2023年02月13日更新
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ハマセツ&リベンプラザ(株) 対談取材記事

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地域福祉を支える方法は千差万別
出来ることを模索し、実践したい

ハマセツ&リベンプラザ 株式会社

代表取締役 濱田 也広

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「出来ることを実践する── その積み重ねが大きな力になります」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

水の位置エネルギーを利用し、水に働く重力によって回転する水車。

介護生活も、プロだからできる支援やボランティアという力を加えることで、水車のごとく、心地良い音を立てて円滑に回るはず。

それが福祉事業に取り組む濱田社長の持論だ。

人とは、自分の立場や能力をもってして出来ることがあるのに、時に盲目である。

だが社長は、住環境整備のプロとして介護を支援する道を見つけて事業とし、資格を取得してケアタクシーの運行を始めるなど、自分に出来うることを実践。

我々すべての人間に役割がある──社長の行動はそのことを指し示している。


【足跡】 鹿児島県出身。県内の高校を卒業後、陸上自衛隊第1空挺団に入隊する。3年の後、除隊。奨学制度を利用して『東京スクール・オブ・ビジネス』に入校し、勉学に励んだ。卒業後は、フランチャイズコンサルティングの池ノ上直隆氏の書生に。その後、結婚を機に給排水設備工事業界に転職し、独立を経て現在に至る。


シニア世帯や要介護者を抱える世帯が快適に暮らせる住空間づくりを手掛ける『ハマセツ&リベンプラザ』。濱田社長が、給排水設備工事を手掛ける会社として創業し、自身の介護経験をきっかけに介護生活を支援するリフォーム事業に取り組むようになった。ケアタクシーとボランティアサービス、救援事業を組み合わせた福祉事業にも着手。本日は、ダンカン氏がそんな同社を訪問した。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

ダンカン 早速ですが、『ハマセツ&リベンプラザ』さんの業務内容から伺います。給排水設備工事を手掛けながら、福祉事業も進めておられるとか。珍しい組み合わせですよね。

濱田 もともとは一般的な給排水設備工事からスタートしたのですが、私自身、アルツハイマーを患った母親を介護した経験がありまして。介護を必要とする人、そして介護する人が暮らしやすい住空間づくりも大切な介護支援だと気づいたんです。仕事上、お客様のご自宅の中を拝見させていただくわけですが、築20~30年が経つ古い家が多いんです。当然、水まわりに劣化が見られ、それ以上にお年寄りには使いづらい造りであることも多々あります。そうした家にお邪魔する度、少しでも使いやすいように変えてあげたいとの想いが募りまして。そこで、創業以来、地域に密着することを重んじてきた当社は、介護生活の負担を少しでも軽減できるような水まわりのリフォームプランの提案から施工までを手掛けるようになったのです。

ダンカン なるほど。介護生活が送りやすい環境づくりも、確かに大切な介護支援の一環ですね。

濱田 ええ。加えて当社では、さらなる介護支援をとケアタクシーを提供しているんです。こちらは、埼玉県では初となるシステムなんですよ。

ダンカン ケアタクシーとは、車イスで利用でき、ドライバーが乗り降りをサポートしてくれるタクシーですよね。

濱田 はい。車イスや寝台のまま移動可能なタクシーのことを言い、ホームヘルパーや訪問介護員が自らの運転する車両への乗車・降車の介助を行うと共に、タクシーの利用に伴う屋内外における移動などの介助、通院先での受診等の介助も行います。まず当社ではこのケアタクシーに、「1K短縮ケア運賃」を採用しているんです。通常のタクシーは初乗りが2kmですが、私共のタクシーは1km。その分、初乗り料金を下げているので、1km以内のご利用であれば300円で済みます。

ダンカン それはお安いですね。

濱田 そうでしょう。さらに1km以降は、250mごとにプラス90円という計算で細かく区切り、2kmで660円なんです。基本介助料金として、車イスの乗降に500円、車イス介助に1000円いただきますが、それでも安く済むと思います。そしてこのケアタクシーに、ボランティアサービスを組み合わせているのが、当社の「ケアタクシー 水車」なんです。

ダンカン 「水車」……という名称には何か由来が?

