2023年02月13日更新
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(株)ウッドハート 対談取材記事

名刺
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精密機械と熟練のノウハウを用いて
最高品質のプレカット加工を実現し
安心・安全な家づくりに貢献する

AQ認証住宅プレカットセンター

株式会社 ウッドハート

専務取締役 石郷岡 泰一

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─略歴

「父は非常に厳しい人でした。その厳しさが、今はありがたく感じます」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

石郷岡専務は、昨年亡くなった先代社長──自身の父親を、非常に厳格な人だったと振り返る。

自分の会社に息子たちが入社してきても、決して特別扱いなどはしなかった。給料は他の社員よりも低いほどで、誰よりも厳しく叱咤された。

身内だからと簡単に役職に就くことなど有り得ず、平社員から徐々に経験を積んだ。誰よりも厳格に指導されることで、専務は優れたノウハウを身につけられたのだ。

もし甘やかされていたら、今の自分はいないと専務は実感している。

厳格であること──それはつまり、妥協せず息子を愛し抜くことに相違ない。


【足跡】 青森県弘前市出身。高校卒業後は宮城県の大学に進学し、経営学を学んだ。卒業後は住宅関連の総合商社に勤めるも、約3年ほど勤めたころに父親から声がかかり、帰郷。『(株)石郷岡』に入社する。その後自身のやりたいことは製造業だと気付き、グループ会社の『(株)ウッドハート』に異動。今では専務取締役として、同社の業績を年々アップさせている。


高性能な機器を用いたプレカット材の製造を手掛けている『(株)ウッドハート』。同社では「AQ認証(優良木質建材等認証)」を受けるほどの高品質な加工をスピーディに行い、近年高まっているプレカット需要の中で大きな役割を果たしている。本日は穂積隆信氏が石郷岡専務のもとを訪れ、お話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─対談

穂積 まずは『(株)ウッドハート』さんの沿革から伺います。

石郷岡 当社は『(株)石郷岡』という会社を母体として1994年に設立されました。『(株)石郷岡』では長年木材や建材の販売を手掛けていたのですが、先代社長である父が、「これからはプレカットの時代が来る」と考えて、プレカット加工を専門に手掛ける『(株)ウッドハート』を立ち上げたのです。

穂積 プレカットの利点とは?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

石郷岡 元来、木造住宅を建築する際には、大工さんが柱などの木材を一つひとつ手作業で加工していました。そのため職人の腕によって、建材の品質にばらつきが出てしまっていたんです。プレカットは、大工さんの手を借りずに、コンピューターの計算に基づいて木材を機械加工する技術。これにより、精密で高品質な建材を、安定して供給することが可能となるのです。建築業界のシステムを大きく変えてしまう技術なため、設立当初は周囲から反対を受けたこともあったのですが、今では誰もが安心して住める高品質な住宅づくりを支える技術として、広く定着しています。プレカット加工を始めたのは、県内では同社が最初ではないでしょうか。

穂積 石郷岡専務のお父様は、先見の明がおありだったのですね。

石郷岡 そうなんです。当社では、高精度・高強度を誇るCAD・CAMにデータを入力し、最新鋭の全自動プレカットラインを用いて加工を行っています。そのため加工面の精度は完璧で、加工速度は早く、さらに低コスト。また乾燥処理や防腐・防蟻処理も施しているため、優良な加工業者だけに与えられる「AQ認証(優良木質建材等認証)」を受けているんですよ。当社が製造するプレカット材は、高耐久性木造住宅にも使用され、たくさんのご家庭の安心・安全な生活を支えています。

穂積 それはすばらしい。専務は学業修了後、すぐにこちらに?

石郷岡 いえ。大学を卒業して最初は、別の業界で就職しました。そちらで3年ほど働いたころに、父から「戻って来ないか」と言われたんです。いずれ家業を継がなければならないという気持ちもあったので、15年ほど前に帰郷して『(株)石郷岡』に入社しました。しばらくはそちらで販売を手掛けていたのですが、やがて自分がやりたいのは販売ではなくて、『(株)ウッドハート』が手掛けているような製造の仕事だということに気付いたんです。そこで父に相談し、『(株)石郷岡』を辞めて2009年に『(株)ウッドハート』に入りました。

穂積 会社を移られて如何でしたか。

石郷岡 とにかく忙しかったですね。でもそれが魅力的でした。『(株)石郷岡』では、だいたい午後5時や6時ごろになると仕事が一段落して帰宅していたのですが、私はなんだかそれが物足りなかったんです。しかし当社は、現場の人数が少ない中で多くの依頼に対応しており、非常に忙しい。皆必死に働いており、私はそういった活気のある職場に身を置いていたかったので、嬉しかったですね。

穂積 楽な職場に身を置きたいと考えるのが普通ですが、専務は向上心をお持ちだ。なかなかできる選択ではありませんよ。

石郷岡 『(株)石郷岡』は歴史があり、売上も『(株)ウッドハート』の10倍くらいある会社です。でも逆に言うと、当社は小さいからこそ、これから成長していく可能性を秘めていると言えるでしょう。極端に大きくするつもりはありませんが、自分たちの手で少しずつ成長していけるという面も、大きな魅力でしたね。

穂積 そのチャレンジ精神、多くの人に見習っていただきたいものです。

石郷岡 私は学生時代から、安定よりも挑戦し続けることのほうが好きだったんです。当社の社員にもそういったハングリー精神を持ってもらえたらいいと思っていて、そのため社員の頑張りには最大限報いるようにしています。お陰様で、去年・一昨年と結構な利益が出ましたから、ボーナスの他に決算手当を支給することができました。社員のモチベーション向上につながれば何よりです。

穂積 頑張った分だけ会社が還元してくれるのなら、次もまた頑張ろうと思えるでしょう。社員の皆様にとって、御社は働きやすいのではないですか。

石郷岡 当社は規模が小さいからこそ、社員全員が家族のような関係性なんです。会社が終わってから飲みに行くこともありますし、またバーベキューをすることもあります。距離感が近いからこそ駄目な時にはしっかりと言いますし、褒める時には心から「頑張ったな」と褒めて、本当の家族に接するような態度で接しています。

穂積 良い関係をお築きなのですね。最後に今後の展望をお聞かせ下さい。

石郷岡 来年の3月ごろに、古くなった設備を一新しようと思っています。そうして、一日に可能な加工量の増加を目指します。現状は依頼に作業が追いつかず、依頼をお断りしないといけないお客様が出ていますから、これからは断ることなく全て請けられるようにしたいですね。今は『(株)石郷岡』から発注される仕事がメインですが、ゆくゆくは色々な地域の工務店様と一緒に仕事したいと思っています。そのようにして、プレカット加工の地域一番店を目指します。

穂積 本日はありがとうございました。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

先代社長が息子に遺した財産

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─【石郷岡流、経営の極意】高品質の製品作りを徹底・チャレンジ精神を忘れない・スタッフと家族のように接する

▼『(株)ウッドハート』の先代社長──石郷岡専務の父親は、2012年に亡くなった。先代は生前、専務に家訓として、「お客様第一主義を貫け」「保証人になるな」「親兄弟仲良く」という言葉を遺した。「お客様第一主義を貫け」という言葉には、会社を支えてくれるお客様の存在を常に忘れず、感謝をもって仕事に当たらねばならないという訓戒が見て取れる。「保証人になるな」という言葉には、専務の人生を案じ、また不必要ないさかいを避け、会社の安定を願う想いが込められているのだろう。「親兄弟仲良く」という言葉には、遺された家族一人ひとりに幸せになってほしいという、一人の父親の愛情が窺える。経営者として人生を歩んだ先代の、厳しくも優しい人柄が、これだけで十全に伝わってきた。これらの言葉を専務は肝に銘じ、自身が生きていく上での一つの指針としている。今後は父親に替わり、自身が会社を、そして家族を守っていかねばならない。決して簡単なことではないが、堅実であること、周囲を大切にすることを説いた父親の教えを重んじる専務ならば、立派にその役目を果たすだろう。

対談を終えて

「もともと石郷岡専務は、家業に入ることに積極的ではなかったそうです。それでも今は責任感と向上心をもって『(株)ウッドハート』を切り盛りしていらっしゃる。専務のお父様はとても立派な方だったようですが、私の目からは、社員さんたちと良い関係を築きながら会社のレベルアップを図っている専務のお姿も、とてもご立派に見えますよ」(穂積 隆信さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 ウッドハート

住  所

【本社】

青森県弘前市神田二丁目4-17

対談者名

専務取締役 石郷岡 泰一

U R L

http://www.ishigoka.jp/

掲載誌

センチュリー  2013年10月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『センチュリー』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。