企業と経営者の情報ポータルサイト・異業種交流を強力にサポート【異業種ネット】マンスリーコラム-MONTHLY COLUMN
TOPICS
増え続けるアスペルガー症候群
増え続けるアスペルガー症候群 イメージ広汎性発達障害(自閉症連続体)の一部、アスペルガー症候群。連続体であるがゆえにその症状は多様をきわめ、我々の周りにも実に多くのアスペルガー症候群を見つけることができる。子どもから大人まで多く見られるこの症状によって生きづらさを感じつつも、社会に適応しようと頑張る人たちがいる。その一方で、有名な科学者や映画監督にも非常に多く存在するのが、このアスペルガー症候群なのだ。
* * *
■アスペルガー症候群の人々

アメリカの統計では、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害と診断される人が年率2割を超えるペースで増えているという。症候群に対する認識の広がりが原因とはいえ、それでも凄まじい早さだ。そんな中には、軽度のアスペルガー症候群であるため自分でもそうと気付かずに、生きづらさを感じながら社会に適応しようと努力している人も多い。

また同時に、この症候群の傾向を持つことが特異な能力を生み、活躍している人が、現在も、過去を遡ってみても数多くいる。例えばエジソン、織田信長、アインシュタイン、ヒッチコック、ビル・ゲイツ、ジョージ・ルーカス、最近分かったところではレオナルド・ダ・ヴィンチなど──。彼らをはじめ、歴史上の偉人や芸術的に優れた感性の持ち主の中にはアスペルガー症候群の特性が見られる人が非常に多いのである。

* * *

ではアスペルガー症候群とはどのようなものなのか。一般的に「知的障害がない自閉症」と認識され、広汎性発達障害(自閉症連続体[スペクトラム])の一種だと言われている。自閉症の症状とは全て連続体であるため、実際にその境界線は定かでない。はっきりした違いは、自閉症ではIQに低下が見られるのに対し、アスペルガー症候群では知能は正常範囲もしくは平均以上であることが少なくないことだ。では、この症候群に見られる3つのタイプを見てみよう。

(1)積極奇異型
対人関係や社会的活動において度を超えて積極的な印象を持たれることが多い。これは並外れた好奇心や、周囲への関心の高さからくる。会話ではなく一方的に質問を繰り返したり、自分の興味のあることについて喋り続ける。

(2)受動型
対人面の関わりが苦手で、自分から関わりは求めない。周囲に対して関心がないわけではないが、自分から交友を求めて他者と関わろうとしない。

(3)孤立型
周囲への関心が乏しく、自分から関わりを求めていかないだけでなく求められてもそっけない態度で対応してしまうタイプ。そのため孤立しやすく、胸のうちに豊かな世界や想像力を秘めていても気付かれにくいことが多い。

これらのタイプに潜む最も大きな共通点は、人間関係のバランスを保つのが苦手なこと。そしてもう一つは、特定の分野において強いこだわりを持つことである。凡人が見向きもしないようなものにときとして生涯を捧げる彼らによって、世界的な大発見や発明が成されたりするのだ。

彼らが対人面での関係を築きにくい理由は、「相互応答性の障害」から生まれる。通常のコミュニケーションとは対する人と反応し合うことによって成り立つものだ。ここで必要になるのが「心の理論」と呼ばれる相手の心の動きを察する能力なのだが、この理論が年齢に応じた成長を遂げないと、「嘘が見抜けない」「額面通りに言葉を受け取る」「冗談が通じない」などの特徴を極端に有したまま育つこともあるよう。しかし言い換えればこれは、腹蔵のない素直さといった美点にもなり得る。

例えば「種の起源」で知られるダーウィンもこのタイプで、全く裏表のない人物だったと言われている。彼の妻が言うには「今まで出会った誰より素直で隠し事のできない人。口から出る言葉はいつも本心だった」のだとか。また彼は、幼いころからモノへの関心が異常に強かった。これはあの巨匠ジョージ・ルーカスにも見られる特性で、人間よりも物への関心が異常に強かった彼が最初に撮った映画の主人公は、なんと“皿”だったという。そんな彼が才能を開花させた大きな要因は母親の教育にあるのだ。彼の興味が向く方、つまり特定の分野における強いこだわりを理解し、好きなようにやらせたのである。

そういったアスペルガー症候群の兆候を持つ偉人を偉人足るべく導いた人物で、有名なのはやはりエジソンの母であろう。幼少期から奇異な行動ばかり目立ったエジソンは、小学校に入っても散々な評価で先生から敬遠される存在であった。学校側の対応を見かねた母親はエジソンに学校を辞めさせ、自分で教え始める。そして基本的な勉強時間以外は、本人の興味を刺激しながら彼の自主性をうまく引き出していったのである。やがて実験に耽るようになった彼には地下室を実験室として提供。そこでエジソンは誰に教わるでもなく、後の発明に繋がるものを自ら学んでいったのだ。

これらの例からも分かるように、幾つかの性質が重なって千差万別の個性となっているのがアスペルガー症候群の特徴なのである。

* * *

そして現在、我々の周りにもたくさんのアスペルガー症候群が存在している。彼らは社会に適応しようと必死でもがき、生きづらさと闘っているのだ。それは、うつ病や不安障害といった形で表れることも少なくない。だからこそ、違いを認め、皆が個性を活かせる世の中を築くためには、増え続けるアスペルガー症候群の人々に対しての、正しい認識と理解が今後さらに必要となるだろう。

参考資料:アスペルガー症候群/岡田尊司/幻冬舎新書
シミュレーションゲーム専門誌(アナログゲーム・TRPG・海外ボードゲーム) Command Magazine(コマンドマガジン)WEBサイト

 

MONTHLY COLUMN

 

異業種ネットについて

 

こちらをご参照ください。

 

広告・バナー・記事掲載募集

 

大阪市西区立売堀1-7-18
株式会社国際通信社
TEL 06-6536-1134

 

著作権について

 

本記事および異業種ネット中に掲載されたインタビュー記事については、株式会社国際通信社に著作権があります。無断で記事の内容・画像を転用することを固くお断りいたします。

 

ただし、リンクはフリーです。下記バナーをご使用ください。

 

企業と経営者の情報ポータルサイト・異業種交流を強力にサポート【異業種ネット】バナー