濱田 水車とは、水の位置エネルギーを使い、水に働く重力によって回転します。介護も同じ。ボランティアという新しい力が加わることで、皆さんはより円滑に暮らせるようになると思うんです。

ダンカン なるほど、納得しました。では、ボランティアサービスについてお聞かせ下さい。

濱田 では、メニューのうちの「10分水車」についてご紹介します。乗車してから目的地までに要した時間の半分が、その距離にかかわらずポイントになるんです。たとえば、乗車時間が20分の場合は、10分ごとにスタンプ一つが利用者カードに押されます。そうして貯まったスタンプの数によって、ボランティアサービスを受けていただけるんです。

ダンカン それはいいですね。ボランティアサービスにはどういったものが?

濱田 私共の本業を活かした水まわりのトラブル解消、重い物のつり上げや移動・撤去のお手伝い、電話代行としてお客様に代わって情報を収集したり、訪問セールスへの対応や同席もさせていただきます。ご家族に代わって私たちがサポートさせていただいていると考えて下さい。ただ、依頼内容が有償の救援事業サービスに該当する場合には、支援の範囲や内容を調整させていただきますが。

ダンカン しかし、タクシーを利用して貯めたポイントでそうした支援を受けられるとは、お客様は嬉しいでしょうね。救援事業サービスには、どういったものが?

濱田 留守時のご自宅の見廻りやお買い物の代行、病院の予約・受け付け・順番待ちなど、埼玉陸運局から許された有償サービスです。こちらは、当社のタクシーに乗車されていない方にもご利用いただけますよ。また、ボランティアサービス、救援事業サービス以外にも、横のつながりを活かして専門業者と協力体制を敷き、大工仕事やガス工事、塗装・防水工事などのご相談にも応じています。

ダンカン 本業と福祉事業を上手く絡めていらっしゃいますね。ニーズは多いでしょう。

濱田 福祉事業を始めてから丸2年で、まだまだこれからです。現在、ホームヘルパー2級を取得しているのは私だけなのですが、3名の従業員が2種免許を取得しており、今後はホームヘルパー2級の取得を進めていきたいですね。ダンカンさんが言って下さったように給排水工事事業と福祉事業を上手く絡めて、介護を必要とする方、介護にあたる方の助けとなれるよう、努めます。

ダンカン ますますのご活躍を期待しています!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

介護経験者だから出来ること

▼介護の現場とは、実際に経験しなければ分からないことが多くある。それは介護される人・する人、その双方にとって言えることであり、住み慣れた自宅での暮らしであっても、健康な時には何でもなかったことが介助や支援なくしては出来なくなり、日常の中で不便さを感じることが増えていく。そうした中で生まれる「もっとこうだったら」を解消するリフォームを提供するのが、『ハマセツ&リベンプラザ』だ。介護の負担を軽減する人々に優しいユニバーサルデザイントイレへの取り替えをはじめ、「変えて良かった」との声を増やしている。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▼「介護経験者として、出来ることをしたかった」──。同社が2年前からスタートさせた「ケアタクシー 水車」は、そんな濱田社長の想いがより発展したものだ。病院やスーパーへの送迎はもとより、自家製の手打ち蕎麦が自慢の蕎麦屋や広々とした施設でゆっくり入浴を楽しめる健康センターなどへと、身体の自由がきかずに行動範囲が狭まりがちな利用者を案内することも。今日もきっと誰かを載せて、“水車”は街を走っている。

対談を終えて

「かつて、故郷からご両親を呼び寄せ、介護にあたっておられた濱田社長。家庭の事情で一緒に暮らしたくても暮らせないなどの理由で、独居老人が増えている昨今のことを考えると、ご両親はさぞ嬉しかったことと思います。さらには、介護経験を活かして多くの方の力になろうと事業にされたわけですから、ご立派です。『人生の大先輩であるお年寄りのお役に立てることに、やり甲斐を感じます』とおっしゃった社長。事業の発展を応援していますよ!」(ダンカンさん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

ハマセツ&リベンプラザ 株式会社

住  所

埼玉県三郷市彦江1-278

代表者名

代表取締役 濱田 也広

掲載誌

ザ・ヒューマン  2012年8月号

※代表者名の“濱”は正しくはうかんむりの下が“眉+八”の異体字です

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。