「ペットの怪我や病気を治療するプロセスにおいては
飼い主さんの心のケアもとても重要なんです」
エキゾチックアニマル(犬猫以外の小動物を表す言葉)の総合的な診療で地域でも評判が高い『アイリス動物病院』。噂を聞きつけて県外からも多くの飼い主が多様なペットを連れて相談に訪れている。同院のモットーは、「飼い主さんのお話をよく聞くこと」──伊藤院長はじめスタッフたちは、飼い主とペットの絆に寄り添い、最良のチーム治療を提供しているのだ。
吉沢 伊藤院長が獣医師を目指されたきっかけは何だったのでしょうか。
伊藤 はっきりと将来の目標を獣医師と定めたのは高校生の時でしたが、以前から動物には親しみを覚えていまして。小学生の時、飼っていたセキセイインコが死んでしまい、私は3日ほど学校を休むくらいショックを受けました。その時、命の大切さを考えるようになり、同時に、インコに自分がどれだけ支えられていたかということを知りました。そして将来、そうした動物を救う仕事ができればと思うようになったことが、そもそものきっかけですね。
吉沢 『アイリス動物病院』さんを開業されたのはいつごろですか。
伊藤 2005年です。いざ開業となった時、自分自身が看板を背負うことに責任の重さを実感しましたね。
吉沢 こちらは小動物を診て下さるとか。犬や猫以外にも、ということでしょうか。
伊藤 はい。以前勤めていた病院では、先輩医師が犬や猫だけではなく、エキゾチックアニマルの診療をしておられましてね。そうした中で経験を積みましたので、実に様々な小動物を診てきたんですよ。多様な経験ができたことは、今に生きています。
吉沢 院長が治療の上で大切にしていらっしゃることは何でしょうか。
伊藤 まず、飼い主さんとよくお話しするということです。ペットは自分で痛いところやどう苦しいのかを説明することはできません。ペットの状況を一番把握しているのは飼い主さんですから、普段とどう違うのか、どんな行動をするのか、お話の中から総合的に判断していきます。当院では外科手術も内科療法も行いますが、何がその子にとって最良かを考え、いくつかの選択肢を用意してご説明する、インフォームド・コンセントが最も重要だと考えています。
吉沢 飼い主さんは、人間の家族同様にペットのことを心配して不安でしょうから、そんな風にお医者さんが親身になって下さると安心できます。
伊藤 小動物は人間よりも生命力が強いのではないかと思えるほどの回復ぶりを見せることがあります。ペットの治療に当たる際、最も大事なことは私共が飼い主さんと二人三脚で頑張ること。ペットには周囲の人間の心がきちんと伝わります。それに応えようとする力が生命力なのではないかと思いますね。そうした命の力強さを感じるたびに、この仕事をやっていて良かったと思いますよ。
吉沢 最後に、これからの夢を。
伊藤 仙台にはこうした小動物を総合的に扱う動物病院が少ないので、これまでに得た経験をもとに、獣医学の発展に貢献できたらと思っています。セミナーでの発表や研究を続け、積極的に情報を発信していきたいと考えています。
「ペットを飼っていればいつか必ずお別れが来ます。でもそんな別れの時を思ってペットを飼う人はいません。一緒に過ごす時間の中でたくさん思い出を作り、『出会えて良かった』と思えることがペットにとっても飼い主さんにとっても一番幸せなことだと伊藤院長は話して下さいました」(吉沢 京子さん・談)
名 称 |
アイリス動物病院 |
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住 所 |
宮城県仙台市青葉区旭ヶ丘3丁目18-31 |
代表者名 |
院長 獣医師 伊藤 寿朗 |
U R L |
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掲載誌 |
ザ・ヒューマン 2012年9月号 |
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