2020年02月06日更新
全登録者数 23,545件 (最新月度登録者数 3件)
トップページ (株)エスティーワイ 対談取材記事

(株)エスティーワイ 対談取材記事

名刺
動画

金型から組立までを一貫して請け負う
盤石の態勢で日本製造業を支える

プラスチック成形・加工・販売

株式会社 エスティーワイ

株式会社 島崎金型

代表取締役社長 島崎 茂

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「本気でやるなら犠牲が必要です。その分、目標達成の喜びも大きい」

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

卒業文集に「お父さんの後を継いで社長になりたい」と書いたのは小学生のころ。その夢のため家業に入って以来、社長の歩みはチャレンジの連続だった。

成形事業の確立、金型事業との連携。社長職に就いてからも365日、休日も関係なく会社のことを考え抜いた。「生半可な気持ちでは夢は叶わない」との社長の言葉は、重ねた苦労を窺わせる。

しかし意外にも「そんな日々が、全然苦にならなかった」と社長は続けた。それは、挑戦者だけが知る喜びがあったから。目標達成の喜びを知るからだ。

だから社長は挑戦を恐れず、常に目標を掲げ続ける。次の夢は「従業員を幸せにできる会社づくり」。新たな戦いは既に始まっている。


【足跡】 1978年、栃木県佐野市生まれ。『島崎金型』創業家の長男として、小さな頃から後継を志して育つ。大学卒業後すぐに家業に入り、成形分野を弟と担当。金型と並ぶ事業軸に育て、30歳の時に成形を手掛ける『エスティーワイ』の社長職に就いた。現在は金型をはるかにしのぐ売上を達成し、父親、そして従業員の信頼に応えている。


1973年の創業以来、金型製造・プラスチック成形メーカーとして、精密金型・精密成形品の成形を請け負ってきた『島崎金型』と『エスティーワイ』。常に時流を見据えて先見性を持って事業展開を進めてきた同社は、2003年にはクリーンルームを設置し、さらに業容を広げている。本日は、成形を担う『エスティーワイ』の島崎茂社長を訪問。経営における信念を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─対談

竹原 まずは、御社の沿革から伺います。

島崎 1973年、金型製造メーカー『島崎金型製作所(現島崎金型)』としてスタートしたのが私共の始まりです。その後88年に『エスティーワイ』を設立し、96年にプラスチック成形事業をスタート。2003年にはクリーンルームを設け、医療品・食料品関連を含め、扱う商品の幅を広げました。現在は金型から成形、組立といった後加工までを一貫して手掛けており、それが私共の強みにもなっています。

竹原 やはり、金型と成形を一緒にやるというのはそれほどのメリットが?

島崎 そうですね。成形中に金型が壊れたり摩耗したりといったことはよくあり、そうした際、修理やメンテナンスに意外と日数をとられるものなんです。その点、当社のように同じ会社で金型工場がすぐ近くにあると、メンテナンスやアフターフォローがすぐにできる。また、金型と成形の両方を手掛けることによって、弊社独自の技術とノウハウが蓄積できました。『島崎金型』は、どうすれば成形しやすい金型、長持ちする壊れない金型ができるのか、また、『エスティーワイ』はどうすれば金型に負荷をかけずに成形できるか、金型では補えない部分を成形技術、成形機で補えるのかという技術を磨くことができたんです。

竹原 相乗効果があったわけですね。

島崎 ただ、そこまでの関係になるまでにかなりの苦労を重ねました。成形は金型が悪いからうまく成形できないんだと言うし、金型は成形技術がないから良い成形品ができないんだろうと言う。以前は喧嘩ばかりでした。親子や兄弟みたいな間柄なんですが、だからこそ、ぶつかりあってしまうんですね。

竹原 その際、どのように調整を?

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
▲工場をまわりながら興味深そうに説明を受ける竹原氏

島崎 成形の担当者を金型の方に研修へ行かせて、金型の加工機を動かしたり、設計の技術を学んでもらったりしました。一方、金型の人には、自分たちが作った金型を成形機に取り付けて実際に成形してもらったりということをしたんです。そうすると互いの中で徐々に理解が進み、成形の人は「金型づくりも大変だな」と、逆に金型の人間は「この金型では成形しづらいな」ということが分かってきたんです。一番大切なのは、やはり互いのことをよく知って信頼し合うことだと痛感しました。お客様に喜ばれる製品をつくるという目的は一緒の訳ですから、あとはその気持ちをいかに一致させるか。当社ではその点がうまく機能していることが、他社との差別化・技術の向上につながっていると思います。

竹原 チームワークで会社を成長させておられる訳ですね。今は成形がメインで?

