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自動車業界に課せられたエコ──

世界から注目され続ける日本の環境技術

トヨタ自動車が2007年度の1〜3月期の世界販売台数で米ゼネラル・モーターズ(GM)の販売台数を上回り世界一となった。日本の基幹産業である自動車製造業だが、実はオイルショックを乗り越えたことが成長のきっかけであった。自動車業界をめぐる昨今の状況は、国内での新車販売台数の減少に加え原油価格の高騰と、厳しい。この危機を乗り越えるため、我が国の自動車業界がオイルショックを乗り越えた経緯から学ぶものは多そうだ。

 

かつては貿易摩擦を招くほどの隆盛を誇った自動車業界。しかし車離れや税金の不明瞭さ、原油価格の高騰により国内での新車販売台数は減少、市場は縮小傾向にある。では、原油価格が今以上に高騰したオイルショックを、自動車業界はどのように乗り越えたのだろうか。

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●オイルショックと日本
1973年と1979年の2度にわたって起きた石油の供給危機と価格高騰──オイルショック。中東の政治不安から石油輸出国が供給を引き締めたことで、石油価格は倍近くに高騰。先進国はのきなみスタグフレーション(不況とインフレの同時進行)に悩まされた。これを受けて日本では強力な省エネ政策を推進。結果、石油消費量の削減率が先進国中トップとなった。
●オイルショック後進む環境対策

1973年から行われた省エネ政策とは省資源・省エネルギーへの取り組みや環境負荷の低減を促進するもので、ネオンの節約やテレビの深夜放送の自粛まで行われた。高度成長により環境問題が深刻化したことも関連して、自動車も1973年に使用を抑制され、排ガス規制に関する法律が強化された。

 

オイルショックによって石油消費量の低減と燃料の多様化が必要であると実感した自動車業界は、そうした政策によって排気ガス中に含まれる有害物質や二酸化炭素を削減する取り組みも進めることとなった。オイルショックを受けて多くの課題を突きつけられた日本の自動車業界だが、それらを技術力で乗り越えることで発展を遂げた。

 

まず、オイルショックによって小型で燃費の良い日本製の軽自動車が先進諸国で好評となった。1970〜1975年にかけて下落したものの、1976年の軽自動車の規格改正で一転。燃費の良さに加え、デザイン性を重視した車作りで販売台数を増加させた。1980年代に入るとさらに世界中で日本車が高い評価を受け、貿易摩擦という国際問題にまで発展した。

 

また、環境政策に対応した技術開発においても日本の自動車業界は世界で認められた。例えばホンダが1975年に発表した「CIVIC CVCC」は、2000年に米国自動車技術車協会(SAE)の月刊機関誌「Automotive Engineering」が選出する20世紀優秀技術車(Best Engineered Car)の1970年代優秀技術車に選ばれた。当時世界一厳しい排ガス規制法とされたアメリカの米国マスキー法75年規制値をクリアしたことと、併せて燃費の良さや動力性能の高さが評価されたのだ。

 

こうしてオイルショック後、環境技術の開発によって自動車本来の性能を向上させながらも環境配慮を実現させた日本の自動車は、世界中で存在感を強めていった。

●エコブームで増す存在感

洞爺湖サミットでは、オイルショック後発展した環境技術を駆使したエコカーが勢揃いする。トヨタは究極のエコカーと呼ばれる燃料電池車や、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車などを試乗車用に提供。三菱自動車は電気自動車を提供する。他にも水素を燃やして走る水素自動車、日産自動車は新型のディーゼルエンジンを搭載したスポーツタイプ多目的車(SUV)を展示する。

 

環境政策で世界に先行する欧州でも日本のエコカーは好評だ。欧州では二酸化炭素の排出量を基準にした新たな自動車税の導入が相次いでおり、燃費効率が高く二酸化炭素排出量が少ないとされる日本車に新自動車税の導入は有利といえるだろう。

 

数々の環境政策を技術力で乗り越えた日本の自動車業界。サミットを前に福田康夫首相は我が国を低炭素社会へ転換すると提言しており、今後も自動車業界が抱える課題は多い。しかしこれを乗り越える技術開発が世界を股にかけた新車販売台数増加へと繋がっていくと言える。

 

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