2017年10月20日更新
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アートメモリー80(株) 対談取材記事

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葬儀業界に蔓延する“当たり前”に一石を投じ
葬儀をあるべき姿に変えていきたい

アートメモリー80 株式会社

創業者 平坂 政己

代表取締役社長 平坂 剛

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─略歴

「自分たちが闘うべき相手は、他社ではなく業界の慣習です」
(創業者 平坂 政己)

 

「時代のニーズに柔軟に対応し 変革していく気概を持ち続けたい」
(代表取締役社長 平坂 剛)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─人ページ写真

葬儀業界には古き慣習が色濃く残る。

伝統を重んじることは重要だが、一方では時代にそぐわない面があるのも事実。

葬儀にかかる費用は時価──そうした固定観念が浸透していた十数年前、『アートメモリー80』では、HPなどを通じて明確な料金体系を打ち出した。

そのことをやっかむ同業社もいたが、創業者の平坂政己氏と剛社長は意に介さない。

なぜなら、闘うべき相手は競合他社ではなく、業界の慣習であるからだ。

葬儀業界を顧客主導にするという強き意志は、今もなお同社の芯を貫いている。


【足跡】 埼玉県出身。学業修了後、葬儀業界に入り父親のもとで実務を学ぶ。父親が独立して以降、同業他社でさらに研鑽に励み2004年に『アートメモリー80』に入社。父親と二人三脚で会社の基礎を作ってきた。父親が2年前に病に伏したことから代替わりを果たす。現在は父親の遺志を継ぎ、社を懸命に守り立てている。


「人生は様々な思い出に彩られた物語であり、その最後を飾るのが葬儀というセレモニー。故人を物語る大切な思い出(メモリー)を、美しく象徴的なセレモニー(アート)に変える」──そうした思いを込めて名付けられた『アートメモリー80』。旧態依然とした葬儀業界にあって、“業界主導”から“お客様主導”へと変革させてきた同社の平坂社長に、大西結花さんがお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─対談

──早速ですが、平坂社長の歩みからお聞かせ下さい。

埼玉県の出身で、葬祭業に従事する父の背中を見て育ちました。家族のために、日々汗を流して働く父に薫陶を受け、学業修了後は父が勤めていた葬儀会社に入社。父のもとで葬儀業のいろはを学んでいきました。実際にこの仕事に就いてみると、こんなにやることが多いのかと、驚いたことを今でも覚えています。

──お父様も、社長が自分と同じ道に進まれたことを喜んでおられたのではありませんか。

どうでしょうか(笑)。父は家では優しい一面も見せますが、仕事では厳しい人で。私としても、職場では“父”ではなく“上司”でしたから、ずっと敬語を使っていましたよ。そんな父は思うところあって独立する運びとなり、その準備の期間、私は同業他社に移ってさらに経験を重ねました。2002年に父がこの『アートメモリー80』を設立し、事業が徐々に軌道に乗ってきたころに父から声をかけられ、再び共に仕事をするようになったのです。

──お父様はどういった思いから独立への一歩を踏み出されたのでしょう。

格好よく言えば業界の健全化、言葉を選ばずに言えば自分の思うように仕事がしたかったからではないでしょうか。今は何かにつけて、インターネットで調べればほとんどのことがわかりますが、10数年前は一般の人たちにとって葬儀業界というのは非常にわかりにくいものでした。特に費用面については、葬儀の相場がどのくらいなのかわからず、かといって人に聞くこともできない。加えて葬儀は急に訪れるものですから、いくつかの葬儀会社から見積もりを取って……という余裕もない。そうすると、限度はありますが、葬儀会社から提示される金額に応じるしかないんですね。つまり、お葬式は葬儀会社あるいは葬儀業界が主導している、というのが業界の在り方だったんです。父はそこに風穴を空けたくて、起業に踏み切ったのだと思います。