島崎 ええ。以前は全体の8割が金型の仕事でしたが、現在は割合が逆転し、成形が8で金型が2くらい。ここ10年で金型の海外生産が急速に進みました。以前は安かろう悪かろうだったんですが、最近は安くて早くてうまい。こう言うと牛丼みたいですが(笑)、実際のところ、かなりの脅威になってきています。当然製品にもよりますが、やはり海外ですと金型の元となる鋼材費も安く、人件費はもちろん最近は加工機も日本メーカー産で最新のものが入ってたりしますから、侮れません。国内で金型のみで勝負しようと思ったら、よほど他にはない技術を持っていないと厳しいでしょうね。その点、我々は常に先を見て動いてきました。成形を事業軸に加えたこと然り、クリーンルームをつくったこと然り。多品種生産が可能な体制を整え、何でも屋として、幅広く、安定した受注を受けています。

竹原 時流に対応するために、社長が果たした役割も大きかったのでしょう。

島崎 確かに成形分野に関しては、私と弟で試行錯誤して創り上げてきた部分もあります。しかし、変化は我が社の創業以来の伝統でもある。長年事業を続けていくと時流に鈍感になりがちですが、その点、父は偉大だったと感じます。

竹原 では、世情の変化の中、御社も海外進出を視野にお入れでしょうか。

島崎 いえ、実はそれは全く考えていないんです。今の時代にアンマッチかもしれませんが、日本のものづくり業者の意地があるというか……。皆によく言っているのが「敵は海外ではなく、日本のライバル企業でもない、社外ではなく社内であり、相手ではなく自分自身だ」ということ。常に革新を繰り返し、品質向上の努力を重ねることで、国内のみでも十分チャンスはあるし、成長していけると確信しているんです。

竹原 最後にこれからの展望を。

島崎 経営は、トップの考えていることを従業員の力を借りて達成することだと言われます。企業経営というのは当然のことながら、自分ひとりの力ではできません。だからこそ、周囲で支えてくれる人たちと、いかに良い関係が築けるか、ベクトルを合わせられるかが問われるんです。共に働く人たちの力を活かすも殺すも経営者次第。そう考えると、人材をまとめる困難を補って余りあるやり甲斐を感じます。私自身、まだまだ若輩者ではありますが、誰よりも努力を重ねることで従業員や取引先の信頼を得て、前進していきたいと考えています。

竹原 今後が楽しみですね!

島崎 今の夢は、従業員を幸せにできる会社づくり。従業員とその家族に、「この会社に入って良かった」と思ってもらえるよう頑張ります。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

高品質の追求に徹し、日本ブランドを守り抜く

▼島崎社長は、かつてある自動車メーカーの人から次のような言葉をかけられた。「なぜ日本車が売れるのか、それは故障しないからです。じゃあなぜ故障しないかというと、自動車に使用されている個々の部品が壊れないから。つまり、部品一つひとつの品質が安定しているためです」。その後に続くのはおそらくこんな言葉だ。──だから、部品メーカー自身が“日本ブランド”を背負っているという覚悟を持って仕事をしてくれ。あえて口にされない内容の厳しさ故に、社長はこの言葉をはっきりと覚えている。高品質への飽くなき要求が日本製造業の生命線ならば、それを根底から支えているのは部品メーカー。何十万、何百万と生産する部品のうち、不良は一つも許されない。

▼だからこそ、QCD(品質・価格・納期)のうち、何よりも品質を重視するという社長。現在では中国をはじめ海外での生産が多くなった金型やプラスチック成形だが、日本でしかできない精度の高い緻密な仕事もあると指摘する。事実、海外生産で品質が基準を満たさず、急遽『エスティーワイ』に委託された仕事もあったという。日本のものづくりの強みは高い品質であり、自社の仕事がそれを支えているという自負が、「まだまだ海外には負けませんよ」と語るその目を鋭く光らせた。胸に宿るのは、日本国内でのものづくりを貫き、日本製造業を支えていくという決意。王者の技術と挑戦者の気概を持って、日本製造業を下支えしていく構えだ。

対談を終えて

「『エスティーワイ』さんの社名の由来は、茂社長をはじめ、3人のご兄弟の頭文字なんだとか。『島崎金型』創業者であるお父様の、ご子息達への期待が窺えます。実際、現在では社長と弟さんが牽引する成形分野が大きく業績を伸ばしておられるとのことで、期待を上回る実績を出しておられます。プレッシャーも大きかったとは思いますが、それをはねのけて事業を成長に導いておられる社長ですから、今後のご活躍が益々楽しみでなりません」(竹原 慎二さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

株式会社 エスティーワイ

住  所

【成形本社工場】

栃木県佐野市富岡町1595

【大橋工場】

栃木県佐野市大橋町3202-16

【関川工場(物流センター)】

栃木県佐野市関川町586-1

代表者名

代表取締役社長 島崎 茂

U R L

http://www.shimazakikanagata.co.jp

名  称

株式会社 島崎金型

住  所

【金型本社工場】

栃木県佐野市富岡町1459

掲載誌

ザ・ヒューマン  2012年6月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『ザ・ヒューマン』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。