マナーと安全第一を徹底し
一つひとつの現場に全力を注ぐ
福岡県知事許可(般-22)第105568号
【足跡】 学業修了後は飲食業界に入って4年間勤務。その後は大型トレーラーのドライバーを10年近く務め、31歳のときに仮設工事会社の営業職に転身する。2008年、勤めていた会社の事業を引き継ぐ形で『西日本仮設リース』を設立し、現在に至る。
建築現場の仮設足場工事全般を手掛ける『西日本仮設リース』。2008年の設立と新しい会社ながら、一つひとつの現場を大切にする真摯な姿勢が高く評価され、口コミだけでお客様を増やしているという。本日はそんな同社を村野武範氏が訪問し、末次優証社長と奥様の弘美さんにお話を伺った。
村野 まずは、末次社長の歩みから。長年建設業に携わってこられたのですか。
末次 いいえ。子どものころから料理が好きだったので、学校を卒業した後は飲食業界に入りコックとして働きました。しかしまだ若かったこともあり給料が低かったので、妻と出会って結婚を意識するようになったのを機に転職することにしたんです。それで、免許を取得した上で大型トレーラーの運転手に転身し、飲料メーカーで10年間夜間勤務を続けました。ただ、給料的にはとても良かったのですが体力的にはきつく、また子どもが生まれたこともあり今度は日中の仕事をしたいと思いましてね。そんな折、たまたま仮設足場工事を手掛ける会社が営業職を募集していたので転職することにしたんです。
村野 飲食業界と運送業界という全く異なる業界を経験してこられたわけですが、営業のお仕事は肌に合いましたか。
末次 仕事を始めたころは色々と学ぶべきこともあって苦労しましたが、半年ほど経ったころには顔を覚えて頂けて徐々にネットワークもでき、良い成績を残せるようになりました。そしてしばらく後に、その会社の事業を引き継ぐ形で2008年に当社を立ち上げたのです。
村野 奥様は独立についてどのようにお考えだったのでしょう。
末次(弘) 勤めていたころから「いずれは独立したい」という話を聞いていたので、私もその心積もりはできていました。ですから実際に独立の話が出たときは特に反対することもなく、逆に少し迷っている主人の背中を押した感じになりましたね(笑)。
村野 奥様に応援してもらえて、社長も勇気が湧いたことと思いますよ。滑り出しはいかがでしたか。
末次 わずかな資金で材料を購入してスタートしたものの、なかなか当社の存在を知って頂けなくて半年間ぐらいは厳しい経営状況が続いていました。しかしそのうち少しずつお客様が増えていき、お陰様で今では営業をしなくても人から人へとご紹介頂けている状態なんですよ。
村野 それは素晴らしい! では、御社の業務内容について教えて下さい。
末次 主に建築現場の仮設足場工事全般を手掛けており、足場のリースも行っています。従業員は20名ほどで、大きな現場になると他所から応援に来てもらうこともありますね。
村野 従業員の方々に対して、普段どのようなことをおっしゃっていますか。
末次 高所での作業が多く危険が伴いますし、足場は現場で作業する人全員に関わる重要な部分ですから、くれぐれも安全管理を怠らないようにと伝えています。そして、もう一つ欠かせないのは挨拶や身だしなみといった基本的なマナー。特にお客様に対しては丁寧な言葉遣いと笑顔を意識し、しゃんとした態度で接するよう徹底しています。と言うのも、鳶職人というのは一般的に少し恐いイメージを持たれがちでしょう。ビルやマンションなどの大きな現場ならまだしも、戸建て住宅の場合だと昼間家にいるのは奥様1人だけということも多いんですね。そんなときに恐い風貌の職人がうろうろしていたら不安でしょうし、工事自体に不信感を抱かれかねません。
村野 鳶職人さんのイメージアップにも貢献しておられるのですね。
末次 当社には、高い技術力を持っていて挨拶もきちんとできる自慢の従業員が揃っています。新築でもリフォームでも、最初に現場で作業するのは私どもですから、そこで悪い印象を与えるわけにはいきません。現場に入る様々な職種の人の先陣を切っているという責任感を持ち、まずは施主様に好感を持って頂けるよう気持ちの良い第一印象づくりから心がけています。
村野 3年目を迎えられて事業も順調に進んでいる中、現在はどのような点に力を入れていらっしゃいますか。
末次 立ち上げから1~2年目は主に基盤づくりにウエイトを置いてきましたので、3年目以降は「現場力」を身につけていきたいと考えています。そこで最近では、行き届いたサービスに定評のある引越会社さんで研修を受けていましてね。現状に満足していては進歩はありませんから、技術面・サービス面ともにお客様に満足して頂けるよう積極的に勉強しているところなんですよ。
村野 御社が短期間で急成長してこられた要因は、社長の事業にかける真面目な姿勢に他ならないでしょう。今後はどのような展開をお考えですか。
末次 より多くの方と信頼関係を築きながら会社を成長させていきたいですね。そのためにも、一つひとつの施工に全力を注いで確かな経験を重ねていく所存です。また、事業の草創期に「1年間は昇給が見込めないが辛抱してほしい」と言ったにもかかわらず迷わずついてきてくれた常務をはじめとする頼れる従業員たちや、いつも支えてくれる妻、そして協力して下さる企業さんに感謝し、より良い施工を追求してまいります。
村野 これからもハイレベルな組織づくりをされることと期待しています。本日は誠にありがとうございました。
▲末次社長とともに対談に参加して下さった奥様の弘美さんも交えてゲストの村野武範氏と一緒に記念撮影
「現状に満足していては進歩できません。技術もサービスもさらに発展させたいですね」
(代表取締役 末次 優証)
お客様の一言を原動力に
▼1カ月に平均70棟もの現場を手掛けている『西日本仮設リース』。これだけ多くの現場を抱えていると、「つい作業がおざなりになりがちなのでは」と思われることも。だが同社ではそうした油断に最も警戒しており、どの現場も同じように大切にし、安全で丁寧な作業を徹底している。「私たちにとっては日々の慣れた作業でも、施主様にとっては多くのお金を費やすたった1度の工事。決して手を抜くことはできませんし、期待以上の仕事をして喜んで頂きたい」と、日々努力を続けている。そうした努力は、全てお客様の笑顔のため。「丁寧に仕上げてくれてありがとう」──。ときにお客様からかけられるそんな言葉が社長の疲れを消し、さらなる意欲に結びつけている。
「景気の低迷によって特に建築業界は厳しい状況が長く続いていると聞きますが、そんな中にあって『西日本仮設リース』さんでは新たな従業員さんを募集しておられるそう。事業の順調ぶりが窺えましたし、若い人材を育成しようという末次社長の熱意も伝わってきました。これからのさらなる発展が楽しみですね。」(村野 武範さん・談)
名 称 |
株式会社 西日本仮設リース |
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住 所 |
福岡県久留米市藤光町989-1 |
代表者名 |
代表取締役 末次 優証 |
掲載誌 |
報道ニッポン 2011年4月号 |
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