──お勤め時代は葛藤があったことでしょう。

父が掲げたのは、お客様主導の葬儀でした。まずは料金体系を明確にすると共にホームページを開設し、費用面を透明化しました。また通常、生花祭壇というのはコストがかかるものですが、当社では問屋から直接生花を仕入れ、自社で祭壇を制作することで低価格での葬儀を実現しました。6万5千円からプランをご用意しており、お客様は様々な選択肢の中から希望の葬儀をお選びいただくことが可能です。

──故人やご家族に寄り添った応対が素晴らしいと思います。今は葬儀に対する価値観も随分変容していると聞きます。実際に現場でそうした風潮は感じられますか。

そうですね。最近は昔ながらのお葬式ではなく、家族葬や密葬などの需要が高くなっており、葬儀が簡素化されている傾向にあります。ただ、時代が変われば価値観も変わるものですから、私共としては、葬儀ももっと自由でいいのではないかと思っているんですよ。

──自由、と言いますと?

当社では、故人とご遺族様のニーズを可能な限り汲み取るように努めています。たとえば、ゴルフ好きの方がお亡くなりになった際は、ゴルフをモチーフにした祭壇を作ったり、あるいは故人が生前好きだった宝塚歌劇団のステージを再現した祭壇を制作したり──参列された方が祭壇のある部屋に入られた際に、故人を思い出せるような場所を作っているんですよ。父と共に目指したのは、故人の“人となり”を表せる葬儀で、それについては少なからず実現できているように思います。

──それは素敵ですね! 確かに、葬儀は厳かなものですが、人それぞれに性格が違うように、故人をお送りするのも十人十色であっていいと思います。社長とお父様は葬儀業界の革命児ですね!

2013年に他界した父の分まで、頑張っていきたいと思っています。今は超高齢社会に突入し、大手から中小まで多くの企業が葬儀業界に参入してきていますから、そうした中でしっかりと自分たちのアイデンティティを保ち、お客様に「良い葬儀だった」と言っていただけるように努力を重ねていきたい。既成概念にしばられることなく柔軟な発想で、お客様に寄り添った葬儀を続けて参ります。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲ 『アートメモリー80』が提案する様々な祭壇の形

業界の常識を打ち破る数々の発想

▼葬儀はかかる費用などが不透明な業界だと言われて久しく、往昔の慣習が色濃く残っている業界でもある。それ故に、新規参入は難しいとされてきた。しかし今日にあっては、凝り固まった慣習も随分和らいでおり、自然葬、海洋葬、果ては遺骨を宇宙へ飛ばす宇宙葬まであるという。関東を中心に葬儀を手掛けている『アートメモリー80』もまた、葬儀業界に革命を起こしてきたパイオニアである。

▼ホームページの開設、葬儀費用の可視化、独自の生花流通の確保、祭壇の自社制作など、同業他社に先駆けて新たな取り組みを実践してきた同社が今思案しているのは、レストランの運営。「葬儀という堅苦しいものでなく、“お別れ会”といったお見送りの方法もあっていいと思うのです。レストランに花を飾り、故人の写真があって、そこで友人に偲ぶ言葉を述べてもらう……大切なのは供養の心ですから、形式にこだわる必要はないと考えています」──そう語る平坂社長は、故人を尊び、遺族に寄り添う心を大切に、業界の常識を打ち破っていく。

対談を終えて

「これまでに『アートメモリー80』さんが制作された祭壇のお写真を拝見しましたが、海や富士山、バイク、音符など、それぞれ故人の嗜好に合わせた祭壇でとても素敵だと思いました。『色々な形の葬儀があっていい』と語られていた平坂社長の言葉には力強さがあり、既成観念にとらわれない発想が新たな葬儀の価値を生んでいくのでしょう」(大西 結花さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『センチュリー』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名  称

アートメモリー80 株式会社

住  所

【東京本社】

東京都港区三田4-19-25-108

【埼玉本社】

埼玉県越谷市大沢1597-13

【三鷹支社】

東京都三鷹市下連雀3-37-31-202

【葛飾支社】

東京都葛飾区小菅2-2-12

【横浜支社】

神奈川県横浜市港南区日野中央1-3-36

U R L

http://www.artmemory.jp

掲載誌

センチュリー  2015年1月号

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