2023年02月13日更新
全登録者数 852件 (最新月度登録者数 0件)
トップページ (宗)智寂坊 対談取材記事

(宗)智寂坊 対談取材記事

名刺
動画

深遠なる仏の教えを
皆に分かりやすく伝える古刹

ちじゃくぼう

宗教法人 智寂坊

住職 池上 要靖

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─略歴

「智寂坊」の系譜をつなぐ池上住職は、寺を守ると同時に「身延山大学」で教鞭も執る人物。日蓮宗を通して人々との交流を盛んに行い、歴史の中で薄れてきた仏の教え、仏教の正しい形を伝えるべく励んでいる。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─対談

石橋 池上住職はこの「智寂坊」さんの何代目であらせられるのですか。

池上 明治の廃仏毀釈を経て判然とはしませんが、24代もしくは25代目です。大学は、父の勧めで日蓮宗の大学を卒業し、東京の大学院に進みました。その矢先に父が倒れ、急遽後を継ぐことになり、平成元年にこの地へ戻ってきたのです。その後、父は体調を持ち直して、私は高校で教鞭を執りながら父の下で修行を積みました。4年経ったころ父が他界し、私が「智寂坊」の住職に就きました。

石橋 こちらの特長をお聞かせ下さい。

池上 身延山の伝統で、当山には日蓮宗の大学や高校に通う生徒たちが寄宿しているんです。家族と合わせて10名ほどにもなる食事を用意してきた家内は、さぞかし大変だったと思います。

石橋 今後を担う若者たちを預かるのは責任重大ですね。

池上 ええ。学校で学ぶこと以外の礼儀作法や読経、僧侶としての人との接し方などを伝えるようにしています。相手を立てる、意志の力で我を抑える精神力を養ってもらえるよう努めているんです。また、大学で教鞭も執っています。

石橋 ほう。大学ではどのようなことを教えておられるのでしょう。

池上 主に仏教学やターミナル(終末)ケアなどです。ターミナルケアとは、医者、看護師、宗教家が力を合わせて人生の最期に向かう人の恐れを緩和させ、不安を取り除き、残りの人生をどうやって充実させていくかを考えるもの。他には仏教福祉学も教えています。寺にある幼稚園や保育園などもそうですが、元来お釈迦様の教えとは福祉の精神に由来するものなんですよ。聖徳太子が福祉に力を入れたのは、それが仏教の教えだったからに他なりません。

石橋 今後についてお聞かせ下さい。

池上 近頃では仏壇などを持たない家庭も多く、仏教とは葬式の際に必要なものとの意識も見受けられます。そこで我々仏に仕える者が伝承を怠ってはいけないとの思いがありましてね。当山では夏休みにお子さんをお預かりし、寄宿している生徒たちとの交流によってお寺に親しんでもらい、大人たちにはお釈迦様の教えを伝えています。また、大学では世界遺産の木造仏像を修復・保存するという活動も行っていましてね。そうして諸外国の人々が自国の文化を自分たちの手で守れるようになってくれれば何よりです。そうした活動を通じて、仏教の持っている教育システムを今の社会に生かしていきたいと考えているのですよ。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

対談を終えて

「『明治以降、我々人間が捨ててきたものの中には、拾い集めていくべきものがたくさんある』と池上住職はおっしゃいました。住職の考える仏教とは、我々が忘れかけていた大切な想いを呼び起こし、心を豊かにしてくれるもの。どこか懐かしいお話を聞いて、とても癒された思いです」(石橋 正次さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『国際ジャーナル』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

宗教法人 智寂坊(ちじゃくぼう)

住  所

山梨県南巨摩郡身延町身延3582

代表者名

住職 池上 要靖

掲載誌

国際ジャーナル  2011年4月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『国際ジャーナル』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。