2024年09月03日更新
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(株)川合 対談取材記事

名刺
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トンネルの仕上げ工事に特化し
各地の交通事情改善に貢献

土木工事業

株式会社 川合

代表取締役 川合 一八
取締役 川合 浩子

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「正直に自分をさらけ出すことが、周囲との絆を強くする第一歩」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

父親の背中を追いかけるかのように、30年以上にわたって土木工事の道を歩んできた川合社長。そんな社長は、現場作業や経営業務に追われる中でも常に自分をさらけだし、決して嘘をつかないことを大切にしてきたという。

「こちらが正直に接すれば相手も正直になってくれるもの。それに本音をぶつけ合って初めて強い絆となる」と社長は語る。ときには自分のミスなどを正直に話し過ぎて奥様や周囲が心配することもあるそうだが、そうして常に真っ直ぐな気持ちで作業に向かい、お客様のために迅速に行動してきたからこそ、社長の周りには心から信頼できる人が集まっているのだ。


【代表取締役 川合 一八氏の足跡】

新宮市出身。中学校卒業後は岐阜県の自動車専門学校に進む。その後は和歌山市内の自動車関係会社に就職し、6年間勤務。地元に戻って1975年に事業を立ち上げ、車の修理と整備、販売などに従事する。3年後には土木事業にも携わるようになり、徐々に土木主体にシフトして現在に至る。


土木の中でもトンネルの仕上げ工事を主業務とし、全国各地の現場で活躍している『川合』。現在は大手ゼネコンとの取り引きをメインに、県や市町村の公共事業に携わっている。本日はそんな同社をタレントの布川敏和氏が訪問し、川合一八社長と奥様である川合浩子取締役にインタビューを行った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

布川 まずは、川合社長のこれまでの歩みから伺います。

川合 和歌山県新宮市出身で、地元の中学校を出た後は岐阜県にある自動車の専門学校に入学しました。卒業後は和歌山市内の会社に就職しまして、6年間の修業を経て帰郷。そして1975年に結婚したのと同時に、自動車の鈑金塗装や販売を行う会社を立ち上げたのです。

布川 現在も自動車関係のお仕事をしておられるのですか。

川合 いいえ。現在は土木関係の仕事をメインに手掛けています。実は父親が土木会社を営んでいたのですが、当時の私はどうしても車関係に進みたかったんです。しかし、この『川合』の創業にあたって、周りからの勧めで車と土木とを並行して手掛けるようになったのですよ。とは言え、土木については全くの素人でしたから、父の下で会社を支えていた従業員の方々に教わりながら作業を行っていました。そうしているうちに、次第に車よりも土木の方が面白くなってきましてね。それで1987年ごろに、現在の土木事業へとシフトすることにしたのです。やはり子どものころは父の背中に憧れていましたし、この道に進んだのは運命だったのかもしれません。

布川 取締役はいつごろから社長と一緒にお仕事をしてこられたのですか。

川合(浩) 自動車事業を手掛けていたころからずっと事務員として主人を支えてきました。土木業界の仕事は馴染みがなくて覚えるまでは苦労しましたが、今では若い職人に専門用語を教えられるぐらいになりましたね。

布川 まさに夫婦二人三脚で歩んでこられたのですね。土木と言っても様々ですが、得意とされている分野は?

川合 トンネル工事がメインで、掘削作業後に行われる仕上げの工程に特化しています。この特殊な工事に携わるようになったのは、大手ゼネコンさんのトンネル工事をお手伝いしたことがきっかけなんです。その際にコンクリートの巻き立て工事を行ったところ、高く評価して頂きましてね。それで、継続してトンネル工事を依頼されるようになりました。

布川 巻き立て工事というのは具体的にどのような作業なのでしょう。

川合 巻き立てというのはコンクリートで周囲を巻く工程のことを指し、トンネルの側面に壁面をセットしてコンクリートを打設していく作業を総称して呼ぶ専門用語なんです。長いトンネルの場合はこの作業を10mごとに行い、コンクリートが固まったらまた10mずつ前に進むということを繰り返していくんですよ。トンネルの美しさはそこで決まるわけですから、責任は重大ですね。

布川 “終わりよければすべてよし”ではないですが、仕上げ部分が工事の成否を左右しますよね。

川合 ええ。前段階でいくら良い仕事をしても、我々がいい加減な工事をするとそのトンネルは質の悪いものになってしまいますし、逆に前段階が完璧でなくても我々がカバーすれば美しいトンネルへと高めることが出来ますからね。ですからプレッシャーもありますが、重要な作業に携われていることにやり甲斐を感じています。当社は兵庫の舞子トンネルなどの工事に携わった実績を持っていますので、技術力に関しては自信を持っていますよ。

布川 特殊な業界ですから人材育成も難しいのではありませんか。

川合(浩) そうですね。この仕事は現場が全国各地にわたりますから、自宅から通えない場合は単身赴任になることもあるんです。しかも、工事の規模によっては完成まで2~3年かかることも多いので、家庭を持っている人を育てるのは難しいですね。ですから、私はいつも事務所にいる立場として、出来るだけ職人さんたちが働きやすい環境づくりに努めています。

布川 取締役のサポートがよい雰囲気づくりにつながっているのでしょうね。

川合 ええ。人材がなかなか定着しなくて悩んだ時期もありましたが、妻の支えもあって徐々に定着しました。ありがたいことに現在働いてくれているメンバーは皆真面目ですし、どこの現場でも高い評価を戴いています。彼らは私にとって自慢のスタッフですし、皆がいれば当社はもっと成長できるでしょう。そんな彼らに続く人材を育てられるよう、これからも育成には力を入れていきたいと思います。

布川 お話も尽きませんが、最後に今後の展望をお願いします。

川合 ここ数年は不景気で厳しい状況が続いていますが、どんなときも嘘のない誠実な仕事を続け、今のスタイルを崩すことなく着実に実績を重ねていきたいと思います。

布川 陰ながら応援しています。本日はありがとうございました。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

「不況でトンネル工事は減っていますが、要望がある限り誠実な作業を続けます」
(代表取締役 川合 一八)

「これからも出来る限り、主人と職人さんたちを支えていきたいです」(取締役 川合 浩子)

センスの良さを追求しているからこそ

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▼川合社長が信念としているのは、全てのセンスを磨くことだという。「センスの良い仕事をすれば、センスの良い人生を歩めます」と語る社長は、常に感受性を磨いて様々なアイデアを自分のものにすることが人生を豊かにすると考えているそうだ。例えば現場では、整理整頓がしっかりできている人に土木工事のセンスの良さを感じるという。「土木作業は土や泥にまみれることも多いもの。ですから、その中で毎日現場を綺麗に保つことは難しいんですね。しかし、いつ他人に見られても良いように美しくできている現場は、仕事の質が高く作業員も信頼できる」とのこと。そうして色々なところに目を向けてセンスを磨いているからこそ、同社は日々成長しているのだろう。

対談を終えて

「普段、何気なく通行しているトンネルですが、その背景には川合社長のような職人さんたちの人知れぬ苦労があるのだと知りました。そんな社長の今一番の気分転換はお孫さんと接することなのだとか。厳しい仕事だからこそ気分転換も必要だと思いますし、そうしたメリハリを大事にしながら今後とも頑張って頂きたいです。」(布川 敏和さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 川合

住  所

三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿1369-2

代表者名

代表取締役 川合 一八

掲載誌

報道ニッポン  2011年4月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『報道ニッポン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。