名で、小さな整備工場からスタートしました。その後、徐々に業容を広げていき、今では7名の従業員と共に、自動車販売・整備・修理・保険代理業務を手掛け、自動車にかかわることをトータルにサポートしています。

大沢　先ほど、この近辺は農家が多いと仰っていましたが、トラックや農作業用の特殊車両を使用されている方も多いのではありませんか。

都丸　ええ。約9割のお客様が農業を営んでおられ、トラックや農業用の特殊車両の整備を依頼されることも少なくありません。近年は農作業用自動車もコンピューター化された部分が多く、そのコンピューター部分は日々進化しているため、私も含めた従業員一同は日々専門知識や技術の習得に努めているんですよ。

大沢　農家さんにとって頼もしい存在だと思います。

都丸（八）　皆様がそう感じてくださっていれば何よりです。皆様とは仕事だけの関係ではなく、会社の近くまで来られると息抜きにお茶を飲みに寄ってくださる方が多いんですよ。当社が憩いの場になっていることがうれしいですね。

大沢　お客様と、とても温かな人間関係をつくっておられるのですね。

都丸　商売を続ける上で、何よりも大切にしなければならないのは人間関係だと思っていましてね。お客様としっかりコミュニケーションを取ることで、ご要望にぴったりの商品やサービスを提供することができますから。それに、お付き合いを続けるなかで新しく自動車を購入していただいたり、修理を任せてもらえることもあります。人間関係を重視してきたからこそ、今日まで経営を続けることができたのです。

大沢　約26年間にわたって堅実に会社を経営されてきた社長の言葉には、重みがありますね。では、これまでを振り返ってみて、いかがですか。

都丸　独立してから15年ほどは無我夢中になって仕事に取り組んでいました。苦しい時期もありましたが、好きなことを仕事にしているという充実感がありましたから、一度も会社を畳もうとは思いませんでしたね。もちろん、従業員、そして妻の支えが私に勇気を与えてくれました。皆には、心から感謝しています。

都丸（八）　仕事を手伝うことが辛いと思ったことはありません。ですが、子ども達には寂しい思いをさせてしまいましたね。それなのに、長男、次男共に自動車整備業界に進んでくれているんです。長男は他社で板金整備の技術を学んでおり、次男は当社で仕事を手伝ってくれています。

大沢　ご両親の頑張る背中を見て、自らも同じ道を志されたのでしょう。とても親孝行なお子様方ですね。今後についてはいかがお考えでしょう？

都丸　これまで応援してくださった皆様にご恩をお返しするべく、今後は昭和村全体が少しでも良くなるよう、地域貢献に力を入れていきたいと考えています。そしてこれからも、「一人ひとりのお客様を大切に、地域に愛される企業づくりを目指す」との創業以来のモットーを忘れることなく、従業員一同、日々努力を重ねて参ります。

大沢　今後のご活躍を期待しています。