月刊経営情報雑誌「マスターズ（MASTERS）」（国際通信社）、「アンカー（ANCHOR）」（報道通信社）、「センチュリー（CENTURY）」（USPマネジメント）対談取材記事掲載の経営者が参加する国際通信社グループ運営の異業種ネット

島崎　『優健工業』さんでは、どういったお仕事をされているのでしょう。

金城　当社では「お客様のニーズに応える空間を！」をコンセプトに、主に内装工事を手掛けております。店舗や事務所、戸建て住宅にマンションなど、幅広いジャンルの建物に対応しておりますね。店舗・事務所の場合は、空間のデザイン・施工業務を通じてお客様の店舗、会社に繁盛していただくことを。戸建て住宅やマンションでは、お客様の暮らしや気持ちにジャストフィットする環境づくりを第一に施工に臨んでいます。

島崎　お客様の想いに沿った施工を手掛けていらっしゃると。金城社長は、長く内装工事に携わってこられたのですか。

金城　はい。高校を卒業してから直ぐに建築内装業の職人見習いとして働くようになり、以来この道一筋になります。全くの未経験からのスタートでしたので、はじめは右も左も分からず、とても大変でした。ただ、私には「とにかく仕事がしたい！」という強い想いがありましたので、毎日一生懸命に働いていましたね。そんな中、私が常に考えていたのは「今の自分に何ができるか」ということ。そうしてはじめたのが、“朝誰よりも早く出勤すること”と“絶対に仕事を休まないこと”。加えて、現場では常に走っていましたね。

島崎　どんなことでも、誰よりも素早く行動されていたと。

金城　ええ。当時の私は本当に何もできませんでした。それでも雇っていただけたのですから、できないなりに少しでも会社の役に立ちたいと思って、どんなことでも常に全力で臨んでいたんです。

島崎　ご立派です。しかし、時につらく感じることもあったのでは？

金城　そうですね。何もできない自分に負い目を感じることはありましたが、先ほどお話しした“会社の役に立ちたい”という想いのほうが強かったので、とにかく前向きに歩んできました。

島崎　それだけ、仕事に対する思い入れが強かったのですね。

金城　はい。そうして少しずつ経験を重ね、自分にできることが増えていくと今まで以上に仕事が面白くなっていき、どんどんとのめり込んでいきました。

島崎　どういった部分に魅力を感じましたか。

金城　職人目線で言えば、何もないところから壁や天井ができあがっていくのを実感できたのが楽しかったですね。また、自分が納得できる仕上がりにできた時の喜びはひとしおでした。加えて、お客様からの「良い仕事をしてくれた」というお褒めの言葉が、やり甲斐へとつながっていきました。

島崎　では次に、独立に至るまでの経緯をお聞かせ下さい。

金城　幾つかの内装工事会社で経験を積み重ねる中で、いずれは独り立ちしたいという思いが高まっていったんです。そうして独立したのが23歳のころ。周囲からは止められもしましたが、とにかく「やりたい」という強い衝動に駆られ、独立したんです。その後はつらい時期も経験しましたが、仕事が楽しくて仕方がなかったので、昼夜を問わず働いていましたね。そして、29歳の誕生日に法人化を果たしました。

島崎　一国一城の主として大成されたのですね。職人さんの中には、個人営業を続けられる方もおられますが、法人化されたことには、何か理由が？

金城　共に働く従業員や取引先のことを考えての決断です。従業員のためにも福利厚生を整え、安心して堂々と働いてもらえる環境を整えたかった。また、大手の取引先様と取引するようになってからは、「相手と同じ土俵に上がり、企業対企業のお付き合いをしなければ失礼なのではないか」との想いが高まったことから、法人化に踏み切りました。今年で7期目になります。

島崎　お話からは、順調に進んでいらっしゃることが窺えます。最後になりますが、今後の展望をお聞かせ下さい。

金城　今以上に会社を成長させていきたいですね。そのためには人を育てることが大切でしょう。私がどんな思いを持って仕事を進めているか──従業員には、それを理解した上で、少しずつ成長してもらいたいですね。また、人を育てるだけでなく、自分自身も経営者として成長していく必要があるでしょう。そうして皆と一緒に成長することで仕事の幅を広げていき、多様なニーズに応えられる会社になることが目標です。これからも皆と思いを共有し、全社一丸となって成長を果たしたいと思います。

島崎　これからも、頑張って下さい！