温故知新の精神で生む極上の和菓子に舌鼓
大沢 早速ですが、「菊芳堂」さんの沿革からお聞かせ下さい。
加藤 当店は、私の祖父が戦前に創業しました。老舗の和菓子店で修業し、そちらの屋号である「菊」の文字をいただき、のれん分けのような形で当店を始めたと聞いております。私で3代目になるのですが、創業から起算すると85年ほどになります。
大沢 歴史ある和菓子店なのですね。後を継がれていかがですか。
加藤 伝統に頼るだけでは新しいお客様を獲得できないと考え、「半熟カステラ」や「いちご大福」など若い世代に好まれる商品を増やしました。そうして私の代になってから、メニューを倍近くに増やしたんですよ。今は若い世代のお客様も増え、老若男女様々なお客様が当店に足を運んで下さいます。
大沢 時代のニーズに即した加藤代表の発想が、素晴らしいと思います。では和菓子作りのこだわりをお聞かせ下さい。
加藤 第一に、材料にこだわっております。上質の素材を使うのはコストもかかりますが、そこは企業努力で商品の値段を上げないように努めているんです。長く愛される味になるには、安易な妥協は禁物ですからね。また、地域の皆さまに愛されるような商品作りにも注力しております。ここ座間市には「大凧まつり」という代々伝わっている伝統行事がありましてね。毎年端午の節句に大きな凧を揚げるのですが、それに因んで当店では「大凧最中」を作っているんです。美味しい地産の水と純度の高い氷砂糖を使用しており、地産地消の名物和菓子としてご愛顧いただいています。
大沢 観光客も楽しめる素敵なご当地商品ですね。では最後に、今後の抱負を。
加藤 この地域に長く在る店ですから、いつまでも地域の人に愛される店であるよう、これからも頑張りたいと思います。
名 称 |
和菓子司 菊芳堂 |
---|---|
住 所 |
神奈川県座間市座間1-3003-2 |
代表者名 |
代表 加藤 正司 |
掲載誌 |
国際ジャーナル 2011年4月号 |
本記事の内容は、月刊経営情報誌『国際ジャーナル』